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逆命利君 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2014/01/03

この記事が面白かったので(エッセンスは記事だけでも分かると思います) http://nekketsuotoko.seesaa.net/article/375506580.html どこまでも気高く、独自の哲学でおよそ日本企業に馴染まない働き方を貫きつつも住友商事常務まで上り詰め...

この記事が面白かったので(エッセンスは記事だけでも分かると思います) http://nekketsuotoko.seesaa.net/article/375506580.html どこまでも気高く、独自の哲学でおよそ日本企業に馴染まない働き方を貫きつつも住友商事常務まで上り詰めた異色の商社マン・鈴木朗夫の人生を描く。 商社マンの仕事については僕自身が語れる立場にはないが、一人の仕事人としての憧れ、畏敬の念は抱かざるを得ない。ナルシストという形容は決して肯定的な意味合いが強いものではないが、比類なき完璧主義であり、独自の流儀に妥協を許さない鈴木の姿勢が彼をナルシスト足らしめた所以であり、学ぶべきことは非常に多い。 ・ 「自分は会社に時間を売っているのではない、仕事を売っているのだ。」 ・ 35歳でブラ休みを実践。 ・ 「健康はまさに車がその上を走るレールでありましょう。」 ・ 入社六、七年だったか、「住商にスズキあり」という声は、キザな男だという噂とともに広まっていた。 ・ 「レターは単に意図を伝えるだけではなく、そこに高い格調が必要だ。」 ・ 「国際的ネゴシエーションは、例外なく自己主張のぶつけあいからはじまり、論理の応酬が続く」「鮮明に自己主張する。自己主張は可能な限り相手の言葉(ボキャブラリィ)と論理を用いて行う。」「承った、検討する、分かった、善処する式の対応は自己主張の放棄」 ・ 「国家と個人の名誉を犠牲にしてまで、妥協してまとめなければならないビジネスがあるとは思わない」 ・ (欧州共同体の役員より)・・・彼ら(日本人)はひたすら働いている。・・ヨーロッパに来てヨーロッパのルールを無視しているがこれはアンフェアだと思う。(同感するところの多い鈴木は反論できなかった)「本来、仕事上の能力だけでなく、家庭人としての豊かさ、個人としての教養と上層に裏打ちされた重層的人格の形成があってこそ国際人として通用する訳であるが、昨今の日本のモノカルチャア人間群、それ自体が国際摩擦の根源であり、カルチャアという栄養補給がないまま枯死してゆく運命にあるのではないか」 ・ 「いま、世界中に進出している日本の企業人の少なからぬ部分は、日本人同士の麻雀大会、ゴルフ大会、ピアノバーでのカラオケ、さらには紅白歌合戦のビデオ等に明け暮れているが、これらを「カルチュア」と呼べるか。そして、彼らを国際人と呼べるか。また、彼らは尊敬されるか。 ・ (鈴木の接客態度メモ)・・・日本語を用いる場合は必ず相手にことわる。 ・ プレゼンテーションの作法と手法 ➢ 何の用件で来たかを冒頭の5分で簡潔、的確に述べる。要すれば事前に用意し、暗記するくらいの努力が必要 ➢ 必要に応じて、事前にトーキング・ペーパーを用意し、相手に手交する。 ・ 言語と文脈は正確、かつ最小限の格式を備えること ➢ 誰が、何時、何処で、何を、どのようにと五つのヨウ素が充たされなければならない。 ➢ 自分はかくかくのことができる、貴方にはかくかくのことをお願いしたい。そうすると、かくかくの仕事が可能になる。その仕事にはかくかくの意義がある。自分にとってのみならず、貴方にとっても有益と信ずる、くらいは網羅したプレゼンテーションが常に出来るように勉強する。 ➢ 「相手の言葉と論理をのみ込んで、それを使ってこちらの主張を相手に伝えなければダメだ」 本書は常に手元に置き、実践しようと思う。

Posted byブクログ

2013/06/24

著者の佐高信氏はいつも大企業の批判ばかりしている人ですが、この本は違います。主人公は住友商事業務本部長鈴木朗夫氏です。鈴木氏の「命に逆らいて君を利した」痛快な人生が描かれています。By シーさん

Posted byブクログ

2012/02/05

異色の商社マン鈴木郎夫の反逆人生を描くノンフィクション。日本人の社畜根性を真っ向から否定しながらも、誰よりも仕事に生きた男の生き方とは—— ルパンが読んだらイチコロやな。

Posted byブクログ

2011/12/06

かつて「週刊サタカ」といはれるほど著書を出しまくつた佐高信氏。その分似たやうな話とか、主張のダブリなんかもあつたのですが... 私の好きなのは本書『逆命利君』や『良日本主義の政治家』みたいな評伝もの、『失言恐慌』のやうなビジネスノンフィクションであります。筆刀両断も良いのですけど...

かつて「週刊サタカ」といはれるほど著書を出しまくつた佐高信氏。その分似たやうな話とか、主張のダブリなんかもあつたのですが... 私の好きなのは本書『逆命利君』や『良日本主義の政治家』みたいな評伝もの、『失言恐慌』のやうなビジネスノンフィクションであります。筆刀両断も良いのですけどね。 本屋のレヂで顔見知りのおねいちやんが「サタカ好きなんですか? 私のお兄ちやんも好きなんですよ!」と訊かれもしないのに情報提供したり。今でも読者は多いのですね。 逆命利君とは、「命に逆らいて君を利する、之を忠と謂う」を略した言葉であります。いはゆるイエスマンとは対極の概念ですな。これを地で行つたのが本書で語られる、住友商事の故・鈴木朗夫氏であります。 この鈴木氏は凡そ日本のサラリーマン像とかけ離れた傑物と申せませう。1987年、56歳の若さで世を去つてゐます。 この人は「入社に際して誓約書を拒否」し、自分は仕事を売つてゐるのであり、時間を売つてゐないとして連日会社に遅刻して出社。役員から「就業規則違反だ」と詰め寄られると、「就業規則には遅参したら遅参届を出せとあるので、ちやんと出してゐる。違反はしてゐない」と反論したと言ひます。 もちろんスーダラ社員ではありません。「住商に鈴木あり」とまでいはれた有能な商社マンで、いづれ住商のトップに立つだらうと目されてゐました。 上司に苦言を呈する。サラリーマンなら中中勇気が要ることでせう。実際「逆命利君」なぞと気取つたところで、それを受け止める上司がぼんくらでは虚しいものであります。 その点、鈴木朗夫氏には、のち社長となる伊藤正氏が存在したことが幸福でした。佐高氏によると、この両者はまつたくの正反対の性格・性癖・生活スタイルなのださうです。しかし伊藤氏は鈴木氏を認め、そのやんちやぶりにてこずりながらも信頼してゐたのです。並みの人なら認めるどころか排除されてゐたでせう。 元々住商にはかういふ個性的な人物を輩出する土壌があつたと著者は述べます。別の会社だつたならば鈴木氏は直ぐに辞めてゐただらうと。 即ちさまざまな条件が重なつて、鈴木朗夫といふ人物はその能力を開花できたと申せませう。有名な財界人の評伝も良いですが、歴史に埋もれてしまふであらう人物を発掘した佐高氏には感謝であります。 http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-198.html

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