路地の匂い 町の音 の商品レビュー
この時に出会ってこの時だから聞けた話が収集された森さんのエッセイ。「抱きしめる、東京」も谷根千の魅力、東京の魅力を伝えるいい話が満載だった。その残り部分がこの「路地の匂い町の音」なんだそうだが、まとまり感はないもののそれぞれが生き生きとした活写に富んだ話が連なっている。やはり19...
この時に出会ってこの時だから聞けた話が収集された森さんのエッセイ。「抱きしめる、東京」も谷根千の魅力、東京の魅力を伝えるいい話が満載だった。その残り部分がこの「路地の匂い町の音」なんだそうだが、まとまり感はないもののそれぞれが生き生きとした活写に富んだ話が連なっている。やはり1989年、1995年、2001年そして2011年と大きな節目の転換期だったんだと実感できる。2020年が世界が暗転する転機にならなければよいがとの思いが強まっていく。
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生まれたのは東京都荒川区。でも、生後1年も経たずに現在の実家が ある場所に越して来たので、ほとんど埼玉育ちである。 だから、「東京へ行く」と言えば上野か浅草。このふたつの町は子供の 頃から親しんでいるし、その周辺を散歩するのは今でも好きだ。 なので、下町を描いたエッセイは大好...
生まれたのは東京都荒川区。でも、生後1年も経たずに現在の実家が ある場所に越して来たので、ほとんど埼玉育ちである。 だから、「東京へ行く」と言えば上野か浅草。このふたつの町は子供の 頃から親しんでいるし、その周辺を散歩するのは今でも好きだ。 なので、下町を描いたエッセイは大好き。タウン誌「谷根千」の編集人と して下町ブームの火付け役ともなった著者の作品も何作か読んで来た。 勿論(?)未だに積みっぱなしの作品もある。 本書も東京の町を題材にしたエッセイということで手にした。だが、何か が違う。短いエッセイを集めて1冊にしたものだから、統一感がないのは 仕方ないのかもしれない。 読んでいて違和感ばかりが増したのは、下町の良さを強調するあまり に、ほかのことを引き合いに出しているからなのかもしれない。 東京の老舗の親しみ易さを説明するのに、京都の老舗を持ち出すのは いかがなものか。 なかでも一番引っかかったのは、下町商店街とデパートの比較だ。 こんなかけ離れた場所を比較して「下町商店街はサイコー」と言わ れてもなぁ。 商店街は日常の買い物をするところ。デパートは特別な日の買い物を するところと思っているので、「こりゃやっちゃいけないだろう」と思って しまった。 市民運動にも関わっているせいか、行間からほんのりと政治の匂い がするのも好きになれなかったな。この人のエッセイは、もう読まなくて もいいのかもしれない。 あ…積んである本はどうしよう。汗。
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