禅僧たちの室町時代 の商品レビュー
蔭涼軒日録を中心から読み取れる室町期の禅宗の様子に関しての一冊。禅の思想的側面というよりも禅林の日常について触れる。 「禅林の成り立ち」の章では禅宗の大まかな流れ、寺社内部の構造など初めて禅林に触れる場合の手引きとしても有用か。 続く「まぎらわしき」では同じくらいの時期に存在し...
蔭涼軒日録を中心から読み取れる室町期の禅宗の様子に関しての一冊。禅の思想的側面というよりも禅林の日常について触れる。 「禅林の成り立ち」の章では禅宗の大まかな流れ、寺社内部の構造など初めて禅林に触れる場合の手引きとしても有用か。 続く「まぎらわしき」では同じくらいの時期に存在した二人の周琳についての足跡を追う。「情をかける」では蔭涼軒主・亀泉集証の月江喝食への関心をある種の派手さは抑え気味に日録の中から拾い上げる。 「法語の長き」「暗記する」「詩の材料」の章は禅林における外向けの文章や詩歌に関しての伝統や趨勢について。「揺らぎ」は寺社の、「老い」は個人の、衰微に向かうとらえ方についてか(流し読み)。
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