イタリア古寺巡礼 の商品レビュー
イタリアの文化の素晴らしさが良くわかります。 私もイタリアに行きたくなりました❗ ただ私は子供の頃からこの本に取り上げられているフレスコ画やモザイク画が大好きなので、過大評価している面はあると思いますが。
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華やかで、百花繚乱といったルネッサンスから見れば、なんとも地味で暗くて拙劣なといった、とかくマイナス・イメージでとらえがちな中世美術。本書は、読者をそうした迷妄から解き放ってくれる。北イタリアを横断する形でミラノからチヴィダーレ・デル・フリウリまでの聖堂を訪ねるのだが、文字通り中...
華やかで、百花繚乱といったルネッサンスから見れば、なんとも地味で暗くて拙劣なといった、とかくマイナス・イメージでとらえがちな中世美術。本書は、読者をそうした迷妄から解き放ってくれる。北イタリアを横断する形でミラノからチヴィダーレ・デル・フリウリまでの聖堂を訪ねるのだが、文字通り中世のものからヴェローナのサン・ゼノ・マッジョーレ聖堂のようなロマネスクものまで様式も多彩だ。壁画がまた素晴らしく、ピエモンテの山中にあるチヴァーテの「ヨハネ黙示録」の絵や、これも山中のアッピアーノ城礼拝堂の絵はことさらに秀逸だ。
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教会の美術がわかるだけでなくイタリア半島の歴史もわかる素晴らしい本。 写真もさることながら、教会内の地図がわかり、どの様に配置されているかもわかるのも大変ありがたい。 どの教会も素晴らしいが、チヴォーテのサン・ピエトロ・アル・モンテ聖堂は、無理を承知で行きたいと思った。 仏教...
教会の美術がわかるだけでなくイタリア半島の歴史もわかる素晴らしい本。 写真もさることながら、教会内の地図がわかり、どの様に配置されているかもわかるのも大変ありがたい。 どの教会も素晴らしいが、チヴォーテのサン・ピエトロ・アル・モンテ聖堂は、無理を承知で行きたいと思った。 仏教美術とつい比べてしまうが、ヨハネの黙示録からの題材は多いのだろうか?地獄絵図との対比はできるかしら? 教会正面の丸窓が、蓮華紋に見えてしまった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
美術家の金沢さん、政治史家の小澤さんによる、イタリアの教会見物記。 目的地はロマネスク以前の教会に絞られている。 表紙はシブいけど、じっくり向き合えるジューシーな本です。 ロマネスク以前の彫刻や壁画は、教会の装飾として存在する。例えば金や貴石が使われた豪華絢爛なものであっても、いわゆる芸術作品とは一線を画す。 「われわれ、用がありますんで」的な素朴さ、稚拙味。 その味わいが、浮かれずに愛でられている。 特に金沢さんは、「柱に変な格好で巻き付いている牛」とか、ちょっと脱臼気味のモチーフを逃さずキャッチし気が合いそう。 もう一つの楽しみは菅野康晴さんによる美しい美しい写真。 文章は一切読まなくても、景色を眺めるように、いつまでも幸せでいられる至福の本。
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正直、この本をよんでいると、「ほんと?」「なぜ?」という言葉がつぎつぎあふれてきてしまうんです。学者さんだから、もう少し解説的にかいてくれることを期待してしまったのかもしれません。 でも、一方で、彼女の感性が、自分にあいます。写真は、どれも心地よい。アッピアーノのサン・プロ...
正直、この本をよんでいると、「ほんと?」「なぜ?」という言葉がつぎつぎあふれてきてしまうんです。学者さんだから、もう少し解説的にかいてくれることを期待してしまったのかもしれません。 でも、一方で、彼女の感性が、自分にあいます。写真は、どれも心地よい。アッピアーノのサン・プロコロ聖堂の壁画はもっともお気に入り。 「かわいいでしょう」「すてきでしょう」という言葉が書いてあると、「そうだねぇ~♪」と言いたくなります。 本の中の、サン・マケーレ・マッジョーレ聖堂のページ(p30)のはじまりは「欧米の研究者の多くは、この聖堂の外壁の風化を「損傷」とみなして残念そうに語るのですが、私はこの磨滅が美しいのに、といつも思います。」という文章です。 丁度、今日も、「続・仏像のひみつ」の講義をうけて、古色仕上げはアジアの人たちもあまり理解できないらしいという話をうかがっていました。どうやってこの感性は養われたのか、また、残っているのか、不思議ですね。いずれにせよ、日本人なら、きっと著者の感覚にどこか一部でも共感できるのではないでしょうか。
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ルネサンスのイタリア、都市民のイタリア、 日本でもおなじみのこうした顔とは異なる、 別の顔の中世イタリアをみてみたい―― そう思う人には実に楽しい本だろう。 笑いあり、知的感興あり。 教会建築という具体的なモノを窓口にするのがいい。 カラー写真をふんだんに使い、 間々に2人の...
ルネサンスのイタリア、都市民のイタリア、 日本でもおなじみのこうした顔とは異なる、 別の顔の中世イタリアをみてみたい―― そう思う人には実に楽しい本だろう。 笑いあり、知的感興あり。 教会建築という具体的なモノを窓口にするのがいい。 カラー写真をふんだんに使い、 間々に2人の気鋭が美術史解説と歴史解説を差し挟む。 それぞれ1ページ完結のコラムで読みやすい。 美術史パートは、のびやかな語り口が魅力的。 しかめ面で眺める(目や頭で知ろうとするとでもいうか) ことの詰まらなさを教えてくれる。 が、その合間にも、 著者のテーマである「ロマネスクとは何か」への 回答が散らばっていて、なかなか油断できない。 一方、歴史パートは、重厚さすら感じさせる筆致。 各教会に即してイタリア史の転換点を切り取る。 ここではコムーネは、相次いで舞台に上がる役者のひとり。 メインを張るのは皇帝と教皇と都市、というところか。 その都市の中ですら、コムーネは出てきたと思ったとたん 次の「中世盛期」にはたちまち転変を開始する。 総じてイタリアが特異な先進地帯ではなく、 中世ヨーロッパの一員にみえると同時に、 だからこそイタリア史の「重層性」に敬服する思いがした。 なおこの新シリーズ、本のつくりが縦長で持ちやすい。快適。
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