須賀敦子 静かなる魂の旅 の商品レビュー

須賀敦子,中山エツコ,ジョルジョアミトラーノ【ほか著】

2021/04/12

以前、お正月にBSで放送された番組の後半を見たのだが、前半部を見逃したので、どうしても全てを見たくて購入。書籍は、須賀敦子にとってイタリアの諸都市がどんな意味を持っていたかということを教えてくれる。それにより、DVDの映像をまた違った印象で見ることができる。

2018/12/26

　イタリアを愛し、イタリア人に愛された須賀敦子という人の魅力を感じさせる美しい文章と写真。若くして渡伊し、イタリア人ペッピーノ・リッカと結婚しながら、数年で夫を亡くし、帰国した敦子。それからもイタリアを愛し続けた。彼女が初めて留学したペルージャ、そしてミラノ、トリエステ、ヴェネツィアの魅力が匂い立つ文章だ。イタリア人神父が「彼女は日本人としての特質を失わずにミラノ人になり、完全にミラノ人のように振る舞っていた」とは最高の誉め言葉だ。挨拶の2語だけの会話力から3か月後には会話していた！魅力ある日本女性をここにも感じた。

2013/08/17

ずっと借りっぱなしになっていた。ＤＶＤをみて本を読んで、本当に静かな気持ちになった。丁寧に真剣に生きた須賀さん。読んでいて清らかな気持ちになった。

2011/05/07

新聞に番組予告がでたときから気になっていたのだが，DVD になってようやく見ることができた．DVD 付きの本という扱いだが，DVD が主で本は従の役割．というのは，本は DVD より情報が多いわけではないし，いろいろな記事ですでに取り上げられている内容も多い．さて主の DVD だが，いくらきれいな映像でも3時間はちょっと長い．そして美しい風景や教会の映像に頼りすぎだと思う．観光ビデオじゃないんだから．(そういう風にみる人もいるのかもしれないが)．そしてこれはまったく個人的な意見だが，原田知世の朗読が声質も読み方も須賀敦子の文章にあっていない気がする．もうすこし落ち着いた声で聞きたい．結局，須賀敦子を味わうには彼女の文章を静かに味わいながら読むのが一番というしごく当り前の結論にたどり着いてしまった．

2011/01/05

冬休み用DVDのひとつ。
BSでやってたやつを編集した。
BSでも見たけど、手元においておきたくて買った。
映像で見ると、エッセイがより立体的に浮かんでくる。

年末のうるさいだけのTV番組をみずに、このDVDを初詣に行く23時過ぎまで見ていた。

また心を新たに、1年を心の旅の追求をしていきたいと、誓う大晦日となった。

2010/12/20

須賀敦子さんの本と最初に出逢ったのは青山ブックセンター。
一目見ただけで涙がこぼれそうなほど懐かしい風景がそこにあり、一瞬で釘付けになりました。
それがこの愛蔵本だったのです。

AMAZONの商品ページの写真を見ていただけるとおわかりかと思いますが、アッシジのサン・ダミアーノ教会脇の坂道が夕日を浴びている写真です。

もちろん自分はこの土地を訪れたわけではありません。
でも記憶の何処かで、この写真が懐かしい、大切な場所だと叫びます。
それ以来、須賀さんのご本を読むようになりました。

須賀さんの作家としてのデビューは遅いのですが、イタリア語での翻訳などのお仕事をされていたかたで、よしもとばななさんの小説などもイタリア語訳されたりなさっていますので、自分的には直接ではないですが、ご縁のあるかたという印象です。
須賀さんは先日先日ご紹介致しました渡辺和子さんと同じく、清心にいらしたかたでクリスチャン。凛とした気品のある文章が素敵です。全体に澄み切った空気感のある文章は、読んでいるだけで心が静かになり、洗われるような感じが致します。

この愛蔵版では、美しいイタリアの風景が織り込まれたDVDと共に、須賀さんの生い立ちからイタリア留学（当時としては大変めずらしいことでした）、ご主人とのご結婚...などなど、彼女の生涯と過ごしたイタリアの世界がひろがる視覚的にも満足度の高いものです。
いわゆる観光名所ではないイタリアのもうひとつの顔が楽しめます。

映像つきということもあってか、価格は高めなのですが、実際拝見いたしまして、それだけの価値がある本だと感じました。
音楽も静かに流れ、一日の終わりに眺めても癒されるのではないかと思います。
少しずつ須賀さんのほかの本も読み進めていこうと思っています。

2010/12/18

須賀敦子が生きたイタリアを、繊細に、忠実に、素朴に記している。

観光客が見るイタリアでなく、イタリア人が見るイタリアを書く須賀さん。それが如実にわかるDVDは宝物になる。