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創造性とは何か の商品レビュー

3.9

15件のお客様レビュー

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2018/10/09

川喜田二郎と言えばKJ法。KJ法といえば川喜田二郎という発想が出てきてもおかしくはないだろう(KJ =KawakitaJiro)。 そのKJ氏が書く「創造性とは何か?」は創造性を生み出すためとか、KJ法のやり方、アイデアについて、の本かと思いきやもうすこし土俵の大きなお話であっ...

川喜田二郎と言えばKJ法。KJ法といえば川喜田二郎という発想が出てきてもおかしくはないだろう(KJ =KawakitaJiro)。 そのKJ氏が書く「創造性とは何か?」は創造性を生み出すためとか、KJ法のやり方、アイデアについて、の本かと思いきやもうすこし土俵の大きなお話であった。 創造性とはどのような性質のもので、それが人間という存在とどんな関係があるのか、あるいは社会と創造性はどのような関係であるべきか、というようなお話。 プロジェクトや組織についてのお話(移動大学)もあり、そのあたりも興味深かったが、発想法を求めている人に得るところは少ないだろう一冊。 この本の内容に、現代のソーシャルというものを加えて再構築してみるのも面白そうな試みである¥、と思う。

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2015/03/14

主体性の見解が自分の考えていたものと違った 創造性と保守性は対立しつつ循環する 一筋縄でいかないところに苛立ちを覚えるがそれがないとないでそれはまたつまらなくなるのかなあ

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2014/05/11

創造的であることは常識から離れていること。 既存の仕事や考えを効率化していくシステム化していくのは保守。保守の中にあたらしいアイディアが生まれ,壊していく。それがまた保守化していく。繰り返し。長いスパンで物事を見れば,対立矛盾する物や概念も調和していることに気づく。 「絶対的な...

創造的であることは常識から離れていること。 既存の仕事や考えを効率化していくシステム化していくのは保守。保守の中にあたらしいアイディアが生まれ,壊していく。それがまた保守化していく。繰り返し。長いスパンで物事を見れば,対立矛盾する物や概念も調和していることに気づく。 「絶対的な受け身から真の主体性が生まれる」 「辛いことは嫌なこと,楽なことは好きで楽しいことというくだらない常識」 ひと仕事をする=創造的な仕事 自発的に問題解決をする,既存の手本がない,それをする切実さ+継続的な実践における繰り返し

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2014/02/23

KJ法は知っていたけど、それを生み出した川喜田二郎氏がどんなことをやって来たか知らなかったので、そこが一番興味深かった。 創造性と保守性(伝統)は対立しつつ循環する。創造性とは問題解決能力のことである。

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2013/12/10

創造とはどのようなことか、創造のプロセスはどのようなものか、創造の秘訣などについて、文献から学んでください。特に、物語をつくるときに、先が見えないなかで時間展開を追いながら書いて/描いていくという「つくり方」について意識的に読んでみてください。

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2012/09/21
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※このレビューにはネタバレを含みます

梅棹忠夫氏の「知的生産の技術」の中に著者(川喜田二郎氏)の紹介(KJ法等)について書かれていたため、それに触発され、図書館から借りてきて読んだ本。 正直、抽象的すぎて今の自分にはよく分からないというのが実感。知りたかったKJ法自体についてはあまり書かれていない。 ゴルバチョフ氏のことを21世紀の偉人と書いていたが、自分の無知さでその良さがあまり分からない。もっと、歴史を勉強しないといけないかな。 つい最近(9月4日)、たまたま養老孟司氏の講演を聴く機会に恵まれたが、戦争を体験され、その前後で自分の生き方を真剣に考えた方の意見・主張は、賛否両論あるのだろうけど、なにか力強い気がする(終戦時:養老氏は7歳くらい、川喜田氏は25歳)。これは自身の経験からくるものだから、考え方にブレがない、芯がしっかりしている、ということなのだろう。現代では、ものを書く人、主張をする人は終戦時と比較にならないくらい増えているはずだが、皆、コピーアンドペーストのごとく、他人の考えを、さも自分の考えのように扱う人が多い気がする。 「知的生産の技術」において、梅棹氏は読後の書評には自分が面白いと思ったり、そこで触発されてでたアイデアだけを書く、とあった。なぜなら、本の紹介のようなことを書くのでは、その本に書いてあるのだから、また、そのページをめくればいい、ということらしい。ごもっともである。本を読んで理解することも大事だが、それを触媒にしていかに自分の考えをふくらませていけるか(創造していけるか)が大事な気がする。 本書の中で一番共感できたのは、デカルトとの違い(90ページ~104ページ)あたりだった。「われ思う故にわれ有り」の言葉を残したデカルトの考え方の出発点は「我」であり、我という自我意識=「心」がないものはすべて「物」に分ける「物心二元論」を、最初に提唱したとされている(本書から引用)。物心二元論の出発点が「我」に対し、著者は「はじめに混沌ありき」という認識らしい。最近NHKの番組「100分で分かる名著」でパスカルを取り扱っていた。「人間は考える葦である」といったパスカルとの思想とデカルトの思想は相反するものであり、現代社会のように混沌とした問題を解決するには、デカルト的思想(川喜田氏曰く世界外的認識)には限界があり、パスカルの考え方が見直されるべきだ、みたいなことをいっていた。川喜田氏が取り組んだ世界内的認識とパスカルの思想がどう繋がっているのか、はたして関連性はないのか等じっくりと考えるとおもしろいのかもしれない(なかなか時間がないけど)。 最後に著者が実践した「移動大学」についても調べないと本書の理解は難しそうな気がした。

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2012/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

