1,800円以上の注文で送料無料

小説フランス革命(6) の商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/09/09

 ジャコバン派の中から、立憲君主派の三頭派の人々が分離独立してフイヤン派を作り、ジャコバンクラブに残ったロベスピエールが左派として民衆のための革命を推し進めようとした時期が描かれる。この巻を通じてほとんどロベスピエールの立場で描かれ、フイヤン派はどちらかというと悪役扱い。このまで...

 ジャコバン派の中から、立憲君主派の三頭派の人々が分離独立してフイヤン派を作り、ジャコバンクラブに残ったロベスピエールが左派として民衆のための革命を推し進めようとした時期が描かれる。この巻を通じてほとんどロベスピエールの立場で描かれ、フイヤン派はどちらかというと悪役扱い。このまでが第一部とのことだが、ちょうど物語がひと段落したという感じではなく、戦争に突入するだろうかどうだろうかという時期で終わっている。

Posted byブクログ

2019/03/29

ヴァレンヌ事件後、革命は停滞、内乱の危機へ。 ロベスピエールの懊悩と決意 何も恐れず、何も迷わず。 今こそ新しいフランスを拓くために。 前作で国王一家がヴァレンヌで身柄を確保されたことを世にヴァレンヌ事件といい、それをきっかけにまた、革命は新たな展開を迎えます。 ジャコバン・...

ヴァレンヌ事件後、革命は停滞、内乱の危機へ。 ロベスピエールの懊悩と決意 何も恐れず、何も迷わず。 今こそ新しいフランスを拓くために。 前作で国王一家がヴァレンヌで身柄を確保されたことを世にヴァレンヌ事件といい、それをきっかけにまた、革命は新たな展開を迎えます。 ジャコバン・クラブの分裂、フイヤン・クラブの結成・台頭。そこまでならまだ分かる範囲なのですが、なぜに日曜日のパリ路上で署名活動を行っただけで、シャン・ドゥ・マルス広場での国民衛兵隊による武力発動にまで及ぶのか・・・・・ 署名活動に携わっていた人だけでなく、無辜の民までが被害を受けてしまい、それでもなお、フイヤン・クラブは議会で実力を保ちえるのか。 ラ・ファイエットと組んだ三頭派の真の思惑な何なのか? やはり、能動市民が中心となる立憲王政を目指すのか? フランス革命については、だいたいの全体像と結果を把握しているだけに、今の世の日本の政界でも起こりえる「転身」だとは思えても、何をきっかけにここまで大きな隔たりが出来てしまったのだろうか。 フランス王ルイ十六世はここに至って往生際が悪いというか、フイヤン派がヴァレンヌ事件として事実を隠蔽し王を利用しようとしているその画策に乗じて、自らの復権を願っているというか。 国民が国民に向けて発砲するなど、よほどの非常時でもありえない! 内憂外患を逆手に取り、外国と戦争を始めようなどと正気の沙汰ではない! ロベスピエールも、もっと上手に立ち回れないのか!! そういう怒りの感情もこめて読み終えました。

Posted byブクログ

2018/04/01

ちょっと辛抱な展開の第6巻。憲法が制定され議会は解散、革命初期を担った議員が次々と去り、フランス革命は次のフェーズへと入っていく1791年夏から年末までを描く。歴史的なトピックとしてはシャン・ドゥ・マルスの虐殺かな?またデムーランが巻き込まれてる(笑)。誰も政治的な立ち回りをする...

ちょっと辛抱な展開の第6巻。憲法が制定され議会は解散、革命初期を担った議員が次々と去り、フランス革命は次のフェーズへと入っていく1791年夏から年末までを描く。歴史的なトピックとしてはシャン・ドゥ・マルスの虐殺かな?またデムーランが巻き込まれてる(笑)。誰も政治的な立ち回りをするイコール二枚舌使って当然の中、ロベスピエールだけは一本調子で、さらにそれに輪をかけた人物サン=ジュストが登場してきてしまい、あーこれはあかん、ついてけないという感じが早くもしてきたが、ロベスピエールの、革命の理想に突き進む嘘のない態度が民衆の熱い支持を集めるあたり、人間ってやっぱり性善なのかなと思う。ルイ16世も正直な人ではなかったから支持を失ってしまったのかな。戦争を利用して王権を取り戻そうとするあたり、やっぱり絶対君主なんだなと私の支持も失ってしまいました。

Posted byブクログ

2018/02/24

やっと動き出した。最初は同じ革命仲間であっても、いろいろ別れてきますね、人間社会。ロベスピエールが今後どうなって行くのか楽しみ。サン・ジェストはかつてのロベスピエール?そこら辺の変わり様も面白い。

