法医学者、死者と語る の商品レビュー
法医学の現状を、現場の方から学べる一冊。かなり面白かった! 人のためにあるはずの法が、法のために人がある 状態になっている現状。海外の法医学の事も書かれていて、わかりやすいです。
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"千葉大学大学院法医学教授岩瀬博太郎さんの書籍は「焼かれる前に語れ」に続いて2冊目に読んだ本になる。死は人間誰にでも訪れるもの。その死因が不明のまま火葬される人が日本には多い。他国と比較しても飛びぬけているという現状を教えてくれる。6人に1人の割りだという。死因を明確に...
"千葉大学大学院法医学教授岩瀬博太郎さんの書籍は「焼かれる前に語れ」に続いて2冊目に読んだ本になる。死は人間誰にでも訪れるもの。その死因が不明のまま火葬される人が日本には多い。他国と比較しても飛びぬけているという現状を教えてくれる。6人に1人の割りだという。死因を明確にすることで犯罪を抑止することにもつながるし、事故であれば、事故原因を究明する一端となり、再発防止の策が打てる。縦割り行政の弊害、法整備の不備、法医学への無理解、などなど様々な課題が山積している。法律を作るところは国会であり、行政の枠組みを考えるのも国会。多くの政治家の心を動かさないと問題は解決しないことになる。 本書は、エッセイのようなスタイルで法医学に携わる医師の日常を語っている。読み物としても良くできている。"
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以前から興味があった法医学。 しかし、生の声を収録した本を読んだのは初めてだった。 ドラマで描かれる法医学の世界がいかに真の世界の省略形なのかがよくわかった。 海外諸国(特にオーストラリアなど)の制度を見習い、亡くなった方のご遺体の死因のみを話題にするのではなく、その死因に至るま...
以前から興味があった法医学。 しかし、生の声を収録した本を読んだのは初めてだった。 ドラマで描かれる法医学の世界がいかに真の世界の省略形なのかがよくわかった。 海外諸国(特にオーストラリアなど)の制度を見習い、亡くなった方のご遺体の死因のみを話題にするのではなく、その死因に至るまでにどのような道筋を辿って行ったのかということまで検討する。そうすることによって臨床の現場の発展にもつながる(同じ理由で亡くなる患者さんを少しでも減らしていく)…そんな法医学の現場の充実を願うばかりである。
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「われわれは,死体を通して生きている人を何とかしようとしているわけで,物好きでやっていると思われるのが,本当につらい」 「法医学者は,常に冷静で,公平かつ公正な立場でいなければならない。鑑定は,検事のためでも警察のためでもない。ときには,遺族のためでもないことすらある。」 「本来...
「われわれは,死体を通して生きている人を何とかしようとしているわけで,物好きでやっていると思われるのが,本当につらい」 「法医学者は,常に冷静で,公平かつ公正な立場でいなければならない。鑑定は,検事のためでも警察のためでもない。ときには,遺族のためでもないことすらある。」 「本来,法医学の立場としては,検察,被告,どちらが勝つ,負けるといのは,関係のないことだ。なんで検察サイドに立って,分かりやすい説明をしなければならないんだろう?」 「本来は人を幸福にするために存在する学問が,場合によっては人を不幸にする。法律にも似た面がある」 勉強になった。
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大変面白く読んだ。法医学者の毎日、法医学の現状や問題点を、等身大で分かりやすく書いてくれてる。ご指摘は至極もっとも。だと思った。 私たちも含め、みんなの理解が進むようにしなくちゃなあ。
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不審死続出。なんと6人に1人が、本当の死因がわからないまま葬られている。壊れたニッポン社会と闘う孤高の司法解剖医、衝撃のリアル。司法解剖医の素顔、日常、苦悩、死生観、死因究明の具体的な手法などを描く。
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