P74「創造性とは問題解決の能力である」 ・保守と創造は非合理的であるが、循環するものであり、絶対矛盾的自己同一を実現する。ブレイクスルーは一見循環せず、破壊に見えるが、径が大きいことを理解すべきである。 →保守は組織の中で必然的に大きくなりやすい。「自発性」「モデルのなさ」「切実性」ろいう3点を質高く備えた課題を解決する仕事は創造性が高くなるという論に共感する。組織が創造性を保つには、失敗を恐れずに新しいことをやりたくなる環境が必要。 P47「チームワークの基礎はパブリックマインド」 ・自分の立場を考えるご都合主義や保身ではなく、私心を離れた真実に邁進しているものにはついていける。 →論の是非だけではないということだし、その気持ちをいかに伝えるかも重要。せめてサブリーダーとしての自分がそうありたいと感じる。 P69「課題を明確にして任せてくれる人」がリーダー ・箸の上げ下ろしまで監督者面し、作業のやり方まで立ち入って干渉し、課題をはっきり伝えないうえに罵るだけではリーダーについていけない。 →課題を示し、任せればモチベーションは上がる。その上で、いかにチームのメンバーの質を高めるか。思考させるだけでは人は育たないのでは。既存モデルのない活動の指針をある程度一緒に考えた上で、思考+試行させることが重要ではないか。 P102「生命燃ゆ」 ・エネルギーが無さ過ぎたら「燃える」状態はこないかもしれないが、エネルギーがあったら「燃える」のかといったらそんなことはない →バイタリティとか、活力とか、うまい言葉を探しているがぴったりくるものがなかなかない。子どものうちにいかにこの「燃える」状態を体験させたり、大人になっても「燃える」ことが他のことにも転移できるようにできるかが、教育や総合が目指す一つの事柄だと思う。大人のチームでもこの状態をいかに多くのメンバーが到達したり維持したりするかが重要か。 全体を考え、思考したり試行させたりするチームやリーダーが使命感を持てる新しいことをやってみたいと思える環境を整えることは一つの要因に成り得るか。

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2012/07/09

川喜多氏の独特の「創造性」に対する世界観が如実に記された一冊である。かなり抽象度の高い表現が数多いが、時折だされる筆者の経験談や歴史の一説が理解を高めてくれる。 マーガレット・ミード、マロリーの『マウント・エベレスト』は私が覚えておきたい。

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2012/05/01

川喜田二郎は、言わずと知れたKJ法の生みの親ですが、すでにお亡くなりになっています。本書は、『創造と伝統』(1993年)という本の「I 創造性のサイエンス」部分を新書化したものだそうです。 ★★★ 本書のテーマは「文明の立て直し」です。  この本は、今や「没我」つまり...

川喜田二郎は、言わずと知れたKJ法の生みの親ですが、すでにお亡くなりになっています。本書は、『創造と伝統』(1993年)という本の「I 創造性のサイエンス」部分を新書化したものだそうです。 ★★★ 本書のテーマは「文明の立て直し」です。  この本は、今や「没我」つまり「われを忘れて」という文明が必然になる、 -- snip -- 他方では、巨大な生き物である「世界」を、その内面からの共感で悩もうではないかと訴えているのである。 と述べています。 それは、本書でいうところと創造性の三カ条、すなわち「自発性」「モデルのなさ」「切実性」につながります。  この三カ条をできるだけ高度に持っている「ひと仕事」ほど、それは創造的な行為であるという結論になった。 というのです。 ★★★  つまり、自分がやりたいからやるんだという底の浅いものではなく、全体状況が自分にこういうことをやれと迫ってくるから、やむなくやっているという絶対感があるもので、それは絶対的受け身ということでもある。 と言います。 私の好きな「他力」につながる発想だなぁと思いました。そういった感覚で動いているときほど振り返るとよい仕事ができているものです。 ★★★ KJ法についてこの本ではほとんど書かれていないのですが、企業の教育担当者から、  じつは先生、KJ法なんかを使っても、何も価値のあるアウトプットは出ないですよ。だけど、われわれが重要視するのは、あれを使うと社員がやる気を出して盛り上がるからですよ と言われたという話が載っていて興味深かったです。 川喜多先生に面と向かって言ったとなっているのでそれもびっくりです。 まぁ、そういった心得違いはどこにでも転がっているのかもしれません。ゴールと、結果の状態を錯誤しているのですね。 ★★★ 最後に、創造的な小グループ(スモール・グループ)の話がでて、日本でいえば、松下村塾のような強力なチームがなぜできるのか、そこにも、創造性というのが深くかかわっているという話が書かれています。

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2012/02/04

移動大学で積極的な活動をし、知識共有や創造性についてKJ法などの手法を編み出した川喜田二郎氏。彼の「創造と伝統」という著書を新書版として切り出したのが本書。最後まで読むと中途半端に終わってしまうのが歯がゆいくらい面白い。デカルト的な外からの観察手法で知識を分解するのではなく、仏教...

移動大学で積極的な活動をし、知識共有や創造性についてKJ法などの手法を編み出した川喜田二郎氏。彼の「創造と伝統」という著書を新書版として切り出したのが本書。最後まで読むと中途半端に終わってしまうのが歯がゆいくらい面白い。デカルト的な外からの観察手法で知識を分解するのではなく、仏教的な混沌とした中の知識形成の手法は後のKJ法解説につながってくるのだと思う。 KJ法は大学のときに実習で行ったが、所詮手法に過ぎないというどちらかという否定的な見方だ。でも、本著を読んでいると集団の中の知識形成というものを認知科学的な手法から分解し、組み上げていく内容に度肝を抜かれる。それも理論家としての穿った見方ではなく、あくまで実体験に基づいていることが地に足をついたものにしている。 是非、「創造と伝統」のほうも読んでみたい。

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