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市川崑のタイポグラフィ の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2021/12/19

70年代邦画界に一大ブームを巻き起こした角川映画。 その最初の作品「犬神家の一族」を見た人たちは映画の冒頭の出演者やスタッフを紹介するクレジットを見て、衝撃をうけた。画面一杯に大きな明朝体の文字で書かれる出演者の名前。しかも、主人公金田一耕助を演じる石坂浩二は、姓は縦書き、名は横...

70年代邦画界に一大ブームを巻き起こした角川映画。 その最初の作品「犬神家の一族」を見た人たちは映画の冒頭の出演者やスタッフを紹介するクレジットを見て、衝撃をうけた。画面一杯に大きな明朝体の文字で書かれる出演者の名前。しかも、主人公金田一耕助を演じる石坂浩二は、姓は縦書き、名は横書きだった。まるでクロスワードパズルの様な配置。 この印象的なクレジットはその後の「悪魔の手毬唄」、「獄門島」でも踏襲され、市川崑監督の角川映画のトレードマークの様になり、後には人気ミステリードラマ「古畑任三郎」シリーズのオープニングクレジットも、明らかにこの手法のオマージュとなっている。 市川崑監督は監督をする人には珍しく、自作のタイトルだけでなく、予告編の文字なども全て自分でデザインしていたという。 では、この市川崑監督の金田一シリーズの文字、タイポグラフィはどの様にして生まれたのか?それは偶然なのか?必然なのか?市川崑監督の過去作だけでなく、タイポグラフィの歴史にまで踏み込んで分析する。

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2016/06/11

[図書館] 読了:2016/6/8 非常に面白かった。タイポグラフィの本というと、概略的、教科書的な本が多いように思うが、これは潔く「市川崑映画の明朝体の表現手法」のみにフォーカスを絞っているし、市川崑の映画が本当に好きな人が書いているのでぐいぐい読める。 写研の書体を最近見...

[図書館] 読了:2016/6/8 非常に面白かった。タイポグラフィの本というと、概略的、教科書的な本が多いように思うが、これは潔く「市川崑映画の明朝体の表現手法」のみにフォーカスを絞っているし、市川崑の映画が本当に好きな人が書いているのでぐいぐい読める。 写研の書体を最近見かけない理由(写研の書体は組版(専用写植機)と一体、とい理由によりDTP対応していないため)も恥ずかしながらこの本で初めて知った。 写研書体がいかに完成された美しさを持っていたか、「もじ部」の本で「写研出身」がステータスのようになっていた理由もわかった。

Posted byブクログ

2012/03/18

ヱヴァをはじめ後世に多大な影響を与えた、市川崑監督の「極太明朝体&L字型レイアウト」について、タイポグラフィの観点からおった著作。 活字の成り立ち、デジタル化(の際、写植は乗り遅れて伝統の活字体が一時不足した)などの周辺知識、市川崑の他作品にもふれていて、実にマニアックで楽しい。...

ヱヴァをはじめ後世に多大な影響を与えた、市川崑監督の「極太明朝体&L字型レイアウト」について、タイポグラフィの観点からおった著作。 活字の成り立ち、デジタル化(の際、写植は乗り遅れて伝統の活字体が一時不足した)などの周辺知識、市川崑の他作品にもふれていて、実にマニアックで楽しい。 そもそも「金田一耕助の冒険」の文庫版タイトルでL字型配置が使われていたことがあるとか(文庫本は小さい&帯をかける中で少しでもイラストのスペースを大きくするための工夫)、犬神家の一族とそれ以降の金田一シリーズでは採用されている活字体が違うとか、「三木のり平」のクレジットは漢字部分と「のり」で活字が違うとか(通常の文章では漢字が仮名より強調されるバランスになっているため、人名の場合は平仮名を強くしたと思われる)。 ちなみに個人的に市川崑作品の中で好きなオープニングは「黒い十人の女」「東京オリンピック」そして「金田一シリーズ」である。

Posted byブクログ

2011/08/03

「犬神家の一族」で始まった巨大な明朝体タイトルテロップの細部にわたる研究の成果。字体がどのように作られたかを学ぶこともできます。

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