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横井軍平ゲーム館RETURNS の商品レビュー

4.2

22件のお客様レビュー

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2012/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

コストとの兼ね合いの話がずっと出てきます。 ゲームボーイをなぜモノクロ画面にしたか...など。 純粋な技術者ではなく、プロデューサー的な方なんですよね。

Posted byブクログ

2012/05/09

 復刻された『横井軍平ゲーム館』を読んでいる。  復刻版のタイトルは『横井軍平ゲーム館 RETURNS』(横井軍平・牧野武文著 フィルムアート社)で、解説にはブルボン小林氏が起用されている。  実は前々から、論文執筆のため『ゲーム館』を資料として得るため、東京に出かけた際には、国...

 復刻された『横井軍平ゲーム館』を読んでいる。  復刻版のタイトルは『横井軍平ゲーム館 RETURNS』(横井軍平・牧野武文著 フィルムアート社)で、解説にはブルボン小林氏が起用されている。  実は前々から、論文執筆のため『ゲーム館』を資料として得るため、東京に出かけた際には、国会図書館で複写サービスを利用して、原本の複製を半分以上部分的に持っている。  なぜ、わざわざこんなことをしていたかというと、アマゾンをのぞいてもらえばわかるが、『ゲーム館』の中古品は高い。  復刻前は、たしか3万円ほどだった(それでも定価の20倍程)。それが復刻版の出版で6万円に高騰している! 復刻されるほどの書籍であるため、オリジナルの価値が上がってしまったのだ。  『ゲーム館』の内容に触れる前に、その書籍にまつわる情報が先行する珍しい本、それが横井軍平さんの功績を牧野さんがインタビューで尋ねる体裁の『ゲーム館』である。  尊敬する横井さんが、当時のことを振り返った面白いエピソードがある。  ここでは、引用を控えさせてもらって、要約したものあげると、  「光線銃は試作品を作らず、図面を引いたものを元に部品を作ってもらって、組み立てたらうまくいった」  というものだ。普通、一度完成させた構造物(試作品)を部品まで分解して、その部品を元に図面を引いて、大量生産用の部品を作るのが、定石である。  横井さん曰く「部品ひとつひとつにある不都合が、それぞれがうまく吸収しあった」と、当時を振り返って述懐しているが、私はこれを読んだとき、  「カラシニコフかよ」  と、思った。    AK-47こと設計者の名からカラシニコフと呼ばれるアサルトライフル(突撃小銃・武器分類では拳銃とスナイパーライフルの中間に位置する銃器)は、『ゴルゴ13』のエピソードでもあるように、“粗雑になるように計算されて”作られている(呉智英さんの『マンガ狂につける薬』の一文から拝借)。  本来は精密機械のアサルトライフルを、わざと粗雑にすることによって、ベトナムの高温多湿の林や乾いた風が砂粒を運ぶ砂漠地帯でも使用可能にした設計である。つまりは泥と砂にまみれても扱える銃なので、世界中に普及したのだ。(20世紀で最も製造された銃ともいわれている所以はここにある)  そんな銃であるから、世界中に少年兵を生み出す切っ掛けにもなっている。こんな表現はアレだが、「ジュースをこぼしても撃てる銃」だからこそ、少年でも扱えるため、世界中に少年兵を蔓延させた……というのが、私の持論である。  カラシニコフは粗雑になるように厳密に設計されているため、あえて作られた「いい加減」な仕組みによる性能のため、少年でも使える武装兵器として、世界中に浸透した。  話を光線銃に戻すと、電子部品を備えた精密機械であるはずの光線銃は、用意周到で精緻な図面を引かれて作られた部品が、組み立てられて製品となる・・・というのがイメージとして、先入観を持ってしまう。  しかし、子供が扱えるほどの電子機器とは案外、結果的に粗雑に作られているからこそ、道具を粗雑に扱ってしまいがちな少年たちを虜にしたのではないだろうか。  粗雑に作られているから、逆に壊れにくかったのでは?  もしかしたら、アサルトライフルのように精密に光線銃を作っていたら、すぐに壊れてしまって、少年たちがもてあましてしまう玩具になっていた恐れもある。  横井さんは楽天主義から無計画に出発し、カラシニコフは精密主義から計画的に出発している。設計思想からくるスタート地点は違うのに、結果は同じ(少年たちに銃を持たせる)になっているのが、非常に興味深い。  横井さんはピアノもお弾きになる方だったらしいので、もしかしたら、完全平均律の知識があって、「それぞれの部品の不都合が吸収しあった」と、完全平均律の調弦法に似たふうな、説明をしたのかもしれない。  もしかしたら、この「それぞれの部品の不都合が吸収しあった」と同じ仕組みで、横井さんの製品は成り立っているのではないか?  基本的なアイデアや機械構造は、ピタゴラスイッチ装置のようなモノ(今の言葉でわかりやすく言えば)があり、古典的鏡のトリックを利用したりする。しかし、それを支える一つ一つの部品は精巧に作られた精密な部品ではなく、悪く言えば大雑把な、よく言えばファジーさがアジャスト性能を持つ部品が組み合わさるから、それがかえって、万人に使いこなせるカラシニコフのように万人に受ける性能を持つ……というのは、こじつけだろうか。

