群衆の悪魔(上) の商品レビュー
1848年、二月革命と第二共和制の成立をめぐるごたごたに揺れるパリ キャピュシーヌ通りの虐殺に居合わせた無名詩人シャルルは 最初の殺人を偶然に目撃したことで その引き金を引いたのが、じつは革命とはなんら関係のない 便乗犯だったのではないかという疑いを抱く 公に疑われてるのがかつて...
1848年、二月革命と第二共和制の成立をめぐるごたごたに揺れるパリ キャピュシーヌ通りの虐殺に居合わせた無名詩人シャルルは 最初の殺人を偶然に目撃したことで その引き金を引いたのが、じつは革命とはなんら関係のない 便乗犯だったのではないかという疑いを抱く 公に疑われてるのがかつての知己だってのもあるんだが しかし主にはなんだかよくわからない熱情で シャルルは名探偵オーギュスト・デュパンのもとへおしかける シャルルが夢見ているのは、革命の向こう側にある死の欲動 終末の美である しかしそれをただ望むことは自堕落であって ロマンチックではないということが、若い彼にはおそろしいのだった
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
二月革命前夜、コンコルド広場での虐殺。キャピシューニ通りの虐殺事件の現場にいたシャルルが目撃した事件。群衆と警官隊の戦いの引き金になった発砲は警察側ではなく群衆側にいた新聞記者ヴァランスを後ろから射殺したものだった。事件の犯人を捜すため捜査を旧知のオーギュスト・デュパンに依頼するシャルル。新聞社主ジラルダンとの会食。ジラルダン夫人デルフィーヌからの依頼。友人であるジュスティーヌから手紙。ジュスティーヌが育った孤児院の院長であるベルトラン夫人を探す依頼。ジュスティーヌとの会談中に起きた事件。謎の男の侵入。空中からわきあがった毒物により毒殺されたジュスティーヌ。ジュスティーヌの夫の殺害事件と愛人疑惑のあるナポレオン家の私生児ド・モルニーの関係。駒使いクリスティーヌ目撃した事件。シャルルを殴りクリスティーヌを連れ去った謎の男。盗まれたベルトラン夫人からの手紙。クリスティーヌの捜索。友人である高級娼婦宅の風呂場で遺体となって発見されたクリスティーヌ。 2011年5月12日読了
Posted by
1800年代後半、市民革命前夜、パリ。 理想とは何か。思想とは、芸術とは、主義とは何か。 そう云ったことを主張し続け、行動や言動として貫き通すには、本当はかなりの覚悟と自分のしていることへの理解と深い洞察が必要なんだと云うお話。 同じ作者の矢吹駆シリーズは以前に読んだことがあ...
1800年代後半、市民革命前夜、パリ。 理想とは何か。思想とは、芸術とは、主義とは何か。 そう云ったことを主張し続け、行動や言動として貫き通すには、本当はかなりの覚悟と自分のしていることへの理解と深い洞察が必要なんだと云うお話。 同じ作者の矢吹駆シリーズは以前に読んだことがあるのだが、そちらよりは用語等が判りやすく書かれていると思った。 ミステリの様相を呈しているけれども、本当はチガウのだろう。 単純な私は、もうちょっと色々考えて行動しなくてはいけないと、すぐに影響されてしまう。 それすらもいつまで保つことか。
Posted by
- 1