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役者六十年 の商品レビュー

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2011/06/08

小林桂樹さんにはテレビドラマの印象が強くて、今まで、映画俳優としてのイメージが沸いてなかった。 たまたまテレビで、「名もなく貧しく美しく」と「偽れる盛装」を観る機会があり、出演している若き日の小林さんを観て、印象が変わった。 この本は、中日新聞の記者が、小林さんの俳優としての軌跡...

小林桂樹さんにはテレビドラマの印象が強くて、今まで、映画俳優としてのイメージが沸いてなかった。 たまたまテレビで、「名もなく貧しく美しく」と「偽れる盛装」を観る機会があり、出演している若き日の小林さんを観て、印象が変わった。 この本は、中日新聞の記者が、小林さんの俳優としての軌跡を聞き書きするという内容。 小林さんは戦時中に兵隊役専門の俳優としてデビューするが、徴兵され、終戦と共に復員してから、再び映画界に戻る。戦後、映画からテレビや舞台へと場を移しながら、演技派の俳優として活躍していくさまが語られる。読み進むうち、小林さんのまじめで紳士的な印象に、骨太に次々と新たな表現に取り組んで行く力強さが加わっていく。 その人柄から、誰にも嫌われない役者であり続けた小林さん。同時期に活躍していたスター達に比べても息が長く、2010年に亡くなられる手前まで、ずっと現役でさまざまな映画、テレビドラマ、舞台に取り組んできたことを思うと、人の生き様とは死ぬときに現れるのだと実感する。 本の表紙の写真が、小林氏の当時の近影(80代)だろうと思うのだが、すこぶる魅力的である。わたしは女だが、歳はこんなふうに取っていきたいものだ。

Posted byブクログ

2010/10/10

実際に読んだのは随分前だけど、訃報に際して。 お悔やみ申し上げます。 *http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=63131&pg=20060123 に感想の記録あり。

Posted byブクログ