乱紋 新装版(上) の商品レビュー
上下巻合わせて。 面白かったけど、永井路子の他の小説に比べるといまいちな感じがした。 浅井三姉妹の末のお江が主人公なのだが、結局主人公の性格というか何をどうしたいかというのがよくわからなかった。その文だけ狂言回しの侍女や「ちくぜん」が饒舌になりすぎている。 思うに、永井路子さんは...
上下巻合わせて。 面白かったけど、永井路子の他の小説に比べるといまいちな感じがした。 浅井三姉妹の末のお江が主人公なのだが、結局主人公の性格というか何をどうしたいかというのがよくわからなかった。その文だけ狂言回しの侍女や「ちくぜん」が饒舌になりすぎている。 思うに、永井路子さんは戦国時代に向いていないのではないかと思う。
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大きな文字の新装版、っていってるだけあって、読みやすくていい。浅井3姉妹の末妹を書いたお話で、姉妹仲がすごく悪いのがちょっと珍しい気がする。
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今年の大河ドラマは「江」。最近の時代劇のセリフの乱れには耳を塞ぎたくなるが、「江」もご同様である。もっとも、本格的な時代劇のセリフでは観ている側がついていけないのだろう。それにしても、この「江」を観ていて違和感を覚えるのはセリフのせいばかりではない。かつて30数年前に読んだ本書の...
今年の大河ドラマは「江」。最近の時代劇のセリフの乱れには耳を塞ぎたくなるが、「江」もご同様である。もっとも、本格的な時代劇のセリフでは観ている側がついていけないのだろう。それにしても、この「江」を観ていて違和感を覚えるのはセリフのせいばかりではない。かつて30数年前に読んだ本書の主人公『江』との違いだ。 永井路子は歴史上の人物(特に女性)を新しい視点で描き、高い評価を得てきた。今までの常識をくつがえすような発想も多かった。私はそこが気に入って彼女の作品をよく読んでいたものだ。 「乱紋」は戦国時代最高の美女と言われたお市の方の三人の娘、お茶々、お初、お江のうち、三女のお江を侍女であるおちかの目を通して描いた物語である。長女のお茶々、後の淀殿は豊臣秀吉の側室となり、その子秀頼と共に大阪城落城の際に命を落とした日本史上でも有名な女性。三姉妹のうち一番美しかったという二女のお初も京極高次に嫁いだ後は、大阪方と徳川方の調停役として歴史にその姿を現している。 浅井長政とお市の娘として生まれ、信長の姪であり、徳川に嫁いで将軍を産み、三姉妹のうちで唯一子孫を残したお江は歴史の勝利者であるはずなのに、本書が書かれた頃はその存在はほとんど知られていなかった。わずかに伝わっていたのは、嫉妬深く夫の秀忠を尻に敷いていたとか、家光より弟の忠長を偏愛したという不名誉な話ばかりである。 永井路子はお江をそのようにヒステリックでエキセントリックな女だと思わなかった。どのような運命にも逆らわず、受け入れ、大きくなっていく底の知れない女として描いた。長姉のお茶々とは見事に対照的な女として。その寄せては返す波にも似たしたたかさは、いかにも戦国の世に生き残った女にふさわしく、私はこの『お江』が気に入っている。
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織田信長の妹で天下の美女と謳われたお市。そのお市の三姉妹、お茶々は秀吉の側室となり、お初は名家の京極家へ嫁ぎ、おごうは徳川秀忠の正室となった。戦国の世に翻弄されながらそれぞれの個性で生き抜いた三姉妹の中でも、美しく賢い姉二人に比べ、愚鈍と言われたおごうが奇しくも最後に天下人の妻と...
織田信長の妹で天下の美女と謳われたお市。そのお市の三姉妹、お茶々は秀吉の側室となり、お初は名家の京極家へ嫁ぎ、おごうは徳川秀忠の正室となった。戦国の世に翻弄されながらそれぞれの個性で生き抜いた三姉妹の中でも、美しく賢い姉二人に比べ、愚鈍と言われたおごうが奇しくも最後に天下人の妻となれたのはなぜか…。 常に微笑を浮かべ佇むだけで、自分では何も選びとってはいないおごうなのに、運命がおごうを上へ上へと押し上げていく。そんなおごうをいつも間近でじれったく見つめる侍女のおちかが、時たま女主人の態度にはっとさせられる、そんなシーンが印象的だ。 お茶々を主人公とした井上靖の「淀どの日記」と読み比べるのも面白い。
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織田信長の妹・お市と近江の雄・浅井長政の間には三姉妹がいた。 長女・お茶々は、秀吉の側室として権力をふるった後の淀君。次女・お初は京極高次の妻となり、大坂の陣で微妙な役割を演じる。 そして、最も地味でぼんやりしていた三女・おごう。 彼女には、実に波乱に満ちた運命が待っていた....
織田信長の妹・お市と近江の雄・浅井長政の間には三姉妹がいた。 長女・お茶々は、秀吉の側室として権力をふるった後の淀君。次女・お初は京極高次の妻となり、大坂の陣で微妙な役割を演じる。 そして、最も地味でぼんやりしていた三女・おごう。 彼女には、実に波乱に満ちた運命が待っていた...
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昼行灯とナンバー2を描いたら著者の右に出る者はいないと思う。こちらが実像に近いように感じます。大河は月9だと思って観ればそれなりに面白い。
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上下巻とも読了。10年ぶりの再読。浅井姉妹やその他、同時代の人々に対する私の中のイメージの原型を作った作品でした。 久しぶりに読んで、やっぱり面白いなと思いました。この人は女のどろどろした内面を非常にリアルに描くので、しんどいところはありましたが。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
<上巻>2011.10.19~27 読了 <下巻>2011.10.27~11.3 読了 これは・・・ ほとんど全編が侍女おちか視点の観察に終始するストーリー。三姉妹の仲も他の登場人物も悪意に満ちた人ばかりだという描写でロマンはないが史実には近いのかも。おごうの無表情ぶりも極まっており人格も性格もほとんど表現されず、まわりの人へどんな感情を持っていたのか不得要領のままで終わってしまう。時折はさまれる歴史通念への反論だけが読みどころか。
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織田信長の妹・お市と近江の雄・浅井長政の間には三姉妹がいた。長女・お茶々は、秀吉の側室として権力をふるった後の淀君。次女・お初は京極高次の妻となり、大坂の陣で微妙な役割を演じる。そして、最も地味でぼんやりしていた三女・おごう。彼女には、実に波乱に満ちた運命が待っていた—。おごうの...
織田信長の妹・お市と近江の雄・浅井長政の間には三姉妹がいた。長女・お茶々は、秀吉の側室として権力をふるった後の淀君。次女・お初は京極高次の妻となり、大坂の陣で微妙な役割を演じる。そして、最も地味でぼんやりしていた三女・おごう。彼女には、実に波乱に満ちた運命が待っていた—。おごうの生涯を描く長篇歴史小説。
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女のじめっとしたところがすごく書かれている。大河ドラマとは全然違うが人間ってこうかもなと思わされる。とくに女きょうだいはこうなるんじゃない。おもしろかった。
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