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物語のレッスン 読むための準備体操 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2012/11/07

ストーリーとディスコース 語りの方法 作中人物とことば テクストの内外 複数のストーリー、叙述と描写、語り手、語りの場と物語世界、視点の移動、会話、区切り記号、引用、コード、コンテクスト、作者、インターテクスト、読むこと

Posted byブクログ

2012/01/08

小説をより深く読むために必要な知識を、平易な語り口で、具体的な小説作品とともに紹介してくれる本。副題のとおり、まさに「読むための準備体操」に好適の一冊。 小説を読むための理論については多くの類書があり、僕の好きなものとしては、ディヴィッド・ロッジ『小説の技巧』、廣野由美子『批評...

小説をより深く読むために必要な知識を、平易な語り口で、具体的な小説作品とともに紹介してくれる本。副題のとおり、まさに「読むための準備体操」に好適の一冊。 小説を読むための理論については多くの類書があり、僕の好きなものとしては、ディヴィッド・ロッジ『小説の技巧』、廣野由美子『批評理論入門』などがあった。ただ、それらの本は西洋の文学理論をほぼそのまま紹介するものだったと思う。 それに対して、この本では、源氏物語研究を専門とする著者が、あくまで日本語で書かれた小説をターゲットに意識して書いているのが最大の特徴だ。特に語りの問題を扱う場合には、英語の文章に対する日本語の文章の特徴が際立っており、ここだけでも読む価値がある。 収録されている作品は、夏目漱石や芥川などの近代文学の名作だけでなく、「源氏物語」をはじめとする日本語の古典作品も多い。おそらく中高の国語教師や中高生も意識して有名な(教科書的な)作品を多く収録したのだと思う。 ただ、筆者が後書きで書いているように「最初の足がかり」としてはとても良くできた本だけに、参考文献一覧を省いているのが残念な限り。「それらの理論書(物語理論の理論書)へと読み進んでいただけたら」とまで書いているのに、肝心の「それらの理論書」を紹介しないなんて、ありえないよ!この点でマイナス1。 という大きな欠陥はあるものの、現時点では古書でしか手に入らないのが残念な良書。国語教員は一読するべき本だし、文学に興味のある生徒にもオススメ。

Posted byブクログ