ソブリン・クライシス の商品レビュー
ギリシア債務危機について少し知りたかったので読んでみました。 欧州債務危機の背景説明からギリシア債務危機の詳細、危機に対するEUの対応とその問題点。更には他の南欧諸国(PIGSですね)の問題等を順を追って解説してくれていて、分かりやすかったです。 そういう意味では、今流行りの...
ギリシア債務危機について少し知りたかったので読んでみました。 欧州債務危機の背景説明からギリシア債務危機の詳細、危機に対するEUの対応とその問題点。更には他の南欧諸国(PIGSですね)の問題等を順を追って解説してくれていて、分かりやすかったです。 そういう意味では、今流行りの欧州危機について知りたいという方には良いテキストだと思います。 ただ全体的に教科書のような雰囲気で、読んでいると度々眠くなってしまいました。(まあ、これは僕の姿勢に問題があるのだと思いますが。) 本書では最後の章で日本のソブリン・リスクについて語られているのですが、僕にとってはこれが一番勉強になりました。 ところで、ギリシア債務危機の原因の一つに公務員の多さやその給与の高さが挙げられているのですが、それ以外にも本書では年金給付額の異常な高さが挙げられていました。 年金給付額の現役世代平均収入に対する比率は何と95.7%! つまり、老後も現役時代に稼いでいた金額のほぼ満額を、年金として受け取れるということです。(ちなみにアメリカや日本は40%を切っています) 『こんなアホなことをやってたら、そりゃあ財政も行き詰るやろう!』て思いました。
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平易な記述で読み易いです。 ギリシャから始まりまして、ユーロ圏各国の事情の概略を述べ、最後に日本国債について触れています。 難しい金融・財政・経済学の理論も出てきませんし、簡潔に事実を把握するのはいいかと思います。2010年7月の出版でやや古くなっている部分もありますが、概略をお...
平易な記述で読み易いです。 ギリシャから始まりまして、ユーロ圏各国の事情の概略を述べ、最後に日本国債について触れています。 難しい金融・財政・経済学の理論も出てきませんし、簡潔に事実を把握するのはいいかと思います。2010年7月の出版でやや古くなっている部分もありますが、概略をおおまかに掴めました。 実はこういう本を書くのが専門家にとって一番難しいのかも(理論は得意でしょうが、それを一般にわかり易く書くのはまた別の技術)。
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ギリシャ危機についての本だけど、後半は日本の危機について。 日本はギリシャと比べものにならないくらい国債を発行していて、 さらに毎年懲りずに国債を発効し続けている。 にも関わらずギリシャみたいにならないことの理由が書かれている。 できの悪いギリシャをみんなで助けよう
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まあほぼ理解及び把握していることだったけどね。 やはりユーロは金融政策と財政政策の権力行使の 構造が違うギャップが一番の悩みだよね。 土日に専門用語を再調査しとこ。
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現在進行形で起こっている欧州危機についてみずほ総合研究所のエコノミストたちが分析した本 2010年6月執筆なのでけっこう最新の事情が織り込まれていていい。現在進行形で起こっていることなので様々な予測シナリオも建てられている。 特に今回のギリシャ危機で露呈されたEUというシス...
現在進行形で起こっている欧州危機についてみずほ総合研究所のエコノミストたちが分析した本 2010年6月執筆なのでけっこう最新の事情が織り込まれていていい。現在進行形で起こっていることなので様々な予測シナリオも建てられている。 特に今回のギリシャ危機で露呈されたEUというシステムが持つ構造的問題を解消するため提案されているいくつかの政策が興味深かった。 新しい試みでかなり野心的なEMF構想やブルーボンド構想 それよりも現実的な政策である「安定成長協定」の実効性確保、マクロプルーデンスの金融監督機関の創設、危機時の金融支援プログラムの整備などである。 本の最終章はソブリンリスクの筆頭格、日本の分析に当てられている。 財政リスクが顕在化したギリシャでさえドラスティックな改革がなかなか進まないのに対し、現状ではまだ顕在化していない日本においてどれだけの改革が進められるのかと民主主義の難しさを考えさせられた。 各章の表題が 第一章 伝染 第二章 混沌 第三章 迷走 第四章 悪循環 第五章 試練 第六章 解剖 とやけにカッコいいのが気になる。みずほ総合研究所
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