「これまでも、これからも」好きなもの の商品レビュー
出しゃばらず、だけど芯の通った後藤さんの本です。 ファッションとお店紹介(京都、東京の一部)が中心という印象。 ありがちな 「(作家名)さんの○○」や「(ブランド名)の○○」 みたいな表記も適度でイヤミが無い。 「hal日和」の方がより彼女の身の回りのことだったので 個人的...
出しゃばらず、だけど芯の通った後藤さんの本です。 ファッションとお店紹介(京都、東京の一部)が中心という印象。 ありがちな 「(作家名)さんの○○」や「(ブランド名)の○○」 みたいな表記も適度でイヤミが無い。 「hal日和」の方がより彼女の身の回りのことだったので 個人的にはそちらの方が好きかな。
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著者・後藤由紀子さんの「定番」を紹介している本です。 後藤由紀子さんは、2003年から沼津で、器を中心に、生活道具や洋服を扱う小さなお店を営んでいる方だそうです。まったく存じ上げない方でした。 でも、本書をパラパラと捲ってみたら、なんとも落ち着いた景色が見えたのです。景色というのは適切な言葉ではないかもしれないません。私が景色と表現したくなったのは、後藤さんの「定番」の醸し出す雰囲気が生活の一場面を想像させてくれたからなのです。 「定番」と聞くと、つい物を想像しがちです。もちろん、洋服や日用品は紹介されています。でも、物だけじゃないんです。後藤さんお気に入りの「定番」には物以外に、お店や暮らしのルール、それに尊敬する人もあります。さらには場所、旅、そして友人があります。当然もっとも大事なのは家族です。そういう後藤さんの極めて個人的な趣味、嗜好を本書は見せてくれます。 後藤さんの「定番」の選び方、楽しみ方、その工夫やルールを知ることが、本書を開いた読者が自分の好きな「定番」を見つけるヒントになればうれしいということなのです。 一見したところでは、シンプルで、ごく普通で、質実剛健で、新しいものよりトラディショナルなものがお好きなようです。現在の若い女性が好むような華やかなものはなく、地味で渋いものがお好みのようです。流行なんてどこ吹く風、という感じです。 たとえば、服でいえば、その色は白、黒、グレー、紺、ベージュ、紫、そして差し色に赤が少しといった具合です。デザインも女性らしさを際立たせるものはありません。どれもナチュラル素材で、気取って見えるものはありません。 ただし、タグを見れば、コム・デ・ギャルソンのものだったり、ジョン・スメドレーのものだったり、つまりは上質のものを選んでいます。 彼女のそのほかの「定番」もちょっとピックアップしてみます。好みの志向がわかります。 ・新宿御苑 ・浅草のパン屋さん「ペリカン」 ・合羽橋道具街 ・白いペッタンコ靴 ・京都 ・寺 ・進々堂 京大北門前 ・有次 ・錦市場 ・向田邦子 ・ル・クルーゼとストウブ社の鋳物鍋 ・ケメックスのコーヒーメーカー ・作家ものの急須と湯のみ ・パリ「ディプティック」と「コム・デ・ギャルソン」のオードトアレ ・愛猫「たま」 この本の読んで、自分のライフスタイルが明確なのはいいなあ、と思いました。なかなかできることではありませんが……。
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