モーツァルトはおことわり の商品レビュー
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図書館で姪っ子を待つ間に読んだ作品。 タイトルが印象的だったのと、書き出しに興味をそそられて読み始めた。 内容はナチスのユダヤ人迫害の話をユダヤ人の視点で書いたもの。 生き残ることができた人たちの心の葛藤を主人公が両親の話としてインタビュアーに語る形式。 これは子供が読むための本なのかな。日本の子供にはちょっと理解しにくいかもしれない。
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そこには音楽があったんだ。 すばらしい演奏が終わるとさっさとステージを下りてしまう演奏家がいた。 拍手を受けるのは、音楽そのもので演奏家ではないと言っているかのように…。 ナチスの強制収容所が、囚人の中から音楽のできる者を選んでオーケストラで演奏をさせたという事実。 ...
そこには音楽があったんだ。 すばらしい演奏が終わるとさっさとステージを下りてしまう演奏家がいた。 拍手を受けるのは、音楽そのもので演奏家ではないと言っているかのように…。 ナチスの強制収容所が、囚人の中から音楽のできる者を選んでオーケストラで演奏をさせたという事実。 演奏する者にとっては、それが生きのびる唯一の道だったという事実。 その演奏は、収容所に到着したばかり者たちの気持ちを落ち着かせるために行われ、オーケストラの前を並んで歩かされた者たちのほとんどはガス室に送られたという事実。 そんな つらくて苦しい状況で演奏させられた音楽家たちは、どんな気持ちでいたのだろうか。 『モーツァルトはおことわり』 原題“The Mozart Question” マイケル・モーパーゴ(作) マイケル・フォアマン(絵) さくまゆみこ(訳) 岩崎書店 2010.7.
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ナチス絡みの話だということは知っていたので、もっと暗い重い話だと思っていたが、そこまでツライ物語ではなかった。レヴィは父親が亡くなってようやくモーツァルトを弾けるようになったわけだけれど、どんな想いを込めてヴァイオリンを弾いたのかな。曲目は何だったんだろう。 「秘密は嘘と同じ」という言葉がなんだか胸に響いた。
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高学年むけ。世界的に有名なバイオリニストのインタビューで、今まで彼が語らなかったモーツァルトを弾かない理由についての告白。内容はホロコーストです。
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音楽はどうしたって癒えそうにない悲しみや苦しみから、再生する助けになってくれる、かも。 プリーモ・レヴィ 速記 『サラの鍵』
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軽いクラシックの可愛らしいお話かと思って読んだのだけれど、 全然そんなことないお話だった。 って、どこまで、このお話の核心についた書き方をしていいのか、 全く分からない。 『サラの鍵』を思い出したお話だった。 おりしも、ちょうど、そのようなテレビ番組をやっていたようで、 本当に...
軽いクラシックの可愛らしいお話かと思って読んだのだけれど、 全然そんなことないお話だった。 って、どこまで、このお話の核心についた書き方をしていいのか、 全く分からない。 『サラの鍵』を思い出したお話だった。 おりしも、ちょうど、そのようなテレビ番組をやっていたようで、 本当に思えば思うほど、苦しい。 こういうことがあったということを忘れずに、 そして、常に関心を持つ事が、、重要なのかなぁ。。。 【5/25読了・初読・市立図書館】
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世界的に有名なバイオリニスト、パオロ・レヴィはモーツアルトの演奏はしない、話しもしない。 それは何故か。 かつてナチスの強制収容所に集められ、強制的にモーツアルトの演奏をさせられていた両親と恩師たちの過去が、静かに語られた。その傷はそれぞれに深く刻まれていたのだ。
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音楽とは、人間であり、記憶であり、心そのものだ、 そんなことを再確認させてくれる物語。 <あらすじ> ある若いジャーナリストが、上司の代わりに急遽著名なヴァイオリニストにインタビューをすることになった。ただし、上司によると「モーツァルトの件は決して聞いてはいけない」モーツァルトの件とは?ヴァイオリニストの人生に光と影を投げ掛けた、彼の両親から、師匠から受け継いだ記憶とは?じっくり腰を据えて読むべき本、それでいて爽やかな読後感すら感じる、蒼い街ヴェニスを舞台とした名作。
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挿絵がカラーできれい。まるで絵本のよう。 ヴェニスに住む世界的に有名なヴァイオリニスト、 パオロ・レヴィにインタビューできるという 幸運を手にした新米の記者が上司に言われたこと。 「モーツァルトの件についてだけは質問 してはいけない」 しかし、うっかりそのことに触れてしまった記者...
挿絵がカラーできれい。まるで絵本のよう。 ヴェニスに住む世界的に有名なヴァイオリニスト、 パオロ・レヴィにインタビューできるという 幸運を手にした新米の記者が上司に言われたこと。 「モーツァルトの件についてだけは質問 してはいけない」 しかし、うっかりそのことに触れてしまった記者に 対し、彼は思いがけない物語を語りだす。 音楽を利用してナチスの収容所で繰り返された 悲しい残酷なこと。それでも音楽は人の心を 救っていた。短い話だが、静かな悲しみと明るい 余韻を残してくれる。
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きれいな表紙に惹かれて手に取り裏を見たら全く違う雰囲気の絵で、どんな話かは大体想像がつきました。 これからも伝えていき、知ろうとしなければいけない事なんだなと思います。 『私が作家になったきっかけは、こんなことがあったからです。それは・・・。 私が新米の記者だった頃、怪我をし...
きれいな表紙に惹かれて手に取り裏を見たら全く違う雰囲気の絵で、どんな話かは大体想像がつきました。 これからも伝えていき、知ろうとしなければいけない事なんだなと思います。 『私が作家になったきっかけは、こんなことがあったからです。それは・・・。 私が新米の記者だった頃、怪我をした上司の替わりに、有名なバイオリニストのパオロ・レヴィへのインタビューを任されました。上司の言いつけは「絶対にモーツァルトについて聞かないこと」。理由は誰も知らないけれど、うっかり聞くとインタビューは中止になるから。 でも私は緊張のあまりインタビューの最初に「モーツァルトについて聞かないように言われているのでお聞きしません」と言ってしまいました。 レヴィ氏は私を追い出さず「ひとつの物語をしてあげよう」と子供の頃の思い出を話してくれたのです。』 これは絵本ですが文章が多いので、挿絵が多い短編小説といった趣でした。 そして作者の思い出話から入り、パオロ・レヴィの子供の頃の思い出、それはパオロの両親とバイオリンの先生の悲しい体験に繋がるという、絵本としては複雑な構成になっています。 この本の文章がすらすら読める子供以上でないと理解は出来ないと思います。 音楽には何の罪もなくてもあまりに辛い記憶に繋がっていると、それを封印しないでは人は生きていけません。この話には特定のモデルになっている人はいないようですが、パオロの両親のような人はきっとたくさんいたのでしょう。 ナチスはモーツァルトをそのような形で使っていたのですね。 レヴィ氏がインタビューの最後に「私」に言ってくれた演奏会。きっとその時皆の魂が開放されただろうと思いたいです。
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