もしもし下北沢 の商品レビュー
この作者の作品の中ではそんなに好きな方ではなかったけど、繊細でふっと通り過ぎてしまうような感情を一つも難しい言葉を使わずに言い当てるところはやっぱりすごいと思う。 近しい人の死によって心に穴が空き、ひゅうひゅうと風が通り抜けていつまでも塞がらない感じがしてしまうところがとてもリア...
この作者の作品の中ではそんなに好きな方ではなかったけど、繊細でふっと通り過ぎてしまうような感情を一つも難しい言葉を使わずに言い当てるところはやっぱりすごいと思う。 近しい人の死によって心に穴が空き、ひゅうひゅうと風が通り抜けていつまでも塞がらない感じがしてしまうところがとてもリアル。そして実際は、完全には塞がらなくてもほんの少しずつ埋められていくところも。 iPodtouchにて。
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毎日新聞の連載を時々読んでいて、改めてしっかり読みたかったので図書館で借りました。 最初は「表紙、黒?」ってちょっと違和感を感じましたが、読み終わるとなんとなくその理由がわかりました。 けっして派手な物語ではないですが、手が届く半径内の毎日を大事に、丁寧に暮らしている人の話です。...
毎日新聞の連載を時々読んでいて、改めてしっかり読みたかったので図書館で借りました。 最初は「表紙、黒?」ってちょっと違和感を感じましたが、読み終わるとなんとなくその理由がわかりました。 けっして派手な物語ではないですが、手が届く半径内の毎日を大事に、丁寧に暮らしている人の話です。以前に下北沢に行き、登場するお店にもおじゃましたことがあったのでより楽しめましたが、そうでなくても想像で読んでも十分いいと思います。
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よしもとばななさんの新作。 普段彼女の作品を読まない人も 思わずジャケ買いしてしまいそうなほど愛らしくて、夢のある装丁。 先日読んだ食に関するエッセイで、 よしもとさんは現在下北沢に住んでいるとあったが、 実際に生活を営んでいる人ならではの、 ディープな愛着とクールな観察眼で下...
よしもとばななさんの新作。 普段彼女の作品を読まない人も 思わずジャケ買いしてしまいそうなほど愛らしくて、夢のある装丁。 先日読んだ食に関するエッセイで、 よしもとさんは現在下北沢に住んでいるとあったが、 実際に生活を営んでいる人ならではの、 ディープな愛着とクールな観察眼で下北沢というロケーションを 描いている。 「町の空気が人の気持ちを変える」って事はあると思う。 良い方向にも悪い方向にも。 この作品も、ミュージシャンのお父さんが 変な女の人に無理心中させられてしまった女の子とそのお母さんが、 下北沢に引っ越してきて、そこで様々な人に出会って生活を営んで行く内に、 徐々に心の傷を癒し、再び生きる希望を見出していく物語。 相変わらず、心に染みる素敵な言葉もいっぱいだけど、 相変わらず、オカルトな部分もある。 よしもとさんの紡ぐ言葉が好きだからいつもつい作品を買っちゃうけれど、 本当にもう霊能力がどうこうって部分はいらないって思う。 そこだけどうにかならないかなぁ。
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肉親との死別を受け入れるには時間がかかる。よしもとばななさんの作品では、死別の喪失感からの立ち直りと生き方さがし といったテーマがよくあるけど、その中でこれは「アルゼンチンババァ」と同じくらい好き。下北沢という街も魅力的だ。その街自体とそこの住人たちと関わりながら、少しづつ立ち直...
肉親との死別を受け入れるには時間がかかる。よしもとばななさんの作品では、死別の喪失感からの立ち直りと生き方さがし といったテーマがよくあるけど、その中でこれは「アルゼンチンババァ」と同じくらい好き。下北沢という街も魅力的だ。その街自体とそこの住人たちと関わりながら、少しづつ立ち直っていく母と娘。よしもとさんらしさは十分あるけど誰にでも受け入れやすいといった感じ。
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題名と表紙からは思いもしなかった小説でした。突然に辛いことが起こり深く傷ついた母娘の物語。前半は読むのがしんどかった。決して母娘の境遇や気持ちを理解することはできないのだが、娘の心の動きが薄紙をはがすように繊細に書かれているのがひりひりして痛々しい。同時に娘さんの若さと純粋さが鏡...
題名と表紙からは思いもしなかった小説でした。突然に辛いことが起こり深く傷ついた母娘の物語。前半は読むのがしんどかった。決して母娘の境遇や気持ちを理解することはできないのだが、娘の心の動きが薄紙をはがすように繊細に書かれているのがひりひりして痛々しい。同時に娘さんの若さと純粋さが鏡のようにこちらの汚れ具合を映してくるので何だか自分のドロドロ具合にうんざりもしてもう読むのをやめようかと思ったので前半の☆は3つ。ところが後半になると母娘が再生へ向けて少しずつ動き出し始める。とても深いものが胸に届く厚みのある物語になってきた。母の語りに涙が出た。生きているとただきれいな気持ちだけを持ち続けてはいられないというのが自分もとても共感できたから。それでも希望が持てるし自分の人生を自分らしく生きようって私も思っているから。うまく言えないのだけれど、言葉も大切だし、言葉で言い表せない力も、人生を引っ張っていってくれる身体も行動もとても大切。それがごく自然にすとんと心に沁みた。後半☆5つなのでトータル4つにしてみました。*************************************************その昔、初めて一人暮らししたのが下北沢の隣駅。しょっちゅう歩き回り探検して親しんでいた大好きな街。お店の様子、通りの様子、空気感がリアル。今も変わらず気取らず自由で旅の途中のようなすてきな下北テイストが満載でうれしい。
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最初の、父の死に対する描写とかはすごくよい。曖昧で、誰にもうまく説明できないあの感じをなんでいつもこんなに的確に描けるのだろう…と思う。 恋愛の終着点については好みが分かれるだろうな…という感じ。みんながみんなハッピーエンドとはいかないのね。私はなんだかものたりなかったので星三つ...
最初の、父の死に対する描写とかはすごくよい。曖昧で、誰にもうまく説明できないあの感じをなんでいつもこんなに的確に描けるのだろう…と思う。 恋愛の終着点については好みが分かれるだろうな…という感じ。みんながみんなハッピーエンドとはいかないのね。私はなんだかものたりなかったので星三つ。
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2011.01.07. 新聞連載で読んだ時(毎週月曜日を楽しみにしていた!)より、ぐうっと濃密になった感じがする。よっちゃんは、少女のような潔癖さを持っていて、そして頭でっかちで、精一杯生きている。新谷くんは、魅力的。ほんのりと怖い感じが漂っているのは、「彼女について」からのばな...
2011.01.07. 新聞連載で読んだ時(毎週月曜日を楽しみにしていた!)より、ぐうっと濃密になった感じがする。よっちゃんは、少女のような潔癖さを持っていて、そして頭でっかちで、精一杯生きている。新谷くんは、魅力的。ほんのりと怖い感じが漂っているのは、「彼女について」からのばななさんのイメージのせいかな。
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下北沢の街の雰囲気、人の雰囲気が他の街での生活もふまえて、現在の下北沢の他にない魅力をうまく表現している。
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なんとも言葉で表現できないような想いがうまいこと表現されており それは自分の中にもある感情であり、投影しながら読んだ。 ただ美しいだけではない 誰にでも持ち合わせているような感情 読んだあとじんわりと染みた。
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雑多な感じのする下北沢なら、心が傷ついていても街のにぎやかさで癒されそう。 美味しい食べ物も重要だよね♪
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