ほこりまみれの兄弟 の商品レビュー
重厚な歴史小説の書き手というイメージの強いサトクリフですが、こちらは初期のころの作品で、人間愛に満ちたほのぼのとした作品です。どの作品にも共通しているのは、若い人の挫折、絶望の日々が、誠実に生きることで光に変わっていくこと。それはサトクリフ自身でもあります。サトクリフという人が大...
重厚な歴史小説の書き手というイメージの強いサトクリフですが、こちらは初期のころの作品で、人間愛に満ちたほのぼのとした作品です。どの作品にも共通しているのは、若い人の挫折、絶望の日々が、誠実に生きることで光に変わっていくこと。それはサトクリフ自身でもあります。サトクリフという人が大好きにまりました。
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サトクリフを読むぞ、という覚悟がいらないやさしいかんじです。 作者の若い頃の作品なのかな?でも十分楽しめました。ただ心情を細かく書きすぎるのは、まだ若いからかなぁ。
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この作品ってサトクリフだったの??? 「ケルトの白馬」で見せたキレの良さが感じられない。 訳者が違うせいか???
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8歳の時に孤児になった10歳の少年ヒューは、親戚であるジェイコブおじさんとアリスンおばさんの農場に住んでいたが、彼らはとても意地悪。ヒューを悲しませるために愛犬のアルゴスを叩いたり。ある日おばさんにアルゴスが殺されそうになり、アルゴスとツルニチニチソウの鉢だけを持って農場から逃げ...
8歳の時に孤児になった10歳の少年ヒューは、親戚であるジェイコブおじさんとアリスンおばさんの農場に住んでいたが、彼らはとても意地悪。ヒューを悲しませるために愛犬のアルゴスを叩いたり。ある日おばさんにアルゴスが殺されそうになり、アルゴスとツルニチニチソウの鉢だけを持って農場から逃げ出した。 オクスフォードへ行って新しい学問を勉強しようと目指すが、途中で旅芸人の一座と出会い、彼らと旅をすることに。 16世紀のイギリスでは、住む家を持たず旅をして暮らす人を「ほこりまみれの足」とよばれていたそうで、そこからヒューも、旅芸人仲間から「ほこりまみれ」と呼ばれ、芝居に出たりしていた。食事できたりできなかったりの貧乏な旅芸人一座ではあったが楽しく日々を過ごしていたが・・。 彼らに出会えたヒューは幸運。よかったね。旅の日々、芝居の話、途中出会う人々が語られる。
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イギリスの文化が生きている。 登場する人物たちが、国中を旅する旅芸人だからなのかもしれません。 物語の端々に、様々なイギリスの文化が登場し、主人公を始めとした人々が、それをとても大切にしていることが分かります。 これはいわゆる、今は失われし、「古き良き文化」ってやつなのかな? ...
イギリスの文化が生きている。 登場する人物たちが、国中を旅する旅芸人だからなのかもしれません。 物語の端々に、様々なイギリスの文化が登場し、主人公を始めとした人々が、それをとても大切にしていることが分かります。 これはいわゆる、今は失われし、「古き良き文化」ってやつなのかな? それとも、今でもイギリスの人々は、こうした文化を大事にしているのだろうか。 それはともかく、主人公のおじさん、おばさんは、典型的な、「悪い大人」ですね。 そしてとても滑稽です。 自己中心的なその考え方で、自ら大事なものを失っていく。 悲しい姿です。 その分、主人公や、その父親の、まっすぐなその姿が引き立つのかもしれません。
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孤児の少年ヒューは、意地悪なおばさんの家を逃げ出した。お供は、愛犬のアルゴスと、ツルニチニチソウの鉢植え。めざすは、学問の都オクスフォード。ところが、とちゅうで旅芸人の一座に出会い、すっかり魅せられたヒューは、彼らとともに旅することに。やがて―ヒューに、つらい決断をせまる時がやっ...
