闇彦 の商品レビュー
とっても久し振りの阿刀田作品。 神話に語られざる「闇彦」を読んで古事記を読み直したくなりました。 主人公と闇彦の繋がりは何となくわかったものの、婆やを始め他の登場人物は全て中途半端なまま。 やっぱり短編がいいです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
幼いころから「私」の眼前に見え隠れする不可思議な存在“闇彦”。 それはどこから来て、何を伝えようとしているのか。 むかし聞かされたお婆あの言葉、死んだ同級生の少女、海沿いのひなびた温泉宿、ギリシャの血をひく美貌の女優…。 人生の要所要所に現れる“闇彦”に導かれるように、「私」は神話と物語の源流に遡っていく。 (アマゾンより引用) この作家さん、ちょいちょい同じようなエピソードをぶっこんでくるの何?
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日本ペンクラブの会長でもある阿刀田高氏の小説『闇彦』を読了。主人公は双子で生まれたのだが生後すぐに弟が亡くなった事から幼少の頃から自分以外の存在がどこからか自分を見守っているような感覚をもって感じる『闇彦』の存在。幼少の頃から大人のいまにいたる『闇彦』を巡る彼の経験が自伝的に語ら...
日本ペンクラブの会長でもある阿刀田高氏の小説『闇彦』を読了。主人公は双子で生まれたのだが生後すぐに弟が亡くなった事から幼少の頃から自分以外の存在がどこからか自分を見守っているような感覚をもって感じる『闇彦』の存在。幼少の頃から大人のいまにいたる『闇彦』を巡る彼の経験が自伝的に語られるユニークな小説だ。ショートショートの名手の本だからもちろんショートショート的な小説かと思い買ったが、あにはからんやギリシア神話や日本書紀への深い造詣も伺える非常にしっかりとした骨組みの小説だった。この小説も読み返すたびに新たな魅力が感じられるだろう隠し味を沢山持っている気がする。
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なかなかよかった。 なんていうか他の作者よりもセンスってものを感じる。 この作者、ピアノ弾いたらいい感じの音出しそう。なんかそんな感じがした。
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1935年生まれ。結核で2年遅れで早稲田を卒業し、国会図書館に勤めた。 あの赤坂離宮に通っていたのか。 新潟生れとか。その辺の伝承。早世した双子の弟。 回顧みたいな、随筆みたいな、それでもちょっと深そうに見せて、手慣れたものだ。 最初からストーリーを書くことに困難はなかったら...
1935年生まれ。結核で2年遅れで早稲田を卒業し、国会図書館に勤めた。 あの赤坂離宮に通っていたのか。 新潟生れとか。その辺の伝承。早世した双子の弟。 回顧みたいな、随筆みたいな、それでもちょっと深そうに見せて、手慣れたものだ。 最初からストーリーを書くことに困難はなかったらしい。するすると書いたらしい。 そして推理作家協会賞、直木賞を受けて、紫綬褒章、旭日中授章授章。現在日本ペンクラブ会長。 こういう人もいるんだなと思う。
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生きること、悼むことを語ることに集約し 物語とはなにかを掘り下げた作品。 主人公が人生の要所要所で出会う闇彦。 日本神話で語られざる神を設け それを軸に物語とは何かと 問いかけてくる小説でした。 出会う女性たち 語られる神話 それぞれに印象深く あっという間に読めてしまった...
生きること、悼むことを語ることに集約し 物語とはなにかを掘り下げた作品。 主人公が人生の要所要所で出会う闇彦。 日本神話で語られざる神を設け それを軸に物語とは何かと 問いかけてくる小説でした。 出会う女性たち 語られる神話 それぞれに印象深く あっという間に読めてしまったのに 心に奇妙な引っ掛かりを残す 阿刀田先生作品の味でした。
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ギリシャ神話のゼウス、ポセイドン、ハデスと日本神話の海彦、山彦、そして一般にはほとんど語られない闇彦との共通点を軸に、筆者が小説を書く意義のようなことが語られている。一見とりとめのないエピソードと神話との間には何の繋がりもないように思え、どうオチをつけるのかと思っていたが、きれい...
