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NHK、鉄の沈黙はだれのために の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/06/19

★★★★ 何度も読みたい p.89 米山リサ「気持ちはわかりますと簡単に言ってしまうこと。そこには当事者の占めていた場所を奪う暴力性がある。」 「証言に圧倒され、言葉を失って立ちすくむこと。そのことは恥ずかしいことではなく、むしろ大切なのです。」 2000年末に行われた、日本...

★★★★ 何度も読みたい p.89 米山リサ「気持ちはわかりますと簡単に言ってしまうこと。そこには当事者の占めていた場所を奪う暴力性がある。」 「証言に圧倒され、言葉を失って立ちすくむこと。そのことは恥ずかしいことではなく、むしろ大切なのです。」 2000年末に行われた、日本軍による戦時性暴力を扱った女性国際戦犯裁判。それはNHKの教養番組で放送されるはずだった。しかし実際に放送されたのは、その裁判に携わった人々の努力を水泡に帰すような劣悪なものだった。これはそのプロデューサーだった著者が、当時の空気感やNHKの問題点などに切り込んだ、ルポルタージュのような、回顧録のような作品だ。 この本を読むまで、生まれる前にそんな事件があったことすら知らなかった。表現の自由を謳い、国民から受信料を徴収しながらも予算の関係で政治家の圧力に弱いNHKの歪さ、今まで共に協力し合い、信頼してきた人々の発言・態度の変化、そして協力者を裏切り、あまつさえ罵るような組織の防御機性。生々しい、虫唾の走るような現場の描写には非常に惹きつけられた。また著者は人物を語る上で不可欠と思ったのか、事件だけでなく、自身の様々な経験も本書に記している。 ただ一方で、慰安婦問題や女性国際戦犯裁判に関しての資料としての価値は低いように思う。読み物としては楽しませてもらったが、私が本書を手に取った、慰安婦問題の調査資料という目的は果たせていない。

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2014/09/06

10数年前、NHKによる慰安婦関係のドキュメンタリー番組制作に、中川議員や安倍現総理が政治介入したと疑われる事件について、番組制作の張本人の一人が著した暴露本。当事者の一方的な説明なので書かれた内容が真実かわからないが、いずれにせよ、番組の中立性を保つためにいかに多くプロが真剣に...

10数年前、NHKによる慰安婦関係のドキュメンタリー番組制作に、中川議員や安倍現総理が政治介入したと疑われる事件について、番組制作の張本人の一人が著した暴露本。当事者の一方的な説明なので書かれた内容が真実かわからないが、いずれにせよ、番組の中立性を保つためにいかに多くプロが真剣に取り組んでいるかが伝わり、マスコミを尊敬する気持ちは増した。読み物として面白かった。

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2012/11/22

自分の発言、行動に責任を持つこと。組織を守る、国を守る、ためでもいい。ちゃんと説明をすることが出来るか。それが出来ない、公表出来ないのであれば、そへは正しいこととは言えないと思う。シンプルに考えることを大事にしたい。

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2012/02/26

NHKは受信料と、国会で審議される予算から成り立っている為、予算を通す権限を持つ、政治家からの圧力に弱い一面があることが分かった。 本書に出てくる、圧力をかけたとされる政治家の言い分は分からないし、従軍慰安婦の問題の見解もいろいろあるだろうから、本書を読んだだけでは結論を持ち得...

NHKは受信料と、国会で審議される予算から成り立っている為、予算を通す権限を持つ、政治家からの圧力に弱い一面があることが分かった。 本書に出てくる、圧力をかけたとされる政治家の言い分は分からないし、従軍慰安婦の問題の見解もいろいろあるだろうから、本書を読んだだけでは結論を持ち得ないが、一方の意見としてはとても参考になった。 政治介入という問題を、権力に屈せず、きちんと問題として提起できる人がいるという意味で、NHKの作品は、他局のものより信頼が持てると思った。これからも応援したくなるNHKでいてほしい。 全体を通して、著者の経験や視点で話が飛んでしまうので、決して読みやすくはなかった。

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2011/02/24

この事件があったから、 NHKで撮影取材を受けて、実際に放映されるまでは、 試写をさせてもらえないという規定ができたんだなと改めて納得。 でも、この本に書かれている番組改編への経緯は、 正直言って疑わしい場面が多々あることはたしかである。 う~む、やはり新自由主義者の権力の横暴...

この事件があったから、 NHKで撮影取材を受けて、実際に放映されるまでは、 試写をさせてもらえないという規定ができたんだなと改めて納得。 でも、この本に書かれている番組改編への経緯は、 正直言って疑わしい場面が多々あることはたしかである。 う~む、やはり新自由主義者の権力の横暴かぁと思ってしまう。 そのメンバーの中には、もうすでにこの世にいない人もいるので、 都合の悪い人間は、この世から消されてしまうのかなと。 ちなみに、心に残ったフレーズは、 「問うていけないことなんかない。 問おうとすることは尊いことだ。考えて当然なのだ。 わたしたちは、自分たちの歴史から逃げてはいけない。 考え続けなくてはならない。もちろん、いろんな考え方があっていい。 だが問うことを避け、止めてしまうことは間違っている。」

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2010/10/10

★反発とあきらめと責任回避と★戦時下の性暴力を巡るNHK番組が政治家の介入で改変されたのは、もう10年も前だったのか。いまだに明確な総括はないようだが、著者の証言や朝日新聞からの流出文書(無断でインタビューを録音していたので正面切っては提示できなかった。これがNHK側に反論の余地...

★反発とあきらめと責任回避と★戦時下の性暴力を巡るNHK番組が政治家の介入で改変されたのは、もう10年も前だったのか。いまだに明確な総括はないようだが、著者の証言や朝日新聞からの流出文書(無断でインタビューを録音していたので正面切っては提示できなかった。これがNHK側に反論の余地を与えてしまった)を読む限り、朝日新聞が当初に報道したように事実なのだろう。  上司の理不尽な圧力に反発し、意図をくまない部下(下請け先)にいら立つ。そのうち、変更に対してあきらめの気持ちが強まり、半ば自分の番組ではないように唯唯諾諾と上司の指示に従う。いざ番組が放送されると、自分には責任はないのだと思いこもうとする。恥ずかしい部分も含めて、著者の混乱がよく伝わる。誰もこんな番組を作りたかったわけではないのでできてしまった、と。政治家の圧力という問題とともに、最後の一線をどこかで保たないと誰も望まない無責任な商品ができあがることがよく分かった。これはテレビや報道の話に限ったことではない。

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