デジタル時代の著作権 の商品レビュー
『近年における社会のデジタル化の進展はめざましいものがある。(中略)創作者の権利、すなわち著作権のあり方も再考を迫られている』言っていることはこの一文に尽きますが、書いている文章は難しかったです。 難しい問題ですよねぇ。ここに書かれていることは現代社会、特に21世紀になって急に...
『近年における社会のデジタル化の進展はめざましいものがある。(中略)創作者の権利、すなわち著作権のあり方も再考を迫られている』言っていることはこの一文に尽きますが、書いている文章は難しかったです。 難しい問題ですよねぇ。ここに書かれていることは現代社会、特に21世紀になって急に持ち上がってきた問題でしょうから。これをみんなが納得するようなやり方で解決するには、まだまだ長い時間がかかるだろうなぁとこの本を読んでいてずっとそう思ってました。 インターネットが発展してソーシャルメディアが一国の政権を変えるまでに普及すると、違法行為などもなかなか取り締まるのも困難でしょうしね。いちいち目くじらを立てて、あれはいい、これはだめなんて機械的に処理ができるような問題でも決して無いでしょうから。もいっそのこと著作権オールフリーだ。とも言っていられませんしねぇ。 そして、肝心の内容ですが、この本新書にもかかわらず、結構内容は難しいです。作者の経歴を読んでみると。東大法学部卒でスタンフォード大学のロー・スクールで修士号と博士号をとっているんですとさ。さもありなんですわな。まぁ、この状況は今後も見守っていく必要があるのでしょうね。
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2011 8/7読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。 Creative Commons、Open access関連でしばしばお世話になる野口さんの本。去年の秋に出ていたのを見逃していた(汗) 昨今の著作権事情はそこそこ知っている気でいたけれど、読んでみると知らないことや新し...
2011 8/7読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。 Creative Commons、Open access関連でしばしばお世話になる野口さんの本。去年の秋に出ていたのを見逃していた(汗) 昨今の著作権事情はそこそこ知っている気でいたけれど、読んでみると知らないことや新しい見方も多くて勉強になった。 ・著作権・・・複製は許諾がいるがアクセスは自由とする(ex:本を読むのは自由) ⇒・デジタル時代においてはアクセスに複製(キャッシュ等)が伴う・・・アクセスが自由ではなくなりつつある? ・法律を時代に合わせ変えるにも・・・ベルヌ条約は加盟国全会一致でしか変えられない⇒・非常に困難 ・DRM・・・権利制限規定がある場合でもDRM回避を行うと違反になる場合が多い ⇒・実質的な権利強化・制限規定の無効化?
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著作権の歴史的成り立ちから、最近のメディア・デジタル著作権絡みの話題まで、順を追ってわかりやすく解説している。入門書としても、最近の動向を読み解くにも使え、特段の予備知識なく読めるのでおすすめです。
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仕事で必要だったので読んだ。 分かりやすく現代社会の著作権のあり方(現状とこれからへの提言)が解説されていてよかった。 今の権利者団体は既得権にしがみつきすぎてると思うので、もう少し柔軟になって欲しい。
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きちんと作ってあります。著作権の歴史から、昨今の動向、各権利者ごとの利害のポイントなど、難しいテーマも含めて初心者にもわかりやすく、でも、中身はある。これから法解釈が揺れ動きそうなテーマですが、過去から今を振り返り、そして未来を予想するには格好の本です。
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最近、国民総クリエイターの時代だとか、それに伴う著作権がどうとかという声をよく聞いていたので、著作権について基本くらいは知っておこうと思って本書を読むことに。著作権関連の本は初めて読んだが、本書は内容・構成ともに分かりやすく、入門書としてはお勧めしたい一冊である。 本書では、ま...
最近、国民総クリエイターの時代だとか、それに伴う著作権がどうとかという声をよく聞いていたので、著作権について基本くらいは知っておこうと思って本書を読むことに。著作権関連の本は初めて読んだが、本書は内容・構成ともに分かりやすく、入門書としてはお勧めしたい一冊である。 本書では、まず、著作権の仕組みとその形成の歴史を学び、現代における問題点を事例を用いながら分かりやすく解説している。さらに、今後の課題と、著者の取り組み、我々が心がけることなど、示唆に富む内容となっている。 著作権の歴史は面白く、19Cに設定されたベルヌ条約という国際条約は当時は合理的であったことも良く分かる。世の中の変化とともに、著作権制度は現代社会に合わなくなったと言われて久しいが、この条約は、加盟国164カ国の全員一致でなければ改正できず、各国とも工夫を凝らしているものの、根本的なことは変えられない現状である。これは著作権をちょっと知っている人にとっては常識かもしれないが、私は日本国内での問題だと思っていたので少々意外だった。 また今後の著作権制度への考察も面白かった。柔軟な法制度へ導く提言や、オープン・ライセンスの一般化など。ライセンスに関しては個人的にも興味があり、非常に参考になった。
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まねきTV判決を始め最近は著作権が話題に上ることも多いが、この本は、著作権制度の現代の課題や将来のあるべき姿を素人にも分かりやすく解説してくれる。もっと星をつけたいくらい。
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GoogleのアンドロイドとアップルのiPhoneの間でスマートフォン競争を繰り広げている現在の状況では多くの人が集まるプラットフォームの方が最終的には競争に勝利する。だからオープン戦略をとることにより長期的には競争を有利に進めることができる。 日本発の検索エンジンが出てこないの...
GoogleのアンドロイドとアップルのiPhoneの間でスマートフォン競争を繰り広げている現在の状況では多くの人が集まるプラットフォームの方が最終的には競争に勝利する。だからオープン戦略をとることにより長期的には競争を有利に進めることができる。 日本発の検索エンジンが出てこないのは著作権の問題があったから。検索エンジンでは毎日インターネット上の情報を集めてインデックスを作成する必要がある。しかしこのような収集は著作権に違反するのではないか?という疑問があった。結局立法化されたのは2009年。
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著作権とその周辺にある基本的考え方を簡潔に整理し、その歴史的変遷を述べながら、現在の過剰な権利擁護の流れに危機感を持つ著者の姿勢に共感。仕事柄、「科学の世界と著作権」はとくに興味深かった。商業的利益を追求したいものはいくらでも伸ばせばいいけど、人類の共有財産とすべきものはパブリッ...
著作権とその周辺にある基本的考え方を簡潔に整理し、その歴史的変遷を述べながら、現在の過剰な権利擁護の流れに危機感を持つ著者の姿勢に共感。仕事柄、「科学の世界と著作権」はとくに興味深かった。商業的利益を追求したいものはいくらでも伸ばせばいいけど、人類の共有財産とすべきものはパブリック・ドメインでというのはまさに正しいと思います。
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これからの著作権制度がどうあるべきか。 著作権者の権利を守り、利用の制限を厳しくした場合の功罪。著作権者の権利を弱め、利用の制限を緩やかにした場合の功罪。 これらを著作物の性質ごとに、技術の発展やビジネス環境の変化によっても変わってくる状況に則して、丁寧に解説しています。 現行...
これからの著作権制度がどうあるべきか。 著作権者の権利を守り、利用の制限を厳しくした場合の功罪。著作権者の権利を弱め、利用の制限を緩やかにした場合の功罪。 これらを著作物の性質ごとに、技術の発展やビジネス環境の変化によっても変わってくる状況に則して、丁寧に解説しています。 現行法では違法か合法か、などという次元ではなく、今後どうあるべきか、ということを一人一人が考えていく上で必要な知見が得られます。
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