ニッポンの海外旅行 の商品レビュー
[ 内容 ] 「最近の若者は海外旅行に行かなくなった」といわれて久しい。 二十代の出国者数は一九九六年にピークを迎え、十年あまりで半減した。 それを若者の変化だけで問題化するのは正しくない。 海外旅行の形も、大きく変わってきたのである。 本著は『何でも見てやろう』、「地球の歩き方...
[ 内容 ] 「最近の若者は海外旅行に行かなくなった」といわれて久しい。 二十代の出国者数は一九九六年にピークを迎え、十年あまりで半減した。 それを若者の変化だけで問題化するのは正しくない。 海外旅行の形も、大きく変わってきたのである。 本著は『何でも見てやろう』、「地球の歩き方」、『深夜特急』、「猿岩石」など、時代を象徴するメディアとそれらが生まれた社会状況を分析し、日本の若者が海外をどう旅してきたのかを振り返る。 そして現在の海外旅行が孕む問題の本質を、鮮やかな社会学的アプローチで明らかにする。 [ 目次 ] はじめに―「なぜ最近の若者は海外旅行に行かなくなったのか」という問題 第1章 「海外」と「観光」の系譜 第2章 「歩く」旅の源流―1960s 第3章 日本の若者たちが、ヨーロッパを歩き出す―1970s 第4章 『深夜特急』に乗って、アジアを「発見」する―1980s 第5章 海外で「日本」を生きる―1990s 第6章 「買い・食い」中心の短期旅行、やがて旅行離れ―2000s [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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第2次大戦以後の日本人の海外旅行の歴史を年代ごとに解説したもの。海外旅行の中心となってきた若者と、海外旅行を支えてきた紀行文学や、『地球の歩き方』などのガイドブックの変遷をたどっている。 特に1970年代以降の、「大義名分ある団体旅行」に対して発達してきた「節約旅行(異国の人...
第2次大戦以後の日本人の海外旅行の歴史を年代ごとに解説したもの。海外旅行の中心となってきた若者と、海外旅行を支えてきた紀行文学や、『地球の歩き方』などのガイドブックの変遷をたどっている。 特に1970年代以降の、「大義名分ある団体旅行」に対して発達してきた「節約旅行(異国の人々の日常生活に文脈化)」→バックパッカー第1世代(欧米)→「貧乏旅行(アジアの安宿に1人で、社会に対抗、バックパッカー第2世代)」→「ビンボー旅行(アジアの日本人宿、社会に帰属、バックパッカー第3世代)」→「個人旅行(「買う」「食べる」の消費活動中心)」の流れが印象的だった。昨今の「海外旅行離れ」の傾向の裏付けも分かりやすい。バックパッカー旅行の頂点かつ終焉となった猿岩石 の話が面白かった。おれもよく海外旅行をするが、明らかに消費活動中心ではない。名所・旧跡をガイドブックを「なぞって」「歩く」旅が中心だが、最終章でガイドブックをなぞる旅が支持されていたのが印象的だった。巷にあふれる海外旅行の宣伝の中で、自分が理想とする海外旅行のあり方を考えるきっかけになる1冊だと思う。(10/09/03)
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旅行離れはなぜなのか? 旅の歴史の変遷を代表的なメディアで振り返るとなんでも見てやろう→地球の歩き方→深夜特急→旅行人→猿岩石。
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