ギリシャ神話のゼウス、ポセイドン、ハデスと日本神話の海彦、山彦、そして一般にはほとんど語られない闇彦との共通点を軸に、筆者が小説を書く意義のようなことが語られている。一見とりとめのないエピソードと神話との間には何の繋がりもないように思え、どうオチをつけるのかと思っていたが、きれいにまとめてある。闇彦とは何か?という不思議なものに対する興味もあって一気に読めた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
主人公弓彦の語りからすんなりと物語の中へ入っていけたのだが、途中から弓彦が1人で覚醒しちゃって、彼の隣に寄り添いながら歩んでいた自分が話の中で置いてけぼりを食らってしまった。 後半からのまさかの神話が絡む展開になり、思わず残りページ数を確認する。 唐突さはよいとしても急展開を纏めきる長さがあと少し足りずに、弓彦劇場の幕は閉じられた。 緞帳の下から「え、これで終わりですか?」とのぞきこみたくなる気分だ。
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頑張って纏めようとしているが,とりとめなくなっている~自分の中に闇彦を感じるのは,病弱で誕生間もなく死んでしまった吉彦という弟がいたせいかも知れないが,弟に付ききりで子守に雇われたねえやの祖母から話を聞かされて,その中に闇彦という単語が出てくるのを覚えているからだ。新潟の阿賀野川...
頑張って纏めようとしているが,とりとめなくなっている~自分の中に闇彦を感じるのは,病弱で誕生間もなく死んでしまった吉彦という弟がいたせいかも知れないが,弟に付ききりで子守に雇われたねえやの祖母から話を聞かされて,その中に闇彦という単語が出てくるのを覚えているからだ。新潟の阿賀野川近くの小学校でも地味なのに話をさせると実に巧く人を引きつける同級生がいた。突然死んでしまうのだが,葬儀は舟に乗せて岸から離れて火を付け火葬にするというものだった。身寄りがいるのかいないのか。高校では読書に拍車が掛かり,受験に失敗した後,結核となり1年半の療養で短編を読み漁り,入りやすい文学部の仏文科に入ってから文学とは何かに疑問を抱き始めたが,女子同級生から面白ければ良いのではないかと言われ,小説家になることを勧められ,バレンタインに貰ったカードにYamihikoというアルファベットを見て,驚く。彼女の書いたuの上の部分が接近していてaに見えただけの話だが,ギリシア神話のハデス,日本神話のツクヨミノミコト,山彦と海彦の件に登場するホオリこそが闇彦ではないか,闇の世界を統べる者は死者を思い起こさせ,人々の心に訴えるのだ~なんだか,自分の体験を書いているような・フィクションを紡ぎ出しているのか,小説家の身近な暮らしは作家でしかないので,体験であろうかという先入観を抱いてしまう。作家の苦悩的な作品を最近よく読むので,ちょっと飽きている。受賞作家でもペンクラブ会長でも悩みが深いのか,新しい物語を紡ぎ出す力が尽きているのだろうか。世の中に出て,他の人の生活を取材して話を作って欲しいなあ
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幼いころから「私」の眼前に見え隠れする不可思議な存在“闇彦”。それはどこから来て、何を伝えようとしているのか。むかし聞かされたお婆あの言葉、死んだ同級生の少女、海沿いのひなびた温泉宿、ギリシャの血をひく美貌の女優…。人生の要所要所に現れる“闇彦”に導かれるように、「私」は神話と物...
幼いころから「私」の眼前に見え隠れする不可思議な存在“闇彦”。それはどこから来て、何を伝えようとしているのか。むかし聞かされたお婆あの言葉、死んだ同級生の少女、海沿いのひなびた温泉宿、ギリシャの血をひく美貌の女優…。人生の要所要所に現れる“闇彦”に導かれるように、「私」は神話と物語の源流に遡っていく。短編の名手が初めて明かす物語の原点、創作の現場。特別書下ろし長編。
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