ルポ 生活保護 の商品レビュー
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2010年刊行。著者は北海道新聞釧路支社報道部編集委員。良質な実例紹介のように思える。生活保護は自立支援と関わりを持つものではあるが、それだけではない。年金制度の取りこぼし(高齢者福祉)、母子(むしろ単親)家庭での格差固定と親子間連鎖(就業支援、保育・教育施設の不備)、失業者の復職支援(特に雇用保険の隘路)、年金や保険の負担による貧困率の拡大(逆差別の亢進)、教育費用負担(公教育のレベル低下)など、広範なテーマとの連関・整合的制度構築が求められる。本書は、その広範な問題に一定の目配せが効いている。
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新聞記者である著者が、生活保護とは何かというところから、格さと貧困の実態、生活保護の意義、自立支援の先進地「釧路」の取組、そして今後生活保護をどう改革するかというところまで、生活保護について総合的に論じている。「ルポ」というだけあって、実例に即したバランスのとれた論が展開されてい...
新聞記者である著者が、生活保護とは何かというところから、格さと貧困の実態、生活保護の意義、自立支援の先進地「釧路」の取組、そして今後生活保護をどう改革するかというところまで、生活保護について総合的に論じている。「ルポ」というだけあって、実例に即したバランスのとれた論が展開されている。生活保護について考えるうえで非常に有益な本だと思う。「貧困の連鎖」を絶つ取組の重要性を感じた。
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水際作戦、硫黄島作戦 生活保護法の「補足性の原理」 OECD日本経済白書2007の統計結果 詳しくは折り目参照
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一般向け概説書としてはまとまっているが、いま噴出してる問題まで斬り込んでいるかといえばもう少しかも。たとえば貧困ビジネスなどの問題も全く触れていない。
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自分もケガなどして働けなくなれば、すぐ同じ境遇になり得るとは思うのだけれど、どうも私は「生活保護」に対して厳しい見方をしてしまう。「貧困は自己責任か?」との問いかけにも、「自分は高校時代、とにかく国立に入らなきゃ大学に行かせてもらえないと思って必死で勉強してきたから」という自分経...
自分もケガなどして働けなくなれば、すぐ同じ境遇になり得るとは思うのだけれど、どうも私は「生活保護」に対して厳しい見方をしてしまう。「貧困は自己責任か?」との問いかけにも、「自分は高校時代、とにかく国立に入らなきゃ大学に行かせてもらえないと思って必死で勉強してきたから」という自分経験主義に陥ってしまう。そういう問題じゃなくて、親の貧困が低学歴を生み、低賃金、失業を再生産するのだという筆者の分析も頭では理解できるけど、スタートのところの「親の貧困」のそのまた原因はなんだよ?って言い逃れ思考になってしまう。 ただ、僕が大学生の頃(1980年代)は、国立大学の学費は確かに安くて「親の貧困」を「高学歴」に変えられるかどうかは自分の努力次第だって面もまだ残されていたように思う。学歴は今やそんなに意味を持たないかもしれないけれど、国家が貧富にかかわらず勉学のチャンスを平等に用意することはとても大切なことだと思う。 books198
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釧路などでの自立プログラムを踏まえながら、生活保護制度と「生活保護に追い込んでいく日本の諸政策」を指摘。 生活保護制度についての前提知識必須。
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本書は、釧路市の生活保護の実態を赤裸々に描いている。その迫力ある事例は、現代日本の貧困をあますところなくあばいていると感じた。 全国的に貧困家庭が増える中、生活保護費は、どこの自治体でも増え続けている。地方財政が苦しい中、生活保護申請をさせない、いわゆる「水際作戦」や受給者に...
本書は、釧路市の生活保護の実態を赤裸々に描いている。その迫力ある事例は、現代日本の貧困をあますところなくあばいていると感じた。 全国的に貧困家庭が増える中、生活保護費は、どこの自治体でも増え続けている。地方財政が苦しい中、生活保護申請をさせない、いわゆる「水際作戦」や受給者に辞退を強要する「硫黄島作戦」があるという。思わず言葉を失う思いがした。 「貧困の連鎖」という実態を紹介している。貧困が親から子へ受け継がれる実態には、暗然たる思いがした。「学歴の高い親はおおむね比較的恵まれた年収の仕事に就き、経済的に余裕があるので子どもによい環境を与え…その結果子どもは高学歴になり、いい仕事に就く」それに対し生活保護家庭では「パソコンの利用率が低く、塾・習い事も経済的理由でさせられないこと」等で、貧困が世代を超えて受け継がれているという。 どのくらいの子どもが貧困の中にいるか、本書によると2006年には14.2㌫、7人に一人。日本は、いつの間にこんなに貧困がはびこる国になってしまっていたのかと感じた。 本書では、その「貧困をつくる国の政策」についても考察している。年収200万未満のワーキングプアは、「いまや給与所得者の二割を越える1032万人(2007年)」。日本においては、税制や社会保障制度の所得再配分機能がOECD諸国に比べると著しく低い実態が明らかにされている。 その結果「こぼれ落ちる人々」の本書での紹介実例には慄然とする思いがした。2005年に北九州市での餓死した男性。2007年の小倉北での「おにぎりが食べたい」と書き残して死後1ヶ月後に発見された男性。増大する貧困と、その増え続ける生活保護費を抑えようとする行政当局との攻防の行き着く先は、悲惨としかいいようがないと感じた。 本書では「どう改革するか」で、この実態を改革するための考察も行っている。「就学支援・奨学金の充実」「最低保証年金」「派遣法の抜本改正」「住宅補償」等、国家の財政が危機的状態にある現状ではいろいろ論議があるとは思うが、本書での生活保護の実態をよむと、やはり国家的取り組みが必要であることは間違いがないと痛感した。 しかし、本書の読後感は「重く暗い」。これが日本社会の実情かと思うと、日本は「一億総中流」と言われた時代から、なんとひどい国になってしまったのかとの思いがした。
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世も末だなと。絶望的な気分になってしまう。 生活保護の問題はワーキングプアの問題に帰結する。 また、介護保険制度でのヘルパー労働は過酷なものだ。 出口の見えない、厳しい状況が広がっている。 勝ち組、負け組の構造が浮き彫りになる。
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貧困は連鎖する、生活保護を受けている親の子供は高い可能性で生活保護を受ける。 最低賃金は生活保護で支給される額よりも低い。 生活保護は経済的自立を目的としている側面があるが、それだけではなく、日常生活的自立や社会的自立も含めた支援が必要である。 貧困の最後のセーフティネットとして...
貧困は連鎖する、生活保護を受けている親の子供は高い可能性で生活保護を受ける。 最低賃金は生活保護で支給される額よりも低い。 生活保護は経済的自立を目的としている側面があるが、それだけではなく、日常生活的自立や社会的自立も含めた支援が必要である。 貧困の最後のセーフティネットとして生活保護が用意されているが、そのすべてを生活保護のみが担ってしまっており生活保護に過度の負担がかかってしまっている状況にある。 仕事をつくるための機関として注目されている社会的企業。 など生活保護の問題点、改善点などを指摘している。
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タイトルこそ「ルポ生活保護」だが、内容は社会保障の歴史に始まり、母子家庭、ワーキングプア、子どもの貧困、就学援助、年金・医療・雇用・住宅問題まで、貧困にまつわる諸問題について触れられている。生活保護とは就労による経済的自立が最終目的と思われがちだが、本来の生活保護とは、就労を含め人間が地域で社会的な生活をおくるための自立支援を目的としていると本書では述べている。
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