ヘヴンリープレイス の商品レビュー
主人公の少年が昔の自分と重なる。 ・人よりゆっくり歩いてるだけ ・知ってることが偉いんじゃない この二つが心に残った。 また読み返そう。
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夏休みに引っ越し先の近くの雑木林でセミ取りの少年と出会ったカズキは、少年に誘われるままに林の奥のボロ家の中に入る。そこにはローシ(老師)と呼ばれる男性がいた。 中学受験を前にピアノをやめるも、腹痛で塾にも行けなくなるカズキ。両親はカズキの自主性を重んじるようでいて、自分たちの望...
夏休みに引っ越し先の近くの雑木林でセミ取りの少年と出会ったカズキは、少年に誘われるままに林の奥のボロ家の中に入る。そこにはローシ(老師)と呼ばれる男性がいた。 中学受験を前にピアノをやめるも、腹痛で塾にも行けなくなるカズキ。両親はカズキの自主性を重んじるようでいて、自分たちの望む道へとカズキを導いていく。幼なじみにもキツく当たり、友達とも疎遠になる。 そんなカズキが出会った人たち。 年齢の割に幼い英太、不登校の中学生有佳、施設から飛び出てきた史生、そして故郷から離れ職も失いホームレス状態となったローシ。 彼らに会って彼らとともにボロ家で過ごすことによって、カズキは癒しを得て、新たな価値観や考え方を知る。親の期待に流され、その鬱憤を友達にぶつけていた自分に気付き、本当に自分がしたいことは何なのかを考える。そして本当の自分を見付ける。 大人の事情に振り回される子どもたち。そんな子どもを温かく見守り、時にアドバイスするローシ。 物語終盤に子どもではどうしようもない状況に陥り、子どもであることの無力さを突き付けられる。しかしそれを子ども時代の切ない思い出として物語を閉じることをしない。 カズキの覚悟と決意が示され、未来へと向かうラストシーンに胸を打ちました。
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ピアノが好きな和希(6年生):引っ越ししてきた同級生をいじめてしまったことが心にひっかかり続けている。本当は中学受験がいや。親の信頼を壊したくないと思っている。 エイタ(4年生):発達が遅い。体が小さい。天使のような子。父親からの暴力を受け自分をバカだと思っている。大人の男性におびえる。 フミオ(6年生):両親がおらず施設にいたがそこを飛び出し廃屋で寝泊まりする。エイタを弟のように思っている。 ユカ(中一):絵を描くのが好きだが、姉のほうが優れていて自分はだめだと思っている。不登校である。 老師(藤川さん):ホームレスの男性、子どもたちの保護者的立場にある ミホ:ピアノレッスンにきている子。和希が好きで心配している。 親が子どもにする心配→今はとにかく頑張って勉強してほしい。理想的な友達づきあいをしてほしい。 親の思いは子どもたちに伝わりプレッシャーになっている。 子どもたち→両親の言動に対し思っていることは沢山あるが、期待を裏切らないでいたい。説明してもわかってもらえないだろうという思いから「良い子」の返事を続ける。 両方の思いが歩み寄れずに距離を置き続ける様子が苦しい。 それでも子どもたちは悩みを抱える子たちとの出会いで少しずつ変わってゆく。心的成長。 和希は四人の悩める子たちと出会い、本当に自分がしたいことは何か、言葉に出して親に伝えることができるようになる。 すべての登場人物がスッキリとした解決を迎えるわけではないのだけれど、 それぞれがそれぞれの道を歩んで行ける光のようなものを感じた。 老師の存在も大きい。 「いい人かどうかということとね、お金持ちか貧乏かということは、まったく別なんだよ」 行き場のない子どもたちは多いけど、何かひとりぼっちじゃないって思える本だと思う。 話を聞いてくれる、わかってくれる人が周りにいない人も、こういう本に出会ってほしい。
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夏っぽくていいな、と思った。 それぞれの色んな問題が解決するわけではないけれど、少しは変わったんじゃないか、と思う。