Posted byブクログ

2016/08/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 「ベルバラ」で知ったフランス革命では語られなかった部分にさしかかり、かつ恋に悩む人間ロベスピエールが主人公になって、俄然面白くなりました\(^o^)/ これまでの5冊我慢して読んできて良かったo(^∀^*)o  しかし、「シャン・ドゥ・マルスの虐殺」…祭りに集まった市民を暴徒に仕立て上げて、発砲して殺した。 それも、国民の味方であるはずの、国民衛兵隊が。  バスティーユの陥落でつかんだ、「自由・平等・友愛」が権力を握りたいブルジョアの手で踏みにじられた。  フランスを逃げ出そうとして、罪に問われそうなルイ16世も、以前のような権力を取り戻そうと暗躍しているし、民衆が幸せになる革命を成功させるのは、至難の業だという事を少し学びました。  それを考えると四民平等にした、日本の明治政府は戦争を引き起こした以外の面では頑張ったんじゃないか?と思えてきました。

Posted byブクログ

2015/12/04

前巻にてルイ16世のフランスからの亡命は失敗に終わった。その結果、国王の威信は地に落ちたのかというと、そうでもない。未だ国家に国王は必要という意見が多数を占める。親国王派は国王が逃亡したことを誘拐されたことにしてしまおうとする。 が、正義感の塊、ロベスピエールはそんな詭弁を許す...

前巻にてルイ16世のフランスからの亡命は失敗に終わった。その結果、国王の威信は地に落ちたのかというと、そうでもない。未だ国家に国王は必要という意見が多数を占める。親国王派は国王が逃亡したことを誘拐されたことにしてしまおうとする。 が、正義感の塊、ロベスピエールはそんな詭弁を許すはずもない。かくしてジャコバン・クラブは分裂、親国王派はフイヤン派を結成し、ジャン・ドゥ・マルスの広場でロベスピエールとその仲間たちを暴力で弾圧する。 フイヤン派の暴力から逃れるため、ロベスピエールはパリを離れることになったのだが、意外にパリの外では彼の人気は健在だった。 分裂と集合を繰り返す政治団体に、都市部と地方で政治の考え方にかなりの温度差があることなど、小沢一郎が全盛期だった頃の日本政治によく似ている。自民党を離脱した者たちが民主党を作り、政権を奪取する。が、再び自民党が復権する。ジャコバンとフイヤンの関係もそんな感じか。

Posted byブクログ

2013/09/23

この巻に登場するフイヤン派というのは知らなかった。バスティーユ以降の紆余曲折はまだまだ続くようだ。サン・ジュストが新たに登場する一方でパルナーヴはどうやら隠棲するらしい。次の巻はジロンド派の時代。

Posted byブクログ

2012/05/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第一部の最終巻。第二部への期待を感じさせる終わり方。バルナーブとの別れを描く最終章には胸が熱くなった。

Posted byブクログ

2012/04/23

小説フランス革命第6巻は、王が逃亡からパリに連れ戻されてから、政党の分裂による混乱と、王と通じた外国勢力とフランスとの戦争一歩手前の不安定な状況を描く。 現実を見据えつつ着実に革命を進めていくことができた、バランスの取れたリーダーであったミラボー亡き後の混乱が印象的。理想に燃える...

小説フランス革命第6巻は、王が逃亡からパリに連れ戻されてから、政党の分裂による混乱と、王と通じた外国勢力とフランスとの戦争一歩手前の不安定な状況を描く。 現実を見据えつつ着実に革命を進めていくことができた、バランスの取れたリーダーであったミラボー亡き後の混乱が印象的。理想に燃える熱きパワーも必要だが、それだけでは決して物事は進まない。かといって保守的な勢力だけでは、社会は沈滞する。然るべきタイミングで然るべき人物が現れることで世の中は変化していく。 全12巻の大作の前半終了。後半も楽しみ。

Posted byブクログ

2012/01/05

故ミラボーが予見していた通り、箍が外れたように権力争いが始まる。ジャコバンクラブも分裂を重ねて、王と左派それぞれの思惑により戦争への道を進む。 最終的には三頭派の巨人バルナーブがロベスピエールに対して、フイヤン派の野望が早晩潰えざるをえない──憲法があり、法治国家があるというのに...

故ミラボーが予見していた通り、箍が外れたように権力争いが始まる。ジャコバンクラブも分裂を重ねて、王と左派それぞれの思惑により戦争への道を進む。 最終的には三頭派の巨人バルナーブがロベスピエールに対して、フイヤン派の野望が早晩潰えざるをえない──憲法があり、法治国家があるというのに革命は続き、無法状態を上手に扱える自惚れる馬鹿者が跡を絶たない。──事を告白して去っていく。 この巻で若き日の恐怖政治の大天使サン・ジュストが登場。

Posted byブクログ