あねもね☆ろわいやる(1) の商品レビュー

本田透【著】

『がく×ぶる』の続編？スピンアウト？

[ＤＳＫ]

本屋さんで何気に平積みされているのを見て、「何か、表紙が『がく×ぶる』に似てるな」と思い、カバー折り返しの登場人物紹介欄に御影美千緒の氏名を見て「おいおい、続編が出てたんかい」と驚いて買った本作。しかし、純粋な続編でもないような、かと言ってスピンアウトでもないような不思議な作品だった。いきなりわんさか出てくる姉達と、そのおバカなやり取りに若干ついていけない前半ではあったが、読み終えてみれば相応に面白くもあり、何か騙されているような気もしつつ割と良いことも書かれているような、そんな本田作品らしさはしっかりある軽妙な作風かつと言えよう（ただし、肌色成分多め）。前シリーズで一応のメインヒロインだった夙川可夢偉は全く登場しない代わりに、（これまた）姉の沙耶が味のある役割を担っている。

【御影ウテナ】 １８歳。おそらく本作のメインヒロイン。音符型の髪留めは無くなっている。美千緒と一線を越えるべく、かなり大胆な行動にも出るが毒舌も相変わらず。しかし、それが恐ろしいまでの弟ラヴ＆独占欲から発せられていることが判る。８７－Ｇ or Over

【御影メガミ】 １８歳。ここから本作より新登場の姉キャラ。御影家（本家）の血統を守る巫女。幼さを儚さを見せるも腹黒の陰謀家でもある。１００－Ｋ Over

【ミハエル・ショコラスキー】 １８歳。ロシアから来た軍人。やたらとスタイルの良さが描写されている。こちらは逆に姉弟の歪んだ愛を排斥すべく来日。８３－Ｅ

【猫猫長姉＆木猫人】 １８歳。一応、２人の扱いではあるが、要するに２人で１人な自称中国最古にして最強の武人。特徴的な語尾がちょっと可愛い。姉ながら妹的な幼女キャラ。７５－Ｂ。木猫人は、「木」と「猫人」とに分けるとその存在が判るかも。一応、９４－Ｈ

姉紹介それぞれの末尾に記した数値は「美千緒スカウター」なるものによる測定値であり、要するにメガミは純真無垢な巫女ながら爆乳ということである。何故に姉がみんな１８歳？とか、何故に外国人？とかは深くツッコまないでほしい。時に相当な無理もあるが、それなりの理由は設けられている。あまりに馬鹿馬鹿しいと一蹴される可能性もあるが、これはこれで悪くないかも、という諸兄にはおすすめしたいと思う。姉弟の関係はさておき、姉達が揃いも揃って弟に走る展開には、何かしら男の秘密願望が晒されているようなこっ恥ずかしさを感じるので女性にはおすすめしかねる。むしろ「読まないでー」と懇願したい気にもなってくる。何だかんだ言ってもギリギリまでの際どいシーンはウテナ姉さんに集中してるので、相応に倫理的な配慮もされている……と思う。星の数については、限りなく３つに近い４つということで。

2015/10/21

「がく×ぶる」シリーズの続編です。

みごと女性アレルギーを克服し、黒姉・御影ウテナと正式交際をスタートさせた御影美千緒。ウテナの美しすぎるおっぱいとドＳなセリフにハアハアしている彼に、悲劇が訪れます。何と、双子の妹・御影ななみと身体が入れ替わってしまったのです。

動転する彼の前に姿を現わしたのが、御影メガミ。ウテナ以上のダイナマイト・ボディを持つ巫女姿のその少女は、美千緒の本当の姉だと名乗り、いきなり結婚を迫ります。戸惑う美千緒の股間に、メガミの電気アンマが襲いかかります

女の子になってしまった美千緒の身体の大事なところを、メガミの美しい足裏がぐりぐりと責め立て、もはや陥落か……と思われたとき、金髪碧眼の美女ミハエル・ショコラスキーが美千緒を救出します。彼女もまた、美千緒の真の姉だと名乗ます。彼女は、姉弟の間のふしだらな行為を止めるために来たとのこと。メガミの追撃から逃れるため、ショコラスキーが潜伏先に選んだのはラブホテル。美しい姉はシャワー・ルームに美千緒を連れ込み、ななみの身体が汚されていないか確かめるため、指を大事なところに差し入れたり、さらに美千緒が姉に欲情していないかテストすると称して顔面騎乗したりと、けしからん行為に及びます。

その後、中華料理屋に入った２人は、これまた美千緒の姉を名乗る中華ロリ少女・猫猫長姉（まおまおちゃんず）に出会います。ところが、エロ・ハプニングで美千緒は猫猫長姉の苺パンツに顔をうずめてしまうことに。そして、これは猫猫族では神聖なプロポーズの儀式だったのです。猫猫は、猫猫族に伝わる戦闘ロボット・「木猫人」（むーまおれん）に乗り込み、美千緒をさらおうとします。

そこに、事情を聞きつけた夙川沙耶が登場し、美千緒を賭けて「第一回・姉☆ロワイヤル」が開催されることに。戦いの中でウテナにも御影家の最強の血が流れていることが明らかになり、彼女は美千緒の愛を勝ち取るために、そして御影家の呪われた掟に縛られた妹のメガミを救うために、戦うことを決意します。

「あとがき」にも書かれているように、「お姉ちゃん」「おっぱい」「バトル」だけで構成されている本です。ストーリーを取り繕おうという気を微塵も感じさせない潔さに脱帽です。

2011/02/20

作者にめずらしく全編ポップ。黒姉さえいれば基本いいがそれ以外も別腹、というストロングスタイル。人物紹介も終わって次回が勝負か。