孤児の少年ヒューは、意地悪なおばさんの家を逃げ出した。お供は、愛犬のアルゴスと、ツルニチニチソウの鉢植え。めざすは、学問の都オクスフォード。ところが、とちゅうで旅芸人の一座に出会い、すっかり魅せられたヒューは、彼らとともに旅することに。やがて―ヒューに、つらい決断をせまる時がやってくる…。
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両親を早く亡くし、意地悪なおばさんの元で暮らす少年。彼は父さんから聞いた話から学問の道に憧れるが、休む間もなく仕事をさせられ、学校などは遠い夢。唯一慰めてくれるのは幼い頃から一緒の犬のアルゴスとニチニチソウの花。人との出会い、旅のなかで本当に大切なものは何か?問いかける。草の名前...
両親を早く亡くし、意地悪なおばさんの元で暮らす少年。彼は父さんから聞いた話から学問の道に憧れるが、休む間もなく仕事をさせられ、学校などは遠い夢。唯一慰めてくれるのは幼い頃から一緒の犬のアルゴスとニチニチソウの花。人との出会い、旅のなかで本当に大切なものは何か?問いかける。草の名前が沢山出てくる情景描写もいい。
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評論社が拾い上げて出しているサトクリフは、岩波で出ている作品に比べると小品が多いが、やはり翻訳されれば嬉しいもの。エリザベス時代のイギリスを舞台に、孤児の少年ヒューが辿る運命のお話。ちなみにイルカの指輪は出てきません。 父の遺志を継いでオックスフォードで新しい学問を学ぼうと志すヒ...
評論社が拾い上げて出しているサトクリフは、岩波で出ている作品に比べると小品が多いが、やはり翻訳されれば嬉しいもの。エリザベス時代のイギリスを舞台に、孤児の少年ヒューが辿る運命のお話。ちなみにイルカの指輪は出てきません。 父の遺志を継いでオックスフォードで新しい学問を学ぼうと志すヒュー(と犬のアルゴスとツルニチニチソウの鉢植え)は、途中で出会った旅芸人の一座に「ほこりまみれの足の兄弟」と呼ばれて仲間に加えてもらう。(dusty-feet、ほこりまみれの足とは旅かせぎの人達全部を指す、と作中で説明があるが、最初にそう呼ばれてからヒューの通り名になっている) 途中にイギリスの民間伝承や素朴な信仰などを取り入れつつ少年の成長を描いているところがとってもサトクリフ。傑作とは言わないけど良作だった。 作中に登場するベドラムのトムと呼ばれる存在が気になって調べたら、実在した病院名から一般名詞として使われるようになった言葉らしかった。
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ほかのサトクリフの作品にくらべると、 ちょっと、ものたりなかった。 展開が、ステレオタイプで、 さらっとすぎていってしまうような・・・ ひとりひとりの負った宿命や背景を、 もっとかんじたかったな。 「自由で楽しい旅暮らしの物語の奥に、 生きることの意味を考える、深い主題が...
ほかのサトクリフの作品にくらべると、 ちょっと、ものたりなかった。 展開が、ステレオタイプで、 さらっとすぎていってしまうような・・・ ひとりひとりの負った宿命や背景を、 もっとかんじたかったな。 「自由で楽しい旅暮らしの物語の奥に、 生きることの意味を考える、深い主題がかくされた秀作」 と、あったけれど、うーん。
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イギリスの歴史ファンタジーの大御所、サトクリフの作品。 興がのるまではとっつきにくいのですが、途中からはどんどん話にひきこまれていきました。 さすが大御所。 でもね、これ、児童書扱いでの出版なんですが、、、子どもたちが実際に手にとって読んでくれるかな? サトクリフの思いが伝わるか...
イギリスの歴史ファンタジーの大御所、サトクリフの作品。 興がのるまではとっつきにくいのですが、途中からはどんどん話にひきこまれていきました。 さすが大御所。 でもね、これ、児童書扱いでの出版なんですが、、、子どもたちが実際に手にとって読んでくれるかな? サトクリフの思いが伝わるかな?というのは難しいところです。
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