年下の義姉 の商品レビュー
愛情と肉欲が蠢き交錯する
20歳の主人公に対して19歳の義姉(兄嫁)。よく見つけたなというアイデアに明るく開放的なテイストを連想したが、実際はこの設定が大いに活かされた訳でもなく、むしろ義姉の微かな欲求不満が引き起こした肉欲の泥沼っぽい作品だった。 不意の“悪戯”が元で義姉と主人公の想いが交錯する展...
20歳の主人公に対して19歳の義姉(兄嫁)。よく見つけたなというアイデアに明るく開放的なテイストを連想したが、実際はこの設定が大いに活かされた訳でもなく、むしろ義姉の微かな欲求不満が引き起こした肉欲の泥沼っぽい作品だった。 不意の“悪戯”が元で義姉と主人公の想いが交錯する展開。主人公の「誘ったのは義姉さん」と、義姉の「夫ある身の出来心」の狭間に蠢く肉欲に抗し切れず、心とは裏腹に押されていく前半はなかなかの読み応えである。想いを募らせる主人公の、兄(夫)の眠る寝室への夜這いでこの2人の秘め事は一定のクライマックスを迎えるが、これが転機になって話が拡散する後半は好みが分かれるかもしれない。 高校1年生の義妹(兄嫁の妹)や34歳の隣人妻が出てくる後半では、若いツバメよろしく肉欲を貪る隣人妻とほのかな淡い恋心を湛えた義妹に直接の接点はないが、主人公の“弱み”を利用して迫る、ちょっとした意地悪と爛れた欲望を見せる隣人妻と、恥じらいつつも「初めて」を捧げても構わないと告げる、真面目で一途な義妹とで好対照な関係と情交を演出しているのが面白い。 この後、一時距離のできた義姉が、主人公と義妹の関係を受けて変化を見せる結末へと向かうが、ここでも本音と建前の狭間で揺れつつ何かを吹っ切るような、少しはっきりしない心情を見せている。その言動から見れば主人公の望む形には至るものの、ちょっとすっきりしない流れかも。他にも下心が見え見えで約束を翻す主人公や、純真無垢で庇護欲を抱くが故に不憫に思える義妹など、ヒロインからの想いが全開で、優しく接していれば労せず勝手にハーレム化する作品に慣れた諸兄には、その情交描写の良さに反してもどかしさを覚える部分もありそう。良くも悪くも星野作品らしさと見ることも出来よう。
DSK
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