グレン・グールドは語る の商品レビュー
専門外でよくわからない箇所も多々あったけど、グールドの語りはモノマネが入ったり、軽妙に皮肉をいったりと、その人柄が鑑みえた。
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《…グールドは、自分の聖域、神聖な森を創り出した。自分の音楽とテクノロジーへの執着心を楽しみつつ探求のできる秘密の場所である。》p19 《すなわち、自分の人格のある部分は、特定の生き方や特定の名前が決める構造の中でこそ効果的に機能するのだと。》p99 《創意とは、自分に期待される...
《…グールドは、自分の聖域、神聖な森を創り出した。自分の音楽とテクノロジーへの執着心を楽しみつつ探求のできる秘密の場所である。》p19 《すなわち、自分の人格のある部分は、特定の生き方や特定の名前が決める構造の中でこそ効果的に機能するのだと。》p99 《創意とは、自分に期待されるものとはいくぶん違った前提を固守するときに用いる精妙さと関係があると思います。私はいかなる非難にも耐えられませんし、ビートルズについては本質的に侮辱や非難の対象外ではないかと私は考えています。》p137 《まず、メンデルスゾーンとムソルグスキーの対比は、実に説得力があること。そして、「奇態指数」(quirk quotient)〔グールドの造語〕というものがありますが、メンデルスゾーンの作品の指数は最低値であることです。》p140
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原書名:CONVERSATIONS WITH GLENN GOULD(Cott,Jonathan) 第1部◆グレン・グールド・フォトアルバム◆第2部◆ジョージ・セル事件 著者:グレン・グールド(Gould, Glenn, 1932-1982、カナダ、ピアニスト)、ジョナサン・...
原書名:CONVERSATIONS WITH GLENN GOULD(Cott,Jonathan) 第1部◆グレン・グールド・フォトアルバム◆第2部◆ジョージ・セル事件 著者:グレン・グールド(Gould, Glenn, 1932-1982、カナダ、ピアニスト)、ジョナサン・コット(Cott, Jonathan、1942-、アメリカ・ニューヨーク、ノンフィクション作家) 訳者:宮澤淳一(1963-、太田市、音楽評論家)
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グールドについては、彼が紡ぐ音についてはもちろん素晴らしい事に異を挟む余地は全くないが、彼の奏法や行動、風体がある意味異彩を放っているが為に、その音楽性と共に語られることが多いがこの著作での彼の言葉を目にするとそれが当然ではあるが彼によって紡がれた音とは全く関係のないと同時に彼自...
グールドについては、彼が紡ぐ音についてはもちろん素晴らしい事に異を挟む余地は全くないが、彼の奏法や行動、風体がある意味異彩を放っているが為に、その音楽性と共に語られることが多いがこの著作での彼の言葉を目にするとそれが当然ではあるが彼によって紡がれた音とは全く関係のないと同時に彼自身が音楽についてどう考え、それをどう表現するかに真摯に向き合っていた様を知ることが出来た。また、彼の知見にも触れることができてより彼をリアルな存在として認識することができた。
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◆きっかけ 『7つ目の絵の具』でいせひでこさんがグレンのことに触れていて興味を持った 2016/08/12
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ひと癖ある演奏と発言.こういうキャラクタは面白い.どんな人でも自分の熟考した内容を語ってくれる人の言葉は興味深く,グールドはその典型である.
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CDの中でだけ知っているグールド、さぞ変わってるんだろうなと思ったらやっぱり変わっていた。 ただそれは奇態を狙う種類のものではなく、彼が生み出す音楽のように、彼なりの冷静な論理と試行と天才の結果にすぎない。 また意外だったのが、グールドがクラシック音楽、ピアノ音楽以外の当時のポッ...
CDの中でだけ知っているグールド、さぞ変わってるんだろうなと思ったらやっぱり変わっていた。 ただそれは奇態を狙う種類のものではなく、彼が生み出す音楽のように、彼なりの冷静な論理と試行と天才の結果にすぎない。 また意外だったのが、グールドがクラシック音楽、ピアノ音楽以外の当時のポップミュージックについて語ったところ。 そしてインタビュー形式のこの本で、グールドと同じくらいインタビュアーのジョナサン・コットに興味を覚えた。グールドとやりあう知識量や話の提起に。ダイヤモンド同士の会話を聞いているような本。
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早熟の天才、わずか50歳でこの世を去ったグールドの音楽の秘密に迫るロングインタビュー。リラックスした本人の弁による回答というのが面白い。 しかしインタビュアーの作家、このジョナサン・コットもただものではない。投げかける数々の質問は、グールドの音楽性の核心に鋭く迫る的確な比喩(「・...
早熟の天才、わずか50歳でこの世を去ったグールドの音楽の秘密に迫るロングインタビュー。リラックスした本人の弁による回答というのが面白い。 しかしインタビュアーの作家、このジョナサン・コットもただものではない。投げかける数々の質問は、グールドの音楽性の核心に鋭く迫る的確な比喩(「・・・言ってみれば、テンポとは、注がれる液体よりも、むしろその容器の方です」などなど)に満ちていて、そのせいかグールドは、安心してそのすべてを明かす。 それにしても読めば読むほど、時代が追いついてなかったの感が、ぬぐえない。実在あるいは架空の人物の「なりすまし」(露地庵先生を思い起こすが)一つ取っても・・・!!(なりきって論文を書いてしまうなど) 自分の中でのピアニストの概念が塗り替えられてしまった。
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