松本人志は夏目漱石である! の商品レビュー
まぁおもしろいじゃないでしょうか。お笑い好きにはいいと思う。 テレビバラエティがどのような変遷を辿って今に至るかを、近代小説の流れになぞらえて紹介してます。実際非常にわかりやすい。昔、近代の小説家の名前とか思想を覚えてて、少しよかったと思う面もあります。 なぜ「すべらない話」...
まぁおもしろいじゃないでしょうか。お笑い好きにはいいと思う。 テレビバラエティがどのような変遷を辿って今に至るかを、近代小説の流れになぞらえて紹介してます。実際非常にわかりやすい。昔、近代の小説家の名前とか思想を覚えてて、少しよかったと思う面もあります。 なぜ「すべらない話」が生まれたのか?ということを、それまでのテレビバラエティや時代時代の芸人の流れと照らし合わせて割と分析的に書いてあります。 この本で重要なのは、芸人と視聴者の間の「共通言語」の生成にあるということです。 例えば飲み会の隣の席で、「山田君」の話をしていて、その彼の行動についてみんなが笑っているような状況があるとします。そしてそれを隣で聞いている僕が聞いてるとします。すると僕には、その話のどこがおもしろいのかわかんないことってありますよね。でも、その隣の人たちにとっては「山田君」の話が最高に面白いと思って笑ってる。 この本によると、これは僕とその隣の人に「共通言語がない」から起きる問題だというのです。 この場合は「山田君」が「共通言語」ということですね。 すなわちテレビバラエティでは、おおげさに言えば1億人と「共通言語」を作らなければならないのです。 そんなことをこの本では書いていて、その流れの頂点を「すべらない話」としているようです。 おいおい「すべらない話」で頂点迎えちゃったのかよ、って思いましたがそれはいいとして。 共通言語、これは大事な言葉ですね。 僕も共通言語についていろいろと考えよう。
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お笑いの地位や価値の向上を目的として、書かれているわけではないと言う。 確かに文豪とコメディアンの行動は同じである。人を魅了する"きっかけ"は同質で類似したなにか。 しかし、だから何なのか。
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近代小説における文豪と、お笑いタレントとの間に共通点を見出した、アナロジー・エンタテイメント。お笑い評論家なる職業があることにも驚いたが、著者の峯尾耕平氏による近代文学、お笑い、双方のジャンルにおける登場人物への分析は、実に的確で一気に引き込まれる。 ◆標題にもなっている、夏目...
近代小説における文豪と、お笑いタレントとの間に共通点を見出した、アナロジー・エンタテイメント。お笑い評論家なる職業があることにも驚いたが、著者の峯尾耕平氏による近代文学、お笑い、双方のジャンルにおける登場人物への分析は、実に的確で一気に引き込まれる。 ◆標題にもなっている、夏目漱石と松本人志の比較 ・夏目漱石 なによりの功績は文体の創造にある。”伝統的教養”に”英語”という要素が加わり「新しい文体」は完成された。漱石亡き後、近代文学は私小説へと舵を切る。漱石以降登場した文学者に彼の影響をうけていないものはいない。 ・松本人志 ”漫才の伝統性”と”テレビコントの革新”をもって、ダウンタウンはテレビバラエティを完成させた。そして、その後あまりにも私小説的な「すべらない話」というフリートークを世に送り出した。その後、松本の影響を免れたお笑い芸人は見当たらない。 著者は全編を通して、近代小説:「私小説」、お笑い:「フリートーク」という点にフォーカスを絞り、その笑いの前提にある、”共同体における共通意識”というものに着目している。それらはいずれも、日本人独特の共通意識に根差す表現活動であり、いくら日本語がわかる外国人であろうと、ほんの数年日本に住んでいたくらいでは共有できないようなものである。例え、それがガラパゴスと揶揄されようとも、それらの共通意識に根差した笑いは、共感を内包し、連帯感により感情を高揚させてくれる。 一方、今年の流行語大賞候補に象徴されるように、ソーシャルメディア台頭による影響が、年々日本人としての共通意識を希薄にしてきているという一面も、見逃せない事実である。そして、それは日本らしい文化の”大きなうねり”を、消滅させる可能性もあると思うのだ。(※参考:流行語から明確になる「マス感性の消失」) あまりにも細分化したソーシャルグラフの壁を取り払うことができるのは、”とんねるず”に見られる”汎用性のある内輪ネタ”のようなものなのか、ダウンタウンのコントに見られる”あいまいさの的確な抽出”なのか、はたまた”志賀直哉”に見られる”不愉快さへの共感”なのか。 ソーシャルメディアが、文化の形成という側面において”近代文学を開花させた新聞メディア”、”お笑いに変革をもたらしたTVメディア”等の歴史に、学ばなければならない点は多い。出でよ、ソーシャルメディア芸人!
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タイトルに興味が沸きました。 無理やり感が否めませんが、著者がお笑いと文学を愛しているのはよく伝わりました。 しかし、キム兄とかジュニアのとことか、引用多すぎひんかね。
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お笑い芸人を文豪に例える。 戦国武将でもプロ野球選手でも同じようにできるだろう。 飲みながらの馬鹿話にはちょうどいいが、わざわざ、それぞれの歴史を調べ、掘り下げ、本にするまでのことではない。 ブログの一記事くらいでちょうどいいのでは。
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