黒薔薇アリス(4) の商品レビュー

水城せとな(著者)

2010/09/17

いまのところ期待を裏切らないおもしろさ。
今回は、過去（明治大正くらい？）にディミトリと会った少女の思い出や、バンパイアの妻となった女性がどういう末路をたどるのかが明らかになる。
過去にバンパイアと接触を持つことになった少女・彰子が、繁栄を終えたバンパイアの死を想い、また残されるバンパイアの孤独を想って涙する場面では思わずぐっとくるものがある。

また、今回妻となった女性がどういう末路をたどるのかが初めて描かれているが、その終わりのなんとグロテスクで、美しいことか。（と私は感じました。）
この作品、コミックスも十分おもしろいが、小説にしても結構いけるんじゃないか、と思いました。なんというか、想像力が非常にかきたてられる、儚い美しさを想わせるものがあります。
また、その美しさと対照的に、思い通りにならない人間のぐるぐる、どろどろした感情の浪がまた面白い。
引き続き期待の作品です。