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神曲 完全版 の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2023/08/26

おそらくは聖書に次いであらゆる創作物に影響を与えている書物『神曲』。書かれたのは13世紀頃であり、聖書、神話、歴史、哲学、神学といった要素が百科全書的に物語に組み込まれている。お話は地獄に迷い込んだダンテくんが、古代ローマの詩人ウェルギリウスと出会い、天国を目指しながら異界巡りを...

おそらくは聖書に次いであらゆる創作物に影響を与えている書物『神曲』。書かれたのは13世紀頃であり、聖書、神話、歴史、哲学、神学といった要素が百科全書的に物語に組み込まれている。お話は地獄に迷い込んだダンテくんが、古代ローマの詩人ウェルギリウスと出会い、天国を目指しながら異界巡りをするというもの。途中でベアトリーチェというダンテにとっての女神みたいな存在と再会し、最終的には「愛ってすばらしい!」という気づきを得るのでした。おしまい。 平川祐弘の訳は美しいですが、内容が内容だけに集中して読まないと何が起こっているのかわからなくなりがちです。でも大丈夫。この〔完全版〕はドレによる挿絵がついており、なんだか分からないけど壮大なビジュアルを絵で補完してくれます。その上で、それぞれの章の始めには訳者による概略が用意されているので、ここさえちゃんと読んでいれば何となくでついて行けるでしょう。また、章の終わりごとに細かく解説が載っているので、より深く知りたい、あるいは意味がわかんなかった、という方には理解の助けになると思います。まあそこまできっちりしっかり読まなくても、ファンタジー世界をお散歩する話を絵付きで読めるー、くらいの気持ちで読んだらいいんじゃないかな。 聖書の人物以外にも、実在の人物が多く登場し、中でも”ベアトリーチェ”という存在は作者ダンテの幼なじみで24歳の歳で亡くなった女性だったりします。イタリアの政争とフィレンツェ追放という彼の身に実際起きたことを反映した話でもあるので、個人的な怨恨という側面も見え隠れ。まあ創作の動機ってやっぱり「恋慕」だったり、「怒り」だったりが大きいんだろうな、と俗なことを感じました。 最後の「天国篇」は"キリスト教的価値観から見た宇宙"というすんごく壮大な光景の連続で、ドレの絵と相まって神秘的です。やんちゃな想像力を知識と筆力でひとつの物語にしちゃうあたり、全体の手触りとしては何となくピンチョンの『重力の虹』や、『ディファレンス・エンジン』なんかの手応えに近いなあとボンクラなSF好きとしては思うのでした。

Posted byブクログ

2023/08/21

p30 かつて人権派で死刑制度廃止運動をしていた弁護士の海老沢哲が、自身の娘をストーカーに殺されたのをきっかけに犯罪被害者の支援へと転向し、私的に風の会を立ち上げたと、そのスレッドには書かれていた。 p33 「馬鹿みたいに明るくしてねえとやってらんねえんだよ・・・」 返す言葉も...

p30 かつて人権派で死刑制度廃止運動をしていた弁護士の海老沢哲が、自身の娘をストーカーに殺されたのをきっかけに犯罪被害者の支援へと転向し、私的に風の会を立ち上げたと、そのスレッドには書かれていた。 p33 「馬鹿みたいに明るくしてねえとやってらんねえんだよ・・・」 返す言葉もなく、三知男は二、三度頷く。 p178 「生まれてすぐにやらな、親子になれへんからな」 お父さんは私に、そう教えてくれた。 p185 「だって・・・・・・答えを出すのって危なくない?誰かを傷つけてしまうかもしれない」 p194 「好きなものより、苦手なものが一緒っていう方が信用できるのかな」S字を抜けた隼太郎が、ストレートのコースを歩きながら呟く。「苦手なものはなかなか変わらない。でも、好きなものはすぐ変わっちゃうからかも?」 p291 皮肉なことに時間の制限がある今の方が、毎日一緒にいた頃よりもちゃんと話せる。

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2022/02/22

集英社版 世界文学全集版2 天国編で力尽きた。 欧米の教養となってるみたい。桃太郎みたいな。 聖お兄さんがわかりやすくなった。

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2021/06/17

地獄編・煉獄編・天国編 これほど理解に苦しむのは初めて。。。なかなか地獄でした。 当時の文化を感じましたが、多分2度は読むことは無い。読んだと言う実績がつきましたが、、、 色んな地獄がありました。。。

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2019/01/17

読んでみたいと思ったきっかけは、キリスト教文化の土台となる価値観を知りたかったから。 様々な近代史を知る上でも、宗教的背景は欠かせない。 地獄編、煉獄編は想像以上に読みやすかった。当時のフィレンツェの一般市民への啓蒙用に描かれたものなので、生き生きとした瑞々しい文章。 だが天...

