砂漠の悪魔 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「お前はそんなことをするべきじゃなかった。だが、そいつだって、そんなことで死ぬべきじゃなかったんだ。大事に思ってくれる家族がいるならなおさらだ」雅之に言われてしまえば、元も子もないが、きっとそうだろう。 逃避行のきっかけを忘れるくらいの衝撃が最後に。中国は何をしたいのでしょうね。 新疆ウイグル自治区の問題は、かねてからニュースになっていたが、大きく取り扱われることが少なかったような気がする。そして、知らないうちに、…。私たちはどう対応すればよいのでしょうか。 砂漠に悪魔がいるように、日本にも悪魔がいた。「僕は退屈してただけなんだ」広太のつぶやきは、きっと、今の誰にでも共通のことでしょう。そして、あてどもない、漠然とした閉塞感がやがて本物となり、将来のない衰退への道に繋がっていく。死にはしないが、生きる希望もない、と。
Posted by
何か事件が起きて謎解きをするタイプの話ではなかった。東京から北京へ、北京からカシュガルまで、ロードムービー的な話の進行で一気に読んでしまった。 タイトルの意味は途中で分かる人には分かるのかも。私は全然気づかなかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
友人を陥れた男の中国逃避行。友人の死で始まり、ある意味物語は淡々と進み、最後にまた友人の死で閉じる。もう少し主人公自らが起こす行動を見たかった気がしますね
Posted by
小さな悪意から友人を自殺させてしまった主人公。 贖罪というよりも、現状から逃げ回っている主人公。 どのような形で自らと向き合い、心の平安を取り戻すのか?と、期待してどんどん読み進めたけれど…。 あまりに突拍子もない結末で、肩透かしをされたよう。 これが小説なのかもね。
Posted by
最初はミステリー的な話かとも思えきや、壮大なる展開へと。ハードボイルドだなぁ。とてもありえないけど。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
スタート地点と着地した場所の違いにただただ衝撃を受けた。 中部から後半部分のウイグル族、核実験問題をおもに描きたかったんだろうなぁ、というのが伝わりました。 彼の犯した罪と中国との問題が、ちぐはぐな感じで最後までなじまなかった所に違和感が残ったけど、結末が気になって最後まで読ませる感じは凄かった! ラストも凄かった。
Posted by
気まぐれの悪意から親友を死なせたことで人生が変わってしまった大学生。ちょっと前までは平凡で退屈な日常だったのに、どんどん追いつめられて流れ着いた中国の果てで彼が遭遇したものは… 実に苦くて鬱々とした気持ちになる話で辛かったが、ストーリー展開はぶっ飛んでいてすごかった。
Posted by
傲慢で鼻持ちならない大学生の主人公の悪意によって、友達が自殺してしまう。グダグダとあの時に戻れたらとかやり直せたならとか、過去を後悔してばかりいた主人公。そんな日々のぬくぬくした悩みは、本物の悪魔、砂漠の悪魔によってこっぱ微塵に葬りさられる。最後の数ページは驚愕!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あまりの展開のむごさと言うか、自分の思ってもいなかった方向に話が進んで終わり衝撃が凄かった。 砂漠の悪魔ってそういうこと!?? と言う。 近藤さんの本はさらりと読めて感情もさらりと物語の登場人物達の中に入っていけるからいい。 にしても砂漠の悪魔の正体が核実験とは・・・・ 病気で体を病んでしまう以上に、人の人災によって体を病んでしまうことの方がはるかに恐ろしい。 隣の中国の近いのに遠くしらない現実をまざまざと見せつけられた気がした。
Posted by
そうきたか〜ってかんじ。そういうラスト。5年前の作品とはいえ、現実味に乏しい。だれも幸せになれないはなしは、苦手だなあ。
Posted by