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太陽が死んだ夜 の商品レビュー

2.8

21件のお客様レビュー

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2012/04/21

第2次大戦中、ニュージーランドの北島にある捕虜収容所で密室殺人が起こり、数ヵ月後、南島にある全寮制の女子校で少女が惨殺される。41年後、同じ女子校で再び残虐な少女連続殺人が起こり・・・。 ひとりの少女の祖母が残した手記。そこに秘められた真実とは。 第20回鮎川哲也賞受賞作。 ...

第2次大戦中、ニュージーランドの北島にある捕虜収容所で密室殺人が起こり、数ヵ月後、南島にある全寮制の女子校で少女が惨殺される。41年後、同じ女子校で再び残虐な少女連続殺人が起こり・・・。 ひとりの少女の祖母が残した手記。そこに秘められた真実とは。 第20回鮎川哲也賞受賞作。 大戦中のニュージーランドって、今までに舞台になった作品はなかったんじゃないでしょうか。 捕虜収容所で起こった事件のことも、全く知りませんでした。 そしてその事件を、全く絡まりそうにない全寮制の女子高とつなぎ合わせたアイデアは素晴らしいと思います、 作品自体も、キャラクターがくっきりと描き分けられていて、かなりの人数が登場する割に混乱することなく読み進められました。 個性的な女の子がたくさん出てくる女子寮ものっておいしいなぁ。 ただ読み終わってよくよく考えると、犯人の動機が弱く、納得いなかいものだったり、ラストの「冒頭からつづくプロローグ」の中身が、都合よくいきすぎだったり、欠点もちらほら。 書き方自体はスマートな感じで好みなので、他の作品があったら読んでみようかなと思いました。

Posted byブクログ

2011/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大戦中、ニュージーランドで脱走した日本兵が女子校に迷い込んだ。数日後、女学生が謎の死を遂げる。ハラキリの状態で亡くなった友人を見て、ケイトは日本兵を匿った自分を責め、手記を遺していた。祖母の死後、手記を見つけたジュリア。親友バーニイとともに事件の起こったラザフォード女学院に転入。だが41年前と同じ殺人がおこり…。犯人はシスター ナシュ。日本兵と通じ密かに子を産んでいた。模倣犯として途中から女学生を殺していたのはジェニファ。全体的に材料やアイデアはすごくイイ。ねらったとみられる海外小説の翻訳のような文体も。ただし、描写不足で材料を生かしきれず淡々と進んでしまう印象。ジェニファの動機も、同性愛者だからというかなり弱い内容。

Posted byブクログ

2011/05/13

雰囲気のあるミステリー小説でした。 一気読みとまではいきませんでしたが、 次を楽しみに読む進みました。 最後がちょっとまとめ的というか、 説明的な感じになったのが惜しかったです。 でも充分に楽しませていただきました。 次作、期待しています。

Posted byブクログ

2011/02/21

第20回鮎川哲也賞受賞作。 ニュージーランドの全寮制女子校で起こった猟奇的な殺人事件は、41年前に捕虜収容所を脱走した日本兵の復讐なのか。 クローズドサークルの派手な展開に個性豊かな少女たち、実在のフェザーストン事件を絡ませたあたりはうまいと思うし、全体的に大変読みやすい。 しか...

第20回鮎川哲也賞受賞作。 ニュージーランドの全寮制女子校で起こった猟奇的な殺人事件は、41年前に捕虜収容所を脱走した日本兵の復讐なのか。 クローズドサークルの派手な展開に個性豊かな少女たち、実在のフェザーストン事件を絡ませたあたりはうまいと思うし、全体的に大変読みやすい。 しかし犯人の動機やトリックなどは大ざっぱな感じで、ちょっと説得力が弱いかも。 ストーリー展開や語り口は好きなので、次作に期待。

Posted byブクログ

2011/01/09

ニュージーランドの全寮制女子校での連続殺人に、過去の日本人捕虜の謎の死と、同じ女子校であった殺人事件は関係しているのか・・・ 文章が読みやすく、外国が舞台でもすんなり入っていけたし、設定とかも結構好きな感じで、途中まで一気読み。 でも、謎解き部分が意味不明だった。デキル子だと思っ...

ニュージーランドの全寮制女子校での連続殺人に、過去の日本人捕虜の謎の死と、同じ女子校であった殺人事件は関係しているのか・・・ 文章が読みやすく、外国が舞台でもすんなり入っていけたし、設定とかも結構好きな感じで、途中まで一気読み。 でも、謎解き部分が意味不明だった。デキル子だと思ってたのにどうしちゃったのかしら・・・って感じ。

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2010/12/30

戦時中の捕虜収容所で起こった事件と、40年後の全寮制女子校で起こった殺人事件。ニュージーランドで起こったそれらの事件が、意外な関連性を露わにする。 新人賞を受賞したこの作品、とにかく読みやすかった、というのがなにより一番でした。登場する女子高生もキャラが立っていたし、「意外性」も...

