美人は得をするか 「顔」学入門 の商品レビュー
タイトルだけを見ると柔らかい感じの本ように思ってしまいますが、内容は「顔」について研究を続けてこられた方が書かれた極めて真面目な本でした。 顔は完全な左右対称ではないので、普段私たちが鏡に映して見ている自分の像は実際(他人から見られているもの)とは異なる等、普段は気付かなかっ...
タイトルだけを見ると柔らかい感じの本ように思ってしまいますが、内容は「顔」について研究を続けてこられた方が書かれた極めて真面目な本でした。 顔は完全な左右対称ではないので、普段私たちが鏡に映して見ている自分の像は実際(他人から見られているもの)とは異なる等、普段は気付かなかった内容が書かれていて、この種の本を初めて読む私にとっては新たな経験でした。 特に、最近会社の窓から見える「スカイツリー」を携帯のカメラで撮ったときに、どうして殆ど見えない程度にしか写らないのだろうと不思議に思っていたのですが、その謎が解けた(p72)のはこの本を読んだ成果でした。 また、6ヶ月の赤ちゃんでも視力はまだ0.2程度(p95)というのは驚きでした。 以下は気になったポイントです。 ・ビルの合間の地上に近い位置に浮かんで見える大きな満月をカメラで撮ってみたところ、大きいはずの満月が小さく映っているのは、私たちの目が「ずる」をしている証拠、見たいものだけに焦点を当て自動的に大きさを調整している、目と脳の連携による技である(p72) ・生後10ヶ月までならば、赤ちゃんはすべての音を上手に聞き分けることができたが、それ以降はその能力は落ちていった(p86) ・0.02という極めて弱い視力で生まれた赤ちゃんは、生後6ヶ月頃にようやく大人並みの0.2程度の視力に成長する(p95) ・日本人の顔は凹凸がはっきりしないので、それを描くときには、目鼻口をしっかりと表現できる正面を向いた顔がふさわしい(p118) ・似顔絵を描くときのポイントは、これまで見た平均的な顔との差分を強調すること(p119) ・人の基本的な表情は、幸福・驚き・怒り・悲しみ・恐怖・嫌悪の6つにある、表情は文化によって異なる説もある(p144) ・微笑みの表情は、画像を粗くしても分かりやすい、粗い画像は脳内に早く伝達されるため、生きるために重要とされる表情をみるときに普段から使われる(p148) ・顔の下の方の筋肉は自分の意志で動かすことができるが、上の筋肉は難しい(p154) ・眉か輪郭を入れ替えると、男女を区別しにくくなることが実験から判明した(p163) ・大人である私たちが顔を見つけるときに大切なのは、目鼻口の形ではなく、それらの位置で形作られる「顔の基本構図=配置」である、従って整形よりも、錯覚を利用した化粧の方が効果は大きい(p184) 2010/12/29作成
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タイトル前半と中身はあんまり関係ありません。 どんな画像が人間の顔として認識されるか、といった感じでしょうか。人物画を描く人が読むと面白いかも。
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顔の中で目につくものといえば、目玉。目は白と黒のコントラストがはっきりしているため、それ自体が目立ちやすい。 視線を見出す能力は他者と視線を共有し合い、円滑なコミュニケーションを取る能力へと発展するための基盤になるとも考えられる。 日本人なら、中国人か韓国人の区別をつけることがで...
顔の中で目につくものといえば、目玉。目は白と黒のコントラストがはっきりしているため、それ自体が目立ちやすい。 視線を見出す能力は他者と視線を共有し合い、円滑なコミュニケーションを取る能力へと発展するための基盤になるとも考えられる。 日本人なら、中国人か韓国人の区別をつけることができるが白人、黒人がどの国の人かなんてわからない。 自分の顔を見るには心のハードルがある。自分の顔になると目が曇る。自分の理想を通してしか、自分が見えない。自分のイメージと実際の顔との差ばかりが気になる。 顔が幸せになる、顔で幸せになる。顔は社会と関係する接点である。男性であってもどんな顔をしているかは重要である。
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