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五人目のブルネット の商品レビュー

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2011/11/26

町を歩くと角ごとに黒髪でスタイル抜群の若い女性が立っていたら、そりゃびっくりすると思うけど(そしてけっこうワクワクすると思うんだけど)、そういう発端の物語がみるみる射殺事件に行き着いていく。その流れはなかなかお見事。殺人事件が起きてからは、弁護士メイスンが動けば動くほど登場人物が...

町を歩くと角ごとに黒髪でスタイル抜群の若い女性が立っていたら、そりゃびっくりすると思うけど(そしてけっこうワクワクすると思うんだけど)、そういう発端の物語がみるみる射殺事件に行き着いていく。その流れはなかなかお見事。殺人事件が起きてからは、弁護士メイスンが動けば動くほど登場人物がふえてきて頭がゴチャゴチャになっていくのだけど、結局シンプルな論点でさらりと解決してしまうのが、またお見事。 単純化すればとても単純になってしまいそうなパズルを、うんと膨らませたような活劇である。それを水増しと思うか豊かさと思うかはそれぞれだと思うけど、僕は「してやられた感」も含めて面白かった。メイスンの活躍や、今回ははっきり敵である検事側との戦い自体が、いわばフェイクになっている趣向というのは、なんだかメイスン・シリーズの根本に関わるようで、シリーズの中でも転換期がきている頃なのかもしれないなと思う。

Posted byブクログ