風太郎の死ぬ話 の商品レビュー
以下の人は購入不要
以下のエッセイ集とインタビューをお持ちの方は、ほぼ購入不要です。「風眼抄」「死言状」「半身棺桶」「あと千回の晩飯」、「コレデオシマイ。」つまり初出及び本書のみ収録と言うものは有りません。ただ2つ著者近影の写真(探せば収録している本もあるかも)と尾崎秀樹氏の解説は、この本のみと言え...
以下のエッセイ集とインタビューをお持ちの方は、ほぼ購入不要です。「風眼抄」「死言状」「半身棺桶」「あと千回の晩飯」、「コレデオシマイ。」つまり初出及び本書のみ収録と言うものは有りません。ただ2つ著者近影の写真(探せば収録している本もあるかも)と尾崎秀樹氏の解説は、この本のみと言えよう。尚収録作の「日常不可解事」が、巻末の初出で「日常不可解」と省略された位か。
歯の抜けた剣歯虎
一時 Wikipedia で「小林信彦はロッパの遠縁」という誤情報が流れた。山田風太郎と混同したのだろうか。それにしては作風が違いすぎる。 迫りくる死を前に高僧もかくやの泰然たる境地。自分はどこまで近づけるだろうか。 隠居遁世を志しても、必要最低限の品々は要る。「人間という...
一時 Wikipedia で「小林信彦はロッパの遠縁」という誤情報が流れた。山田風太郎と混同したのだろうか。それにしては作風が違いすぎる。 迫りくる死を前に高僧もかくやの泰然たる境地。自分はどこまで近づけるだろうか。 隠居遁世を志しても、必要最低限の品々は要る。「人間というものは、ただ生きているだけでも物凄い道具立てが要るものである」。おっしゃる通り。 『あと千回の晩飯』連載を前に、往年の著名人の美食と粗食について考察するのは興味深い。 第三&四章は名著『人間臨終図巻』の自作解題になっている。
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たまには「死」について考えたい。「忍法帳」で有名な山田風太郎の「死」に纏わるエッセイ集。 幼い頃に両親を亡くし、戦争で友人を亡くした彼にとって人間の死は重要なテーマであったようです。(有名人の死に方を集めた「人間臨終図巻」のような著作もある) この本では、著者の自分の生き方と「死...
たまには「死」について考えたい。「忍法帳」で有名な山田風太郎の「死」に纏わるエッセイ集。 幼い頃に両親を亡くし、戦争で友人を亡くした彼にとって人間の死は重要なテーマであったようです。(有名人の死に方を集めた「人間臨終図巻」のような著作もある) この本では、著者の自分の生き方と「死」についての考えをエッセイという形で記述しています。例えば、死について、オリジナルのアフォリズム。 「人は管につながれて生まれ、管につながれて死ぬ」 生まれるときは母親からの管、死ぬときは病院の管という例えらしい。テーマはシリアスだけど、とてもユーモラスで面白いエッセイです。 この本を通じて感じたことは、戦後の世代は自分がいつまで生きられるかを考えますが、戦中派の人達は自分がいつ死ぬかを考えているように思えます。余命を常に意識する人生は、閉塞感もあるかもしれないけれど、人生を充実させたり意味を見出したいという気持ちは、戦後世代の我々より強いかもしれません。 山田風太郎の本は読んだことが無いけれども、このエッセイの語り口から想像するにとても面白い小説だろうと思います。#
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