ベルファストの12人の亡霊 の商品レビュー
元IRAの戦士が、自分が殺した12人の犠牲者から殺人を要求される。北アイルランドの複雑な情勢が背景から感じられる。
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元IRAのテロリストが、みずからの手にかけた亡霊たちに導かれて復讐を繰り返すノワール。アイルランドの荒涼とした風景、主人公の孤独、凄惨な暴力シーンには鬼気迫るものがある。
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アイルランドを舞台にした異色設定の復讐劇。 主人公は元IRA闘士というよりテロ行為の実行役だったアル中の「フィーガン」さん。 自分が殺した12人の亡霊に付き纏われ失意の負け犬人生一直線のフィーガンさん。 常に身近でうろつき泣き叫び攻め続ける亡霊たちに根負けし、昔の仲間...
アイルランドを舞台にした異色設定の復讐劇。 主人公は元IRA闘士というよりテロ行為の実行役だったアル中の「フィーガン」さん。 自分が殺した12人の亡霊に付き纏われ失意の負け犬人生一直線のフィーガンさん。 常に身近でうろつき泣き叫び攻め続ける亡霊たちに根負けし、昔の仲間たちを殺していくハメに。 ストレートな復讐譚ではあるが、テロの実行犯だったフィーガンを使って亡霊たちが裏で糸を引いていた人間を追い詰めて行くといった設定が面白い。 陰気な負け犬フィーガンが亡霊たち指示にではあるにせよ徐々に生きる意味と闘う意志を取り戻していく姿は熱い(端から見てるとネジの外れた狂人(◎-◎;)) 掻い摘まむぐらいではあるが、アイルランドが歩んできた闘争(テロリズムの)歴史とイギリスとの関係も伺えて興味深い。 やや腑に落ちない部分もあるが、デビュー作でコレだけ面白かったら文句は、ない。 オフビートな設定、陰鬱な内面描写と加速していく展開の対比も面白い【血と暴力のハードボイルド】であります。
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亡霊が見える、亡霊が求めるから殺人を犯す(確かに悪い奴らなんだけど)、という設定に最後まで違和感を感じた。 その点を除けば、小説としては面白かったと思う。 北アイルランドの歴史を理解してはじめて楽しめる作品なのかもしれない。 私は残念ながらほとんど知らないので…。
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タイトルから短絡的に連想されるようなホラー色やオカルトの要素はない。 アイルランドとイギリスとの間に横たわる根深い政治的な背景については、もちろん熟知していればそれに越したことはないが、「ゴルゴ13」を読んで理解できるほどの最低限の知識と類推力さえあれば、充分に物語は読み込める。...
タイトルから短絡的に連想されるようなホラー色やオカルトの要素はない。 アイルランドとイギリスとの間に横たわる根深い政治的な背景については、もちろん熟知していればそれに越したことはないが、「ゴルゴ13」を読んで理解できるほどの最低限の知識と類推力さえあれば、充分に物語は読み込める。 これは映画の原作か? と勘違いするほどにダイナミックな描写は適度にリアルで、終盤のアクションシーンも決して陳腐に陥らずに最後まで引っ張る。 何より訳文も非常にスムーズ。 惜しむらくは、うーんやっぱりか、と感じざるを得ない、ハッピーエンド寄りのシンプルな終わらせ方であろうか。 このへんも映画っぽいといってしまえばそうなのだが、おそらく大多数の日本人は、最終的には直接の殺人行為者たる主人公が最大の責めを負い破滅に向かう…、といった類の結末の方がシックリきたのではないだろうか。 悔い改めれば慈悲の心で赦される、根底を流れるそんな価値観に、文化の違いを見た気がする。 テロリスト版「クリスマス・キャロル」?
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私、アイルランドが好きです。行きつけの立ち飲み「Bon Voyage(ボンボヤージュ)」では、まずGUINNESS(ギネス)を飲み、その後JAMESON(ジェムソン)を飲むことがパターン化している。行きつけのパブ「HOSANNA(ホサンナ)」では同じくまずGUINNESS(ギネ...
私、アイルランドが好きです。行きつけの立ち飲み「Bon Voyage(ボンボヤージュ)」では、まずGUINNESS(ギネス)を飲み、その後JAMESON(ジェムソン)を飲むことがパターン化している。行きつけのパブ「HOSANNA(ホサンナ)」では同じくまずGUINNESS(ギネス)を飲み、その後BUSHMILLS(ブッシュミルズ)を飲むことが多い。音楽は「U2」「ヴァン・モリソン」「クランベリーズ」を好みます。ピート・ハミル著『天国の銃弾』(創元推理文庫)、石持浅海著『アイルランドの薔薇』(光文社文庫)、高村薫著『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)は私の心に残るハードボイルド小説です。この度、これらラインナップに『ベルファストの12人の亡霊』が加わったことは言うまでもありません。 酒に溺れるヒーローが好きです。藤原伊織の小説『テロリストのパラソル』に登場するアル中バーテンダー島村、ローレンス・ブロックの小説に登場するアル中探偵マット・スカダーは我が心のヒーローです。この度、ゲリー・フィーガンが我が心のヒーローに加わりました。 本書のテーマは「みんな報いを受ける」、フィーガンが殺した少年の母親の言葉です。因果応報ということでしょうか。
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予想よりも面白かった。 作者デビュー作とのこと、なかなかの巧者ですね。 途中だれる気配はあったものの、最後まで読ませる力あり。 ラストはいまいち、ではあるが 次回作を楽しみに待てる作家ではある。
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