黙祷の時間 の商品レビュー
胸にゆっくり残る余韻。 辛くて悲しくて爽やかな恋がずっと心に残っている。とても優しい気持ちになれた。
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とても静かで美しい小説だった。18歳の少年のひと夏の歳上の女性との思い出。美しくないわけがない。何も語られないことも多く、その空白がこの小説の秘密めいた雰囲気をさらに増している。読んで良かった。
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教師と生徒との恋。そして突然断ち切られた時間。共に過ごした日々が蘇り過ごすはずだった未来が夢となる。海辺を舞台に詩のような世界が広がり、砕ける。哀しみが静かに漂う物語。
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名前だけ知っている作家の初読み作品だけど、初読みにはふさわしくなかったかも。シュテラは随分迂闊な気がする。ドイツは教師と生徒の恋は禁断じゃないのかな。クリスティアンを弄んでいる風でもあり、内心を抑えている風でもあり、謎のファムファタール、シュテラ。この名前は英語読みだとステラ?恋...
名前だけ知っている作家の初読み作品だけど、初読みにはふさわしくなかったかも。シュテラは随分迂闊な気がする。ドイツは教師と生徒の恋は禁断じゃないのかな。クリスティアンを弄んでいる風でもあり、内心を抑えている風でもあり、謎のファムファタール、シュテラ。この名前は英語読みだとステラ?恋を回想する場に追悼式を選ぶってなかなかに切ない。
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表紙のような暖かい海と砂浜がずっと広がっているような素敵な雰囲気。 ドイツのものとかほとんど読んだこと無かったので、他のも読んでみよっと。
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大切な人を失うとその人と過ごした思い出の数々が、自然と記憶の中で再現されることになる。そして描写は時に生々しく、時に不確かになる。それが思い込みの強い思春期の青年のものとなればなおさらだろう。 特筆すべきはレンツのペンにより描写される、在りし日のハンブルクという街と海、そしてそ...
大切な人を失うとその人と過ごした思い出の数々が、自然と記憶の中で再現されることになる。そして描写は時に生々しく、時に不確かになる。それが思い込みの強い思春期の青年のものとなればなおさらだろう。 特筆すべきはレンツのペンにより描写される、在りし日のハンブルクという街と海、そしてそこで生きる人々の姿そのものだ。港を行き交う大小様々な船、漁師や整備士たち。人々が思い思いに過ごす海辺の風景。一瞬ごとに形を変える波。そのどれもをレンツは最低限の静謐な筆致で描ききっている。 荒れ狂う海でも遠い岸辺に建つ家の中から窓を通して眺めたとしたら静謐な風景に見えるのでないか?そんな距離感を文書から感じた。
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とある先生の学園追悼式。 青年は彼女との日々に思いをはせる。 それは大人への一歩とほろ苦さと。 平船から見守るラストシーン、 きっと水面はとても静か。
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男子高校生が恋をしたのは年上の英語教師。 海沿いの町の夏。「ついこの間のことを回想する」形で語られるのは、輝く思い出とまだ鮮度を失っていない感情。 爽やかな潮風が、ひんやりとした哀しみを含みつつ、全編を通して吹き渡る、そんな恋愛小説です。
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丁度3年前に購入した 高校生と年上の女性教師のひと夏の「別れ」 男の子がひとり思い出しながら語る内容なので どこかに美化したり、一方的な解釈が入り込むのではないか という懸念と疑念はあるが、 ひたすら淡々と自分が知ることができなかった 彼女の姿や気持ちの動きも見つめながら まだ...
丁度3年前に購入した 高校生と年上の女性教師のひと夏の「別れ」 男の子がひとり思い出しながら語る内容なので どこかに美化したり、一方的な解釈が入り込むのではないか という懸念と疑念はあるが、 ひたすら淡々と自分が知ることができなかった 彼女の姿や気持ちの動きも見つめながら まだ喪失の痛みを整理できていない 自分の心を落ち着かせようと 彼女の姿を思い出し、彼女のいない世界を 受け入れようとしている感じ。 死別でなくても、本当は「失恋レストラン」開店直後は 喪失感、虚無感、失望、困惑にあふれ 時に怒りと憎しみを取り除けたら こんな世界なのだろうけど、それを短くも美しい物語として 表し残せるかが凡人と作家の違い。 筆者が充分に老人なので、主人公の老人が 遠い日を思い出して語る、なんて方法もあるのでしょうが あえて現在形なのかな。
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談話室にてオススメして頂いた作品。 静かな物語だな、と思った。 映像としてのイメージが強く、まだ見ぬ外国の海辺の風景が浮かび、波の音がひかえめに聴こえてきそうな気さえする。 そしてその中で主人公の少年の密やかな恋心が沸々と沸いていた。 まさに、ひと夏の恋という感じ。 82歳の作者...
談話室にてオススメして頂いた作品。 静かな物語だな、と思った。 映像としてのイメージが強く、まだ見ぬ外国の海辺の風景が浮かび、波の音がひかえめに聴こえてきそうな気さえする。 そしてその中で主人公の少年の密やかな恋心が沸々と沸いていた。 まさに、ひと夏の恋という感じ。 82歳の作者がいかにしてこの物語を書いたのだろう。不思議だなあ。
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