胎動する地政学 の商品レビュー
「サイバースペース(そしてサイバー戦争)が地理を超えたものである」という議論には、大小それぞれ1つずつの間違いがある。まず大きな間違いとして、戦闘がいかにグローバルになって情報が瞬間的なものになったとしても、その行動が、ある地理的な場所と「戦闘のため」のハードウェアとソフトウェア...
「サイバースペース(そしてサイバー戦争)が地理を超えたものである」という議論には、大小それぞれ1つずつの間違いがある。まず大きな間違いとして、戦闘がいかにグローバルになって情報が瞬間的なものになったとしても、その行動が、ある地理的な場所と「戦闘のため」のハードウェアとソフトウェアの物理的な「部品」によって、「サイバー戦士」と「サイバー犠牲者」をつなげなければならないことには変わりないからだ。たしかにサイバースペースにおけるサイバー戦争は今までの戦争とは違うかもしれないが、それでも地理の中で行われている戦争であることはたしかなのだ。地理的に「非場所的」なサイバースペースについての議論に存在するもう1つの小さな間違いというのは、サイバー戦争の闘いというものが単独で戦争をかつことができるような「戦略的」な仕掛けというよりも、むしろ戦争における伝統的な形のものを助ける役割を持っている可能性が非常に高い。
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地政学について総合的に知ることのできる一冊だったと思う。内容も良いものだったが、第二次世界大戦中のドイツ国防軍最高司令官のヴィルヘルム・カイテル(Keitel)が「ケイテル」って訳されていたので他にも翻訳上のミスがあるかもと少し警戒が必要か。 コリン・グレイの論文が少し読みづらい...
地政学について総合的に知ることのできる一冊だったと思う。内容も良いものだったが、第二次世界大戦中のドイツ国防軍最高司令官のヴィルヘルム・カイテル(Keitel)が「ケイテル」って訳されていたので他にも翻訳上のミスがあるかもと少し警戒が必要か。 コリン・グレイの論文が少し読みづらいのは他の人の翻訳でもそうなので、おそらく原著の仕様。
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コリン・グレイ氏の『逃れられない地理』という論文が面白かったです。「全ての政治活動は地理的な対象を持っている。あらゆる政治的なことは、ある特定の地理的状況のなかで起こる。その意味で地政学的 」という文が印象に残りました。 政治を考える際に、地理は無視して良い余計な付属物ではないと...
コリン・グレイ氏の『逃れられない地理』という論文が面白かったです。「全ての政治活動は地理的な対象を持っている。あらゆる政治的なことは、ある特定の地理的状況のなかで起こる。その意味で地政学的 」という文が印象に残りました。 政治を考える際に、地理は無視して良い余計な付属物ではないと。ロシアも本来は敵国の米独の学問である、地政学の研究に最近は大いに熱を上げているとか。日本も政治を考える際に官民問わず、地理をもっと意識する必要に迫られていそうですね。
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地政学の現在。原書を「進化する地政学」と二分冊にして訳出したもので、併せて読むことで現在の学問的な到達点が分かる。
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