戦時中の捕虜収容所で起こった事件と、40年後の全寮制女子校で起こった殺人事件。ニュージーランドで起こったそれらの事件が、意外な関連性を露わにする。 新人賞を受賞したこの作品、とにかく読みやすかった、というのがなにより一番でした。登場する女子高生もキャラが立っていたし、「意外性」もあちこちに盛り込まれていてサクサク読めるわりに色々と深みも感じさせてくれました。 ただアラというかアレ?と思うところもそれなりにあり…とりわけ真犯人の「動機」の不可解さというか、説明の薄さがちょっとどうかなと。それが理由でそんなことをするかとか。あとは残虐な殺害方法の描写が、あまりにも画一的かなとも。そこまでさくさくっとしすぎではないかなと思いました。 それでも全体的には、面白さのほうを強く感じたので、これからも機会があればこの作者の本を読んでいきたいと思います。

Posted byブクログ

2010/12/27

第20回鮎川哲也賞受賞作。 ニュージーランドの全寮制女子校が舞台。 四十一年前に起こった惨殺事件の謎。 設定だけでもうたまらんですね。 えぐかったけど、面白く読みました。 次回作に期待!

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2010/11/30

鮎川哲也賞受賞作。因縁の絡みつく女子寮で起こる閉鎖空間連続殺人、というだけでかーなりツボでした。事件も派手です。シチュエーションと道具立てだけで、満足。 ミステリのトリック的な部分はちょっと大雑把かも、という印象を受けました。だけど個人的には、犯人の動機とか密室構築された理由とか...

鮎川哲也賞受賞作。因縁の絡みつく女子寮で起こる閉鎖空間連続殺人、というだけでかーなりツボでした。事件も派手です。シチュエーションと道具立てだけで、満足。 ミステリのトリック的な部分はちょっと大雑把かも、という印象を受けました。だけど個人的には、犯人の動機とか密室構築された理由とかにまつわる狂気の部分が魅力として感じられました。終盤のサスペンス感も盛り上がります。

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2010/11/18

第20回の鮎川哲也賞受賞作。ニュージーランドの 全寮制女子校を舞台に41年前に起きた密室殺人事件、 そして日本人捕虜兵の脱走、そして、同じ学校で 起る連続殺人事件...etcと舞台設定はやや変化球 ながらもミステリの王道を行く様な作品。 王道ならではの面白さは当然あるのですが、...

第20回の鮎川哲也賞受賞作。ニュージーランドの 全寮制女子校を舞台に41年前に起きた密室殺人事件、 そして日本人捕虜兵の脱走、そして、同じ学校で 起る連続殺人事件...etcと舞台設定はやや変化球 ながらもミステリの王道を行く様な作品。 王道ならではの面白さは当然あるのですが、 今作の一番の上手さは歴史上の「フェザーストン事件」 とそもそも密室性の高い全寮制女子校を上手く 事件に絡めたところにあるのかもしれないです。 とは言え...過去、現在の猟奇殺人の真相や その推理、そして密室や腹切りと言った キーワード達が...どうにも読んでいて解せない。 余りにも身勝手な犯人。そしてその犯人がその 殺意や犯行に至る描写がおざなりでどうにも 納得がいくものではないんですよね...。 それを持ち出すのは個人的にも嫌いだし、 そもそも作者の犯人に対する気持ちが雑です。 正直、後半は惰性でした...。 個人的には「合わない」というだけなので ミステリに重きを置くのなら...アリなのかもですね。

Posted byブクログ

2010/11/15

第二次大戦中、ニュージーランドの捕虜収容所で、日本兵が謎の死を遂げた。 その数ヶ月後、収容所とは別の島にある全寮制女子校の教会堂で、少女の惨殺死体が発見された。 そして41年後、同じ女子校の教会堂で美しい少女たちを襲った連続殺人。 3つの事件を結ぶものは何か? ひとりの少女の祖母...

第二次大戦中、ニュージーランドの捕虜収容所で、日本兵が謎の死を遂げた。 その数ヶ月後、収容所とは別の島にある全寮制女子校の教会堂で、少女の惨殺死体が発見された。 そして41年後、同じ女子校の教会堂で美しい少女たちを襲った連続殺人。 3つの事件を結ぶものは何か? ひとりの少女の祖母が遺したものそこに記されていた謎の言葉は何を語るのか。。。 ひきつづき第20回鮎川哲也賞受賞作。今回は2作同時受賞です。 こちらも全寮制のミッション系女子高での連続殺人という、いかにもな舞台装置で楽しませてくれました。 選評でもあった通り、それぞれの女の子の書き分けもばっちり。 文章については全く違和感なく読み進めることができました。 が、肝心のどうしてこのタイミングでこの殺人を?というところの説得力が欠けていたのが残念。 人種の壁や戦後処理などももう少し巧く絡めてほしかったなぁ。 トリックや謎解きがあっさりされていたのも物足りませんでした。 が、ストーリーテリングはとてもお上手なので、こちらも次回作を期待します。 こちらは北村薫さん一押しだったそうで。 どちらもさすが鮎川哲也賞、という感じでしたが、島田さんと北村さんのご趣味が窺えるような2作品で、その意味でも興味深かったです。

Posted byブクログ