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だから、ひとりだけって言ったのに の商品レビュー

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2021/10/15

ここにある短編の中で、一つでも「あーこれすっごくよく分かる!」と共感出来る人がいたら、私は素直に驚嘆してしまうと思う。『悲しみよこんにちわ』の凝縮版が並んでいる感じだ。怖い。

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2019/10/06

早川書房でこういう本が出たのが意外。河出書房新社や白水エクス・リブリス新潮社クレストブックスっぽい。 原題の表題作「昆虫」、ハッピーエンドに見えるが、どうかな、夫は一時的に妻を騙して、娘と関係を持つつもりでは?娘も共犯で。毒々しい話ばかりなので、よさげな結末も素直に受け止められな...

早川書房でこういう本が出たのが意外。河出書房新社や白水エクス・リブリス新潮社クレストブックスっぽい。 原題の表題作「昆虫」、ハッピーエンドに見えるが、どうかな、夫は一時的に妻を騙して、娘と関係を持つつもりでは?娘も共犯で。毒々しい話ばかりなので、よさげな結末も素直に受け止められない。 娘を支配したがる母親ってどこの国にもいるものなんだ。

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2012/07/04

嫌ったり憎んだり、愛が届かなかったり、何かを愛と勘違いしてたり。母と娘のさまざまなかたちを切りとる、フランスの女性作家による19の短篇集。 日本の母娘関係については、信田さよ子さんなどが病的な依存関係をよく論じているが、ああいうべったりドロドロな感じは不思議としない。こちらの本に...

嫌ったり憎んだり、愛が届かなかったり、何かを愛と勘違いしてたり。母と娘のさまざまなかたちを切りとる、フランスの女性作家による19の短篇集。 日本の母娘関係については、信田さよ子さんなどが病的な依存関係をよく論じているが、ああいうべったりドロドロな感じは不思議としない。こちらの本に登場するフランスの母娘たちも、かなりの度合いで病的に依存しあったり憎みあってたりするのだけど、文体や、印象的なシーンの切りとり方ゆえか、読んでるこちらが絡めとられるような文章ではない。むしろ唖然として笑っちゃうくらいにスーパードライな毒気が魅力だ。 そうした中で、不思議と印象に残ったのが「手紙の時間」。親元から離れて他の子どもたちと集団生活をしている娘の心をかき乱す、母親の手紙。どういうシチュエーションなのか、過去の出来事なのか現在の関係はどうなのか、まったくわからないけれど、母親と娘の宿命的な繋がり方と、なお繋がれない永遠の孤独とを感じさせる。死にゆく母親への複雑な愛が表明される「アノラックとファーブーツ」、「10年で10回の手術」も忘れ難い。 思えば母と娘とは、女ジェンダーを共有するがゆえに、もっとも愛おしく、もっとも憎らしく、もっともわかりあえそうでいて、わかりあえず、別離を宿命づけられている関係なのだ。からっと乾いているようで、なにか湿った感触があとに残るような感じ。

Posted byブクログ

2010/11/18

意味深なタイトル。母と娘をテーマとしたフランスらしい短編集。2種類の読者がいるだろう、これを面白いと思えるひとと、思えないひとと。

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