句集 毛の国の の商品レビュー
栗の花少年飛込台蹴つて 黒揚羽熊野の闇を剥がれ飛ぶ 暮れてなほ冬雲陸のごとくあり 草の絮真昼の月と気づくまで 綿虫を胸の高さに見失ふ 対岸の野火音もなく立ち上がる 若鮎は月の光に遡る 一斉に鳩は光へ七五三 耳朶厚き仏彫りけり朴の花 口紅の折れてしまひし近松忌 ...
栗の花少年飛込台蹴つて 黒揚羽熊野の闇を剥がれ飛ぶ 暮れてなほ冬雲陸のごとくあり 草の絮真昼の月と気づくまで 綿虫を胸の高さに見失ふ 対岸の野火音もなく立ち上がる 若鮎は月の光に遡る 一斉に鳩は光へ七五三 耳朶厚き仏彫りけり朴の花 口紅の折れてしまひし近松忌 畳拭き上げ夕立の音軽し 耳朶につけたし寒の三日月は 草虱剥ぐふりをして触れてみる 改札にずつと手を振る夏帽子 火の神となれる校長キャンプの夜
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