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江戸の気分 の商品レビュー

3.6

10件のお客様レビュー

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2020/05/02

名著「落語地図」のように落語の舞台を歩く本はあるが、この本は落語に登場する江戸の「こと」を詳細に語っている。病、火事、花見、狐狸、蚊、棺桶、貧乏。無尽、お米、お金。 実は、今年、3月、コロナがまだそれほどでない時 何名かと飛鳥山の花見をした。その時、話の材料に落語を使った。「花見...

名著「落語地図」のように落語の舞台を歩く本はあるが、この本は落語に登場する江戸の「こと」を詳細に語っている。病、火事、花見、狐狸、蚊、棺桶、貧乏。無尽、お米、お金。 実は、今年、3月、コロナがまだそれほどでない時 何名かと飛鳥山の花見をした。その時、話の材料に落語を使った。「花見の仇討ち」と「長屋の花見」 それに「王子の狐」。だから面白くないわけがない 人間が狐にだまされなくなったのはテレビが普及した昭和40年ごろ、テレビで、人間が夜遅くでも活動しているを見て知ったことにある、としている。達見だ。また、それは狐にだましてもらえなくなった、と言う言葉がまたいい。 蚊

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2017/09/07

落語の背景が理解できたという意味では収穫があった。しかし、しかし、全編を通じて「である調」と「ですます調」が混在する筆致はいただけない。この違和感はあとがきまで読み進めても同じだった。また、筆者は京都出身ということで、のっけから上方落語を引用しており、江戸≒昔の東京という先入観を...

落語の背景が理解できたという意味では収穫があった。しかし、しかし、全編を通じて「である調」と「ですます調」が混在する筆致はいただけない。この違和感はあとがきまで読み進めても同じだった。また、筆者は京都出身ということで、のっけから上方落語を引用しており、江戸≒昔の東京という先入観をもって読むと、文体と相まって「え、え、ええ~」という違和感だらけになる。本のタイトルが読み手に与える影響の大きさを改めて感じた。

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2015/05/09

なかなか面白かった。 語り手(著者)の口調が落語のようである。 落語を題材に、江戸の生活や少し昔の日本と 今の生活との違いなどが書かれている。 病気に関しての江戸の人々の考え方、 狐や狸に騙された話などは面白かった。

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2012/11/30

フロイトは「キツネタヌキに騙されるな」ような心理を未熟だというが、本書ではそれを豊さであるという、20世紀最大の科学者フロイトの知恵と江戸の知恵はどちらに共感できるかという形で読むと非常にスリリングでした。「蚊帳という結界」という着想や、無尽の話から始まる江戸のお金の話がいい。

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2012/11/25

落語が好きなので、「江戸の気分」というものを知っておきたいと購入した次第。堀井さんの本は「落語論」「いつだって大変な時代」(ともに講談社現代新書)を読みましたが、いずれもためになる作品でした。 で、「江戸の気分」は、というと、これが現代人にもためになるのですね。 たとえば、江戸の...

落語が好きなので、「江戸の気分」というものを知っておきたいと購入した次第。堀井さんの本は「落語論」「いつだって大変な時代」(ともに講談社現代新書)を読みましたが、いずれもためになる作品でした。 で、「江戸の気分」は、というと、これが現代人にもためになるのですね。 たとえば、江戸の人は、「病い」を「引き受ける」と考える。ただ、どうしようもないから諦める。「それが幸せとはいえない。でもどうにもならないことを、なぜ、私が、家族がこんな目に、と考える苦しみはそこにはない」と著者。 江戸の気分とは直接関係ないですが、本書によると、「キツネ」はかつて身近な存在だったのですね。1965年といいますから、私が生まれる8年前ですが、それまでは「キツネが人を騙す」ということが人々の口にしょっちゅう上っていたそうです。 懐旧趣味はほとんどあまりない自分ですが、現代人が「江戸の気分」から学ぶことは大いにあるのではないかと考えた次第です。

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2012/07/08

落語からみる江戸時代の習慣が面白い。蚊帳や早桶の話など、江戸も大阪に負けず面白い集団ばっかりと思わされる。季節に応じた楽しみ、貯金などしない日々の暮らし、貧乏でも戸がなくても暮らしていくたくましさ、悲惨な割に笑いがある。このレベルでは悲惨と考えないのかな、と思う。前向きで実直。面...

