1,800円以上の注文で送料無料

星座から見た地球 の商品レビュー

3.3

26件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    3

レビューを投稿

2011/04/29

ABCDという人物のそれぞれの一場面一場面を区切るようにして紹介されていく。 どうやら彼ら彼女らは子供たちのようなのだが、 最後までぼんやりとした形でしか彼彼女たちは紹介されない。 しかしそれでいてなぜだか彼ら彼女たちの姿がぼんやりと形作られていくところ、頭の中に描かれていく...

ABCDという人物のそれぞれの一場面一場面を区切るようにして紹介されていく。 どうやら彼ら彼女らは子供たちのようなのだが、 最後までぼんやりとした形でしか彼彼女たちは紹介されない。 しかしそれでいてなぜだか彼ら彼女たちの姿がぼんやりと形作られていくところ、頭の中に描かれていくところにすごさを感じた。

Posted byブクログ

2011/04/12

Dのおへそを地球だとするとちょうど木星の軌道上に風船がある。午前中まで天井にくっつくように浮いていたのだがいまはこのように畳に触れるか触れないか微妙なところである。テーブルには麦藁帽子がひとつあってそれを土星とみなすことができる。すこしへこんでいる。遠く部屋のすみっこでゴミ箱がた...

Dのおへそを地球だとするとちょうど木星の軌道上に風船がある。午前中まで天井にくっつくように浮いていたのだがいまはこのように畳に触れるか触れないか微妙なところである。テーブルには麦藁帽子がひとつあってそれを土星とみなすことができる。すこしへこんでいる。遠く部屋のすみっこでゴミ箱がたおているのはボールがあたったせいかもしれない。ゴミ箱をたおして扉にあたってはねかえってボールは天王星の位置までもどってきたのだ。鼻紙が小惑星のごとくちらばっている。昨日ずっとさがしていたビー玉がころがっている。これが海王星というわけだ。Dのすぐ上にある糸で吊るした飾りは金星と水星。くるくるまわっている。カレンダーには大きなひまわりの写真がまるで太陽のようにかがやいている。赤いマジックでしるしのあるところがDの誕生日である。今年は火曜日だ。Dの手がおなかのうえにのって親指がちょうどおへそのとなりだ。爪がのびている。その爪が三日月となってこの小さな太陽系がほぼ完成した。わずか五分しかもたなかった本当に小さな太陽系だ。

Posted byブクログ

2011/03/22

なんて不思議な文章群なんだ! 詩のように書かれた文章らは視聴覚的な効果も狙ったものであり、話の内容は簡単に文脈が見出せないもの。 登場人物は固定されながらも入り乱れ、一人称を語るストーリーでありながら抽象的。そして話は繰り返す… 連想させるのは、「思い出」だが、そこに共感や実体験...

なんて不思議な文章群なんだ! 詩のように書かれた文章らは視聴覚的な効果も狙ったものであり、話の内容は簡単に文脈が見出せないもの。 登場人物は固定されながらも入り乱れ、一人称を語るストーリーでありながら抽象的。そして話は繰り返す… 連想させるのは、「思い出」だが、そこに共感や実体験の投影を容易にはさせてもらえない。 うん、不思議だ。悩ましい小説である。

Posted byブクログ

2010/09/17

ずっとそっけなくまた落ち着いて語り続けてきた言葉の最後のページをめくると、ずらりと並んだ名前の列を目の当たりにして、こころが締め付けられると同時に急激にふくらんで、粉々にくだけて空へのぼって星座になった。かつてAでありBでありCでありDであった人たち。装丁のすばらしさ。頭がじーん...

ずっとそっけなくまた落ち着いて語り続けてきた言葉の最後のページをめくると、ずらりと並んだ名前の列を目の当たりにして、こころが締め付けられると同時に急激にふくらんで、粉々にくだけて空へのぼって星座になった。かつてAでありBでありCでありDであった人たち。装丁のすばらしさ。頭がじーんとしている。

Posted byブクログ

2011/07/16

新しい文学というのだろうか、非常に実験的な作品。「A」「B」「C」「D」という抽象的な名前を付けられた登場人物たちが、数ページのユニットの中で、それぞれの物語を展開する。しかしながら、それらの物語には一般的な意味でのつながりや、関係性というものは一切見当たらず、突然「A」の話から...

新しい文学というのだろうか、非常に実験的な作品。「A」「B」「C」「D」という抽象的な名前を付けられた登場人物たちが、数ページのユニットの中で、それぞれの物語を展開する。しかしながら、それらの物語には一般的な意味でのつながりや、関係性というものは一切見当たらず、突然「A」の話から「B」の話へ、そして「C」の話、「D」の話へと転換していくのだ。ここでは文脈や時間経過はあまり意味を成さない。並列されたひとつひとつのユニットをどう味わうのかが試されている。 新しい文学ってのは難しいもんだと思った。こんなことを感じるのはあの青木淳悟の「このあいだ東京でね」以来だな。何を味わえばいいのかという疑問が残るのだが、途方にくれずに、裏表紙に記された豪華な装画執筆陣による星座図でも眺めるというのも一考だ。

Posted byブクログ

2011/09/05

新聞書評で気にかかった。書評はネタばれを気にしているのか、内容不明。なのに、面白そう。 で、読んでみた。わざわざ本屋で取り寄せてまでして。止めときゃよかった。A,B,C,Dの子供たちが出てくるが、それぞれ関係ない様子。時間の流れはない。繰り返しが多い。意味があると思えない。A=A...

新聞書評で気にかかった。書評はネタばれを気にしているのか、内容不明。なのに、面白そう。 で、読んでみた。わざわざ本屋で取り寄せてまでして。止めときゃよかった。A,B,C,Dの子供たちが出てくるが、それぞれ関係ない様子。時間の流れはない。繰り返しが多い。意味があると思えない。A=Aなのかも不明。人間なのかどうかも怪しい。実在のものじゃないのかも。なんとなく雰囲気はあるけれど、時間の無駄だった。

Posted byブクログ