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前の家とはほど近い(3キロほど)新興住宅に引っ越しした僕たち。リセットできるかも、とそんな期待があった。 ぼく・桐本和希(小6)は自転車で新しい町をまわっていて、雑木林で英太と出会った。ぷくぷくしていて、低学年にも見える言動の英太だけど、本当は小4。天使のような笑顔につられて、セミをとったりと遊ぶうちに、雑木林の中のボロボロの廃屋に連れられて行った。そこにはローシと呼ばれるホームレスと、養護施設から抜け出してきた史生(ふみお・小6)が住み、登校拒否の少女・有佳(ゆか・中1)と英太の集う、汚いけれど、不思議に落ち着く場所だった。 和希は親の希望する中学受験より、ピアノが好きだと気がつき、両親に自分の気持ちが言えるように成長してゆく。しかし、雑木林の家は取り壊される事が決まっていて、ローシもぬれぎぬで警察に捕まってしまう。 少年の一夏の成長物語。
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両親の期待に背かない 「いい子」である主人公の少年。 けれど、心の中はもやもやし、 幼なじみを仲間はずれにする、裏の顔を持ち、 その二面性を自分でも受け入れられない。 そんな少年が、ある夏、 小さな雑木林の中の廃屋に集まる 子どもたちと、そこで老師と慕われる男と出会い・・・ ...
両親の期待に背かない 「いい子」である主人公の少年。 けれど、心の中はもやもやし、 幼なじみを仲間はずれにする、裏の顔を持ち、 その二面性を自分でも受け入れられない。 そんな少年が、ある夏、 小さな雑木林の中の廃屋に集まる 子どもたちと、そこで老師と慕われる男と出会い・・・ 少年の両親が、もう、嫌で嫌で! 少年に、がつんと歯向かってほしくて、 しかたなかった! 意外なラストで、 彼は、言葉や態度ではなく行動でそれを示すのだけど、 できれば、その前に、きちんとぶつかってほしかったなあ。
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引っ越してきたまちで、和希は、暮らしに悩みをかかえた少年少女たちと出会う。彼らを救いたい―でも、助けられないのは、自分が子供だからなの?自分の生活、両親、そして社会に目を向けはじめる…。緑ふかい林の中の幸福な時間をえがく、ひと夏の物語(「BOOK」データベースより) 森の奥の...
引っ越してきたまちで、和希は、暮らしに悩みをかかえた少年少女たちと出会う。彼らを救いたい―でも、助けられないのは、自分が子供だからなの?自分の生活、両親、そして社会に目を向けはじめる…。緑ふかい林の中の幸福な時間をえがく、ひと夏の物語(「BOOK」データベースより) 森の奥の廃屋に棲まうのは、「ローシ」と呼ばれる男性と、彼を慕う子供たち。 そこは、互いに過酷な過去を持つ彼らにとって、まさに天国のような場所だった。 その廃屋に連れられてきたのは、最近引っ越したばかりの和希。 親の望むとおりに生きる息苦しさにあえぐ彼にとっても、そこはひと時のオアシスとなったが・・・。 というストーリーかな。 人より歩く速度が遅くても目的地には着ける、という、ローシが英太に送った言葉が胸に残りました。 なんだか私にまで優しくエールを送ってもらったような読後感。 ラスト辺りがやや急ぎ足な気がしなくもないのですが、教えられた事が多くある一冊でした。 猫野ぺすかさんの版画も温かみがあって素敵でしたよ♪
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「あなたが考えて決めなさい」とか言いつつ、親の都合に合わないことをしだすといろいろいちゃもんつけちゃうところなんか、かな〜り反省させられます(;-_-)何故勉強が大切なのか、真理を子どもに説ける親って少ないよ多分。子どもが読むより親が読んでよく考えろって本なのかも。
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両親の期待にこたえきれなくなさそうになり、家庭がぎくしゃくしはじめた男の子が、新しい仲間と出会い、広い世界に一歩足を踏み出していくという物語。べたでありそうな設定だが、濱野さんらしく、上手に料理している。平均点というでき。
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