落語からみる江戸時代の習慣が面白い。蚊帳や早桶の話など、江戸も大阪に負けず面白い集団ばっかりと思わされる。季節に応じた楽しみ、貯金などしない日々の暮らし、貧乏でも戸がなくても暮らしていくたくましさ、悲惨な割に笑いがある。このレベルでは悲惨と考えないのかな、と思う。前向きで実直。面白い中にも、厳しい階級制度がある悲しい現実。違う階級同士は絶対に同じ土俵に立たない徹底さなど、勉強にもなる。

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2012/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

“喋れて絵が描けるコラムニスト”ホリイの、落語をテキストにした日本文化論 http://www.amazon.co.jp/review/R1WIO80IJA7UTJ/ref=cm_cr_rdp_perm

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2011/10/17

落語から江戸の庶民の生活を窺い知ろう、という本。落語には活き活きと庶民の暮らしぶりが描かれているんだな。もう少し落語の中身を紹介してほしかったな。出し惜しみしているみたいだ。この先を知りたかったら高座へ行けっていうことかな。

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2011/06/20

落語から覗える江戸の「気分」を追体験してみよう!という本。 一昔前に「週刊文春」を時々読んでいた(最近はほとんど買わないなぁ)が、この人の連載「ホリイのずんずん調査」は「はぁぁ」と体中脱力するほどクダラナイことを調べ、そのクダラナサのあまりについつい読んでしまう欄であった。「テ...

落語から覗える江戸の「気分」を追体験してみよう!という本。 一昔前に「週刊文春」を時々読んでいた(最近はほとんど買わないなぁ)が、この人の連載「ホリイのずんずん調査」は「はぁぁ」と体中脱力するほどクダラナイことを調べ、そのクダラナサのあまりについつい読んでしまう欄であった。「テーマパークのアトラクションの待ち時間」だの「チョコ菓子をいくつ買ったら当たりが出るか」だのをとにかくひたすら調べるのである。今でも連載は続いているらしい。ある意味、すごい欄なんである。 で、そんな「ずんずん調査」風のテイストもちょっと盛り込みつつ、数々の落語から、現代人がなかなか嗅ぎ取れない江戸時代の「空気」をすくい取ってわかりやすく説明したのが本書、となる。 これが予想以上におもしろかった。 身分の違う階級の住み分け、本当の貧乏とはどういうものか、火消しと鳶職の関係、蚊帳の話、富くじと無尽、米の飯、等々。話題は多岐に渡り、「へぇ、そういうものだったのかもしれないなぁ」と思わせる説得力がある。 あまり堅苦しくなく気楽に読めるところも、落語を踏まえた本書にふさわしい。 それにしてもホリイさん、相当の数の落語を聞いている。すごい。 ずっと東京の人だと思っていたのだが、京都の人だという。巻末の京都人から見た上方落語・江戸落語みたいな部分がおもしろかった。大阪と京都のビミョーな距離感というのも、京都に5年住んでみて、何となく頷けるところがある。 *江戸落語はそこそこ知っているが、上方落語ってほとんど知らない(『愛宕山』とか『三十石』とか『地獄八景亡者戯』くらい・・・?)。ちょっと聞いてみたくなった。 <2010.11.25追記>よく考えたら、一時、枝雀もよく聞いたし、上方を聞いたのも3つってことはなかった。でも、これを機に米朝のCDを続けて聞いたりして、なかなか楽しい♪

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2011/05/03

落語を通して江戸の感覚を分析している。 この本は落語を知っている人には、引用もありなっとくな本。 この人はいずれ学校とかで講演するべきと思う。 「落語から見る江戸」とかいう講演名で。 よく見かける薄っぺらな江戸分析とは違う、しっかりとした分析がなされていると思う。 この本の内容...

落語を通して江戸の感覚を分析している。 この本は落語を知っている人には、引用もありなっとくな本。 この人はいずれ学校とかで講演するべきと思う。 「落語から見る江戸」とかいう講演名で。 よく見かける薄っぺらな江戸分析とは違う、しっかりとした分析がなされていると思う。 この本の内容だけでも十分それに値する。 でも、そんなの引き受けたら「寄席通い」や「落語会」をはじめとしてのものすごいスケジュールがさらにきつくなるからやらないだろうけど。

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