ヴィヨンの妻 の商品レビュー
太宰作品は人間失格しか読んだことがなかったので暗いイメージしかなかったんですがこのヴィヨンの妻に収録されている5編ともがなんだか明るく軽快な作品でイメージが変わりました。 特にグッド・バイの田島とキヌ子のやりとりというか駆け引きが可笑しくて未完なのが残念でなりません。是非とも続き...
太宰作品は人間失格しか読んだことがなかったので暗いイメージしかなかったんですがこのヴィヨンの妻に収録されている5編ともがなんだか明るく軽快な作品でイメージが変わりました。 特にグッド・バイの田島とキヌ子のやりとりというか駆け引きが可笑しくて未完なのが残念でなりません。是非とも続きが読んでみたかったです。 あと眉山は最後ちょっと切ない気持ちになりました。太宰はやっぱり奧が深いなぁって思いました。
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傷つきやすい心をごまかすように、金も無いのに飲んだくれる詩人の動静を、妻が奇妙な明るさで語る「ヴィヨンの妻」、戦後第1作として書かれた、風変わりな結核療養所で闘病生活を送る少年を描く「パンドラの匣」、13回分の連載で中絶した未完の絶筆「グッド・バイ」、戦後の虚無的な精神状態を“音...
傷つきやすい心をごまかすように、金も無いのに飲んだくれる詩人の動静を、妻が奇妙な明るさで語る「ヴィヨンの妻」、戦後第1作として書かれた、風変わりな結核療養所で闘病生活を送る少年を描く「パンドラの匣」、13回分の連載で中絶した未完の絶筆「グッド・バイ」、戦後の虚無的な精神状態を“音”で表現した「トカトントン」、飲み屋で出会った少女の哀しさを描く「眉山」の5篇を収録。最晩年の傑作集。
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ヴィヨンの妻 「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」というスタンスで生きる人は強くて幸せ者。私もさっちゃんを見習わなければと思う。けれどもあそこまでの甲斐性なしには出会わないようにする。 眉山 日常の中にも、こうゆう悲しい勘違いが気づかなくても起こ...
ヴィヨンの妻 「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」というスタンスで生きる人は強くて幸せ者。私もさっちゃんを見習わなければと思う。けれどもあそこまでの甲斐性なしには出会わないようにする。 眉山 日常の中にも、こうゆう悲しい勘違いが気づかなくても起こっているはず。眉山のように悲しい結末になることだってある。
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「眉山」が良かった。「ヴィヨンの妻」も良かった。 ユーモアにあふれた太宰が実にいい。私は分かった。 彼の云う「死」は私の思う「死」とは異質なのだ。太宰の 「死」は「退屈だな。なにか愉快なことないかな?そうだ 死んでみるか!どんな気分だろうな?どうであれ、今よりは良かろう」
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トカトントンがかなりお気に入り。 よく太宰の小説は思っていることを代弁してくれている、なんていうけれど、この話はそうだなと思った。 行動力と勇気、明らかに私に足りないものだな。
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パンドラの匣 トカトントン 眉山 グッド•バイ パンドラの匣はずばぬけて好きだ。 トカトントンも、好き。
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死や破滅思考・行動に依ってしか生きていけない登場人物たち。 痛みを感じねば生きている心持も得ない、現実に対してリアリティの欠如に苦しんでいるのだろう。 実に痛ましい事だ。 この痛ましさに気付かない理解出来ない人は幸せだ。 現代だからこそ、より一層太宰作品は愛されると思う。現代病だ...
死や破滅思考・行動に依ってしか生きていけない登場人物たち。 痛みを感じねば生きている心持も得ない、現実に対してリアリティの欠如に苦しんでいるのだろう。 実に痛ましい事だ。 この痛ましさに気付かない理解出来ない人は幸せだ。 現代だからこそ、より一層太宰作品は愛されると思う。現代病だらけじゃないか! 表題作より「パンドラの匣」を読みたくて、珍しく新書で購入。 どの作品も当たり前のように良かったけれど(当たり前のよう…ってスゴイね)、「眉山」が一番良かったかな。 身体が辛くって押してでも、接客していたのはサービス業の鏡! なにより愛嬌があって可愛らしい良い子だ。
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太宰治といえば暗い印象ですが、最初に収録されている「パンドラの匣」はドンヨリしてなくて好き。 個性豊かな登場人物(特にかっぽれ)は現代のアニメにも出てきそうだし、読後の爽快感というか、読みきったときのすっきり感がとても心地よかった。
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本当に好きだからこそ、その思いをこっそりと仕舞い込んだりするのでしょう。 宝箱に仕舞いこむようにそっと、誰にも知られないようにひっそりと。だけどその思いを押し込み過ぎたとき、その好きという感情はどうにも溢れ出てしまうのだと思う。それはあまりにも、儚くて切なくて美しい。 この一冊...
本当に好きだからこそ、その思いをこっそりと仕舞い込んだりするのでしょう。 宝箱に仕舞いこむようにそっと、誰にも知られないようにひっそりと。だけどその思いを押し込み過ぎたとき、その好きという感情はどうにも溢れ出てしまうのだと思う。それはあまりにも、儚くて切なくて美しい。 この一冊を通して、それを学んだ。
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パンドラの匣 大宰も一線を越えてこの境地へ行きたかったのだろうか。 トカトントン パンドラの匣もだけど、終戦てのは人々にとってこれほどまでに虚無感でしかなかったのか。 ヴィヨンの妻 相当惨い状況にあってもそれを全く感じさせないような強い女性。女性の強さを太宰が伝えてくる。 ...
パンドラの匣 大宰も一線を越えてこの境地へ行きたかったのだろうか。 トカトントン パンドラの匣もだけど、終戦てのは人々にとってこれほどまでに虚無感でしかなかったのか。 ヴィヨンの妻 相当惨い状況にあってもそれを全く感じさせないような強い女性。女性の強さを太宰が伝えてくる。 眉山 わたしまでなんだか泣きそうな申し訳ないような気持ちになる。 グッド・バイ もう女遊びから足を洗おうとしているのに、結局卑しく色慾を捨てきれずにキヌ子の部屋で本当にぶざまな状況に。「ぎゃっ!」という悲鳴がなんとも。 こんなこと思う分際ではないことを十分承知だけど、太宰の最後の作品にはぴったりではないかと思った。
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