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私がある資格を取得したころから、「資格を取っただけでは食べていけない」と言われ続けています。その一方で、活躍している士業の方々は、資格取得で得た知識をベースにコンサルティングまで手掛けるなど、従来の枠にとらわれない仕事をされているようです。 この本は税理士事務所を経営されてい...
私がある資格を取得したころから、「資格を取っただけでは食べていけない」と言われ続けています。その一方で、活躍している士業の方々は、資格取得で得た知識をベースにコンサルティングまで手掛けるなど、従来の枠にとらわれない仕事をされているようです。 この本は税理士事務所を経営されている山崎氏が、中小企業や自営業の人達に対してアドバイスをしてきた実例を基に書かれています。山崎氏が従来の税理士事務所の仕事から、どのような視点で顧客を獲得し、満足させたかについてのヒントが満載されていると思いました。 金融機関からの貸出審査基準が紹介されていましたが、これは個人にも適用できると思いました、つまり、1)債務超過でない=資産と負債を計算してプラスであること、2)黒字=働いていて収入があること、3)借入金がCFのおおむね15~20年以内=借金総額がCF(可処分所得)の20年以内、というように読み替えるということです。 以下は気になったポイントです。 ・利益が足りずに赤字になりそうな場合には、1)売上げを上げる、2)原価率(変動費率)を下げる、3)固定費を圧縮する、の3つを組み合わせて対処するしかない(p36、164) ・実績値と予測値をいれた事業計画書は、一枚で俯瞰できる書式であることがポイント(p37) ・資本金1000万円未満で設立した新設法人は、2年間にわたり消費税免税事業者扱いとなる(p55) ・金融機関が融資の申し込みに対して「ノー」というのは、「レッドカード」ではなく「イエローカード」である、改善点と解決策を明確にして融資を申し込んでいるかが重要(p97) ・中小企業金融円滑化法によってリスケは受け付けてもらえるようになったが、安易なリスケは危険である、その理由は、1)新規融資の道が閉ざされる、2)支払の先延ばしに過ぎないから(p108) ・取引先から見れば、発注先は個人でも法人でも問題とされないかもしれないが、金融機関はそのように考えない、会社への融資が個人へ流れると疑われる(p118) ・必要資金を集めた金額について、金融機関は、定量的な面(基準を満たしているか)と、定性的な面(どのように貯めたか)を審査する(p120) ・起業成功の秘訣は、会社を設立するときから会計事務所へ相談すること(p136) ・600円のラーメンをつくるのに、どうしても必要な原価が240円(40%)の場合、付加価値(限界利益)率は60%、どんなに頑張っても売上高の60%が利益の限界となる(p156) ・固定費が年間:1.5億円の場合、この固定費は、1.5億円÷60%=2.5億円の売り上げがないと賄えない、収支トントンである(p156) ・金融機関からの貸出審査基準として、1)債務超過でない、2)黒字、3)借入金がCFのおおむね15~20年以内(p187) 2011/5/1作成
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