読んでみたいと思ったきっかけは、キリスト教文化の土台となる価値観を知りたかったから。 様々な近代史を知る上でも、宗教的背景は欠かせない。 地獄編、煉獄編は想像以上に読みやすかった。当時のフィレンツェの一般市民への啓蒙用に描かれたものなので、生き生きとした瑞々しい文章。 だが天国編でその筆は一遍し、非常に観念的、形而上学的な文体になり、読み進めるのにかなり努力を要した。もともと大著であるが、これだけ苦労して読み終えた本も少ない。 以下の事に気が付いた。 ・宗教とは哲学であり、法であり、また理(ことわり)である。つまり、自然科学と枝分かれする以前の科学大系であり、哲学でもある。自然科学が観測によって理を解き明かそうとするのと同要、キリスト教は神を思う事によって、森羅万象の理を説明しようとした。野蛮なものというよりも、この世界での精緻な理論の積み重ねの上に成り立っている。 ・後書きにも書かれていたが、イスラム教徒を邪道なものとして描いている点(マホメッドは地獄にいる)、十字軍をはじめ、異端と戦ったものは皆、天国にいる点、そして描かれている人物の地獄行き、天国行きの区別は、どうもダンテの個人的愛憎からのようである点。それらの点は現在の目で見るとむしろ滑稽なものとして映る。特に十字軍の描写は、イスラム過激派が自爆テロの志望者に語る内容ととても酷似している。 ・至高天の住民であるヴェアトリーチェがダンテを責める理由が割と世俗的な理由からである事。(ヴェアトリーチェの死後、他の女性と結婚した事) 西洋史を復讐しなおした後に、また挑戦してみたい。 キリスト教を知る為の入門署としては、やはり素晴らしいと思う。

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2013/03/08

西洋古典の巨峰なので読んでみた。 というか、同訳者のデカメロンが素晴らしすぎるので興味を持った。神曲は、ダンテが先人に導かれ地獄、煉獄、天国をまわるストーリー。 肝は、そこで出会う様々な罪人、天国への途を待つ人、天使、偉人などとの会話を通じて現世と常に対峙し、現世があの世から見...

西洋古典の巨峰なので読んでみた。 というか、同訳者のデカメロンが素晴らしすぎるので興味を持った。神曲は、ダンテが先人に導かれ地獄、煉獄、天国をまわるストーリー。 肝は、そこで出会う様々な罪人、天国への途を待つ人、天使、偉人などとの会話を通じて現世と常に対峙し、現世があの世から見た観点でどうであるか振り返るというもの。

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2011/06/27

すげえ装丁w誰がこんな高いもん買うんだwwwwと、思いましたがさすがに訳の韻律もすばらしく読みやすく注釈も丁寧にかいてあって私のような初心者にはとてもわかりやすくて面白いです。ドレの絵もすばらしいです。ただなあ…購入するにはちょっとなあ…。 しかし神曲って風刺だったんですねえ。余...

すげえ装丁w誰がこんな高いもん買うんだwwwwと、思いましたがさすがに訳の韻律もすばらしく読みやすく注釈も丁寧にかいてあって私のような初心者にはとてもわかりやすくて面白いです。ドレの絵もすばらしいです。ただなあ…購入するにはちょっとなあ…。 しかし神曲って風刺だったんですねえ。余談ですけど、地獄の鬼の名にFFⅣのゴルベーザ四天王の名前がありました。ルビカンテの訳も「狂った」とかならカコイイんですがこれでは「阿呆」でした。阿呆のルビカンテ…。

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2011/04/24

昔、フィレンツェからラヴェンナの土地を歩いて、ラヴェンナの街に惚れ込んだ。帰りにダンテの墓を横目にみながら去ったからには読んでおこうと思ってた。ちまちまちまちま読んでやっと終わった。全体的にわからんが天国編は極めてわからん。なんというか、わからんということがわかったとしかいいよう...

昔、フィレンツェからラヴェンナの土地を歩いて、ラヴェンナの街に惚れ込んだ。帰りにダンテの墓を横目にみながら去ったからには読んでおこうと思ってた。ちまちまちまちま読んでやっと終わった。全体的にわからんが天国編は極めてわからん。なんというか、わからんということがわかったとしかいいようがない。ので、評価もできない。

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2011/02/11

ダンテの新曲 古典ですが、読んでみました。 ダンテが、地獄、煉獄、天国の情景を現世に言葉で伝えるために 旅をするという構成ですが、 世界で初めて、地獄などを具体化したもののようです。 (聖書には言葉では地獄とあったみたいですが) 哲学的ですが、興味深い本でした。

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2010/09/14

 「ドレの挿絵全135点を完全収録」という謳い文句に飛び付いて購入。一般的な観点から言えば、少々値段は張るかもしれないが、カラー口絵と詩篇付で、この値段ならば個人的には納得。  そんなこんなで、すっかり挿絵だけに心奪われていたところ、実は「新生完訳版」という謳い文句も掲げられてい...

 「ドレの挿絵全135点を完全収録」という謳い文句に飛び付いて購入。一般的な観点から言えば、少々値段は張るかもしれないが、カラー口絵と詩篇付で、この値段ならば個人的には納得。  そんなこんなで、すっかり挿絵だけに心奪われていたところ、実は「新生完訳版」という謳い文句も掲げられていたらしい。  しかし、訳者の腕次第で、本当に外国作品は明確に明暗が分かれますな。勿論、それぞれに好ましい文体はあるでしょうが、ね。

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