アッシジの聖フランチェスコ の商品レビュー
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中世史家ジャック・ルゴフによる、アッシジの聖フランチェスコに関する論文集。 四つの論文が収められている。 1.封建世界の変革と重圧に挟まれたアッシジのフランチェスコ(1981) 2.真実の聖フランチェスコを求めて(1967/1998) 3.アッシジの聖フランチェスコと十三世紀のフランチェスコ伝記作者たちにおける社会的カテゴリーの語彙(1973) 4.フランシスコ会運動と十三世紀の文化モデル(1981) 年表 / フランチェスコの主要著作および伝記一覧 / 参考文献 (日本語文献を含む) / 原注 / 訳者あとがき 十三世紀という時代にあって聖フランチェスコをどのように位置づけるかというのがテーマ。フランチェスコとフランチェスコ会が当初の信念を貫こうと模索しつつ異端へとは至らず、ローマ・カトリック教会内にとどまったことが指摘されている。 著者については既に多くの翻訳があり紹介がされてきているとの理由で、訳者あとがきでは触れられていない。原注は詳しいが、訳注はなく、読者は中世史と当時のカトリック教会についてある程度の基礎知識を持っていることが前提となっているようである。論文(専門書)を正確に翻訳する意図からか逐語的な訳で読みづらく、内容は興味深かったが読み進めるのに難儀した。 聖フランチェスコがなぜ「神の道化師」と呼ばれるようになったかを知りたいと思い、この本を読んでみたが、この点については触れられていなかった。 あとがきに「簡潔だが脈所を心得た、魅惑的な伝記」と紹介されていたキアーラ・フルゴーニの伝記『アッシジのフランチェスコ ひとりの人間の障害』を次に読んでみようと思う。
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ジャック・ルゴフ『アッシジの聖フランチェスコ』岩波書店、読了。本書はアナール学派のヨーロッパ中世史の大家の手による最新のフランチェスコ伝。「小鳥への説教」の挿話をはじめ、フランチェスコ「像」はすでに出来上がっている。著者は、史料を精査し、その聖人像に肉薄しようと本書で試みる。 フランチェスコの生きた中世後期の社会は激動の時代。域内経済の活発化は都市の勃興を促す。著者はフランチェスコの一般市民との交流に注目する(フランチェスコ自身も商家の出)。その清貧と平和の思想生成のドラマを読み解いていく。 筆者は歴史解釈の問題の限界について自覚的に記述しつつ、史料を読む点に好感。その中で、冨や権力を嫌い、弱き者を愛し平等な社会を希求したその思想を浮かび上がらせるから驚き。オススメの1冊。http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0220600/top.html
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ジュリアン・グリーン著の方を読みたかったんだけど、図書館で取り寄せをお願いしたらこちらが届いた。せっかくなので読んでみる 追記:人物名が頭に入ってこず挫折
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