ドリームガール の商品レビュー
アメリカの作家「ロバート・B・パーカー」のハードボイルド小説『ドリームガール(原題:Hundred-Dollar Baby)』を読みました。 『初秋』に続き、「ロバート・B・パーカー」作品です。 -----story------------- 『儀式』『海馬を馴らす』の娼婦「...
アメリカの作家「ロバート・B・パーカー」のハードボイルド小説『ドリームガール(原題:Hundred-Dollar Baby)』を読みました。 『初秋』に続き、「ロバート・B・パーカー」作品です。 -----story------------- 『儀式』『海馬を馴らす』の娼婦「エイプリル・カイル」が再々登場、またしてもトラブルの渦中へ。 堕ちていく女を救うため「スペンサー」は走る! かつて二度にわたり「スペンサー」に窮地を救われた元非行少女「エイプリル」。 美しく成長した彼女が「スペンサー」を頼って現われた。 自ら経営する娼館が何者かの営業妨害を受けていると言う。 「ホーク」と共に護衛に乗り込んだ「スペンサー」だったが、脅迫に至った事情を「エイプリル」はなぜか頑なに隠し続けようとする。 「これが私。あなたには救えない」と心を閉ざす「エイプリル」を憂慮する「スペンサー」。 もう一度彼女を救うことはできるのか? ----------------------- 私立探偵「スペンサー」を主人公とするシリーズ全39作品のうちの第34作にあたり、2006年(平成18年)に発表された作品です、、、 『初秋』では、「スペンサー」が15歳の少年「ポール」を息子のように扱っていましたが、本作品に登場する娼婦の「エイプリル・カイル」は、『儀式』、『海馬を馴らす』に続き3作目の登場で、娘のような存在のようですね… 両者とも、「スペンサー」が実の子どものように扱いますが、大人として自立する「ポール」とは対照的に、「エイプリル」は自立に失敗し、男を憎みながら、男を利用することで夢(ドリームガール)を実現しようとするという哀しい役どころでしたね。 かつて非行に走り家族にも見捨てられたところを「スペンサー」に救われ、ニューヨークの高級娼婦となった「エイプリエル・カイル」… すっかり成長した彼女が、ひさしぶりに「スペンサー」の前に姿を見せた、、、 ニューヨークのマダム「パトリシア・アトリイ」から託され、自らがボストンで経営している娼館に、何者かの嫌がらせが続いているという… 「エイプリル」が抱える娼婦たちは怯え、客が逃げはじめている。 「エイプリル」の頼みで、さっそく「ホーク」とともに護衛に乗りこむ「スペンサー」だったが、脅迫の裏には事情があるようだ… 地元ギャング「オリイ・デマース」等の縄張り争い、「エイプリル」の背後に見え隠れする男の影等、事件は複雑な様相を見せはじめる、、、 「エイプリル」をトラブルから救い出すべく、「スペンサー」は「ホーク」とともにニューヨークへ飛び、事件の背後に潜む真実を突き止めようとする… ニューヨークにやってきた「エイプリル」と「ライオネル・ファーンズワース」の行動を監視したり、ニューヨーク市警の刑事「ユージーン・コルセッティ」の協力を得ながら、ニューヨークのギャング「ブルックス・デヌッチ」と、その金庫番「アーニー・フィッシャー」等から情報を得ることで、「スペンサー」は徐々に真相に近付いていく。 「スペンサー」は、「エイプリル」を救おうとして活動しているのですが… 徐々に真相が明らかになるにつれて、「スペンサー」にとっては辛い事実が次々と判明し、悲しみが大きくなるという展開でした、、、 「スペンサー」が「エイプリル」に真相を突き付けたとき… 衝撃で悲劇的な結末が訪れます。 結果的に、「スペンサー」は「エイプリル」を追い詰めることになってしまったんですよね… 切ないというか、少し後味の悪い、哀しい結末でしたね。 イギリス版のタイトルは『Dream Girl』らしいので、日本版のタイトルは、イギリス版を使ったようですね。 以下、主な登場人物です。 「スペンサー」 私立探偵 「スーザン・シルヴァマン」 スペンサーの恋人 「ホーク」 スペンサーの相棒 「エイプリル・カイル」 娼婦 「ダーリーン」 エイプリルの抱える娼婦 「ベヴ」 エイプリルの抱える娼婦 「エイミー」 エイプリルの抱える娼婦 「ヴァーノン・ブラウン」 エイプリルの抱える用心棒 「パトリシア・アトリイ」 娼館の経営者 「オリイ・デマース」 ギャング 「トニイ・マーカス」 大物ギャング 「タイ・ボップ」 トニイの手下 「ブルックス・デヌッチ」 ニューヨークのギャング 「アーニー・フィッシャー」 デヌッチの金庫番 「ユージーン・コルセッティ」 ニューヨーク市警の刑事 「マーティン・クワーク」 ボストン市警の警部 「フランク・ベルソン」 ボストン市警部長刑事 「ライオネル・ファーンズワース」 詐欺師 「デディ・サップ」 ガンマン
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会話中心に小気味よくすすむ展開、登場人物の人間性もよく伝わってくる。スペンサーはロバート・B・パーカーが理想としてなりたい男なんだろう。
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29作目、になるのだろうか。スペンサーシリーズである。 長く続いているシリーズならではのお話。 スペンサーものは、過去の登場人物が再び出てき来る上に、きちんと年月による変化が加わっていることが面白さの一つだと思う。 今回登場するのはエイプリル。そうあの売春婦のエイプリルだ。...
29作目、になるのだろうか。スペンサーシリーズである。 長く続いているシリーズならではのお話。 スペンサーものは、過去の登場人物が再び出てき来る上に、きちんと年月による変化が加わっていることが面白さの一つだと思う。 今回登場するのはエイプリル。そうあの売春婦のエイプリルだ。 エイプリルが巻き込まれているトラブルの解決にスペンサーが乗り出すが、いつものように事件は表面に見えるほど簡単なものではなく・・・ という感じのお話。
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★粗筋★ かつて二度助けたことがある女がスペンサーに助けを求める。 経営している娼館の営業を妨害され困ったエイプリルを助けるため、スペンサーは街のゴロツキに立ち向かうが、事件の背後にはとんでもなく黒い欲望が渦まいていた。 果たしてスペンサーの運命はいかに? 最後の終わらせ方が...
★粗筋★ かつて二度助けたことがある女がスペンサーに助けを求める。 経営している娼館の営業を妨害され困ったエイプリルを助けるため、スペンサーは街のゴロツキに立ち向かうが、事件の背後にはとんでもなく黒い欲望が渦まいていた。 果たしてスペンサーの運命はいかに? 最後の終わらせ方があっさりしとるね、パーカーは。事件的エピローグ、物語的エピローグがゼロやもんな。 「エイプリルのことをスーザンと話したのか?」 「いや」 「エイプリルのことをスーザンと話したいと思うか?」 「いや」 みたいな、ほぼ同じ内容で少しだけ変化を加えた会話の構成が上手いね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
スペンサーシリーズ第34作目 何なんだこの読後感… 第9作目【儀式】と第13作目【海馬を馴らす】で登場したエイプリルの物語。 得意のお人好しとお節介で救い様の無いこの娘を何度も救ってきたスペンサー。。。 しかし今回の裏切りはたまらないだろう… そして最後の終わり方はたまりませんね(-"-) 幼い時に受けた心の傷は治らないのか…? 何となくこんなテーマが隠れてる様な気がする。
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