Posted byブクログ

2012/03/30

「枯れた技術の水平思考」――。 今のアップルやかつてのソニーにも通じるコンシューマー市場を席巻できる発想を早くから気付いていた任天堂のクリエイター。企画、物づくりを仕事にするなら必読の書。

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2012/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ある人の日記に 『あなたは枯れた技術の水平思考という言葉を知っていますか?』 と書かれていたけど、知らなかったので読んだ本。 本書は横井軍平さんが開発した製品群ごとに章分けされており、 大きく4つに分かれている。 そのなかで1967-96年の30年間につくられた24の製品が紹介されている。 1、1967-1980:アイデア玩具の時代 2、1970-1985:光線銃とそのファミリー 3、1980-1983:ゲームウォッチの発明 4、1989-1996:ゲームボーイとそれ以降 技術的な内容は全く書かれていないが、 『娯楽品というのは最初のイメージが重要で、それで売れ行きがきまってしまう』 『他愛のないことも、おおげさにやると面白くなる』 『ホンモノはマネされる』 『熟した技術(液晶,)を他の用途に利用することで低コストで高品質な製品をつくる』 などの着想や発想は参考になる。 製品のユーザが人の場合、開発した製品は人にとって優しいものにしなければいけないと思いました。

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2011/05/08

任天堂のDNAの原点的な部分がうかがえる。人間の本質をついたエンタテインメントの根っこみたいな考え方は面白い。

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2011/01/29

幻の名著の復刻版、とのこと。同じ著者による「ゲームの父・横井軍平伝」を読めば、本書の内容はだいたい押さえられると思う。

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2010/12/19

本質はどこにあるか。 何が削れるか。 それを自分が欲しいと思うか。 ハードとソフトを一貫して見渡せること。

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2010/11/14

「ゲームの父・横井軍平伝」を読んだあとに、この本を読んだのですが、合わせて読むとで深く横井さんの考え方を知ることができたと思います。 開発した製品に対する解説なども詳しく書かれており、モノづくりに対する考え方など非常に参考になります。 モノづくりをする人は為になる本だと思いま...

「ゲームの父・横井軍平伝」を読んだあとに、この本を読んだのですが、合わせて読むとで深く横井さんの考え方を知ることができたと思います。 開発した製品に対する解説なども詳しく書かれており、モノづくりに対する考え方など非常に参考になります。 モノづくりをする人は為になる本だと思います。

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2010/11/04

読みやすい本だったので、あっという間に読んでしましました。 横井軍平氏の、生い立ち、考え方、とても面白かったです。 特に、モノづくりをする人にとっては、大変参考になると思います。 iPhoneやAndroidのアプリプログラミングに興味がある人には、限られたリソースの中でのアイデ...

読みやすい本だったので、あっという間に読んでしましました。 横井軍平氏の、生い立ち、考え方、とても面白かったです。 特に、モノづくりをする人にとっては、大変参考になると思います。 iPhoneやAndroidのアプリプログラミングに興味がある人には、限られたリソースの中でのアイデア勝負のモノづくりという点では、かなり共通項があるのではないかと。 久しぶりにGame&Watchが欲しくなりました。 オークションで買おうかな(笑

Posted byブクログ

2010/11/01

RETURNSと付いている通り,昔発売されたものの復刻+αな内容です.昔発売されていたモノがプレミア化し高価になっていたため,今回の復刻は非常にありがたいものでした. 内容は任天堂がファミコンを作る前から在籍した開発者のインタビュー.横井さんは今の任天堂を作ったと言っても間違いな...

RETURNSと付いている通り,昔発売されたものの復刻+αな内容です.昔発売されていたモノがプレミア化し高価になっていたため,今回の復刻は非常にありがたいものでした. 内容は任天堂がファミコンを作る前から在籍した開発者のインタビュー.横井さんは今の任天堂を作ったと言っても間違いない人物の一人で,モノづくりに関するモノの見方がとても独創的で,ゲーム業界に限らず多くの方がファンを公言するほどです. 会話の端々から人の良さや,独特なものの見方を感じ取れる内容で,ファンならずとも関心することが多いかと思います. 同時期に発売された「ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男」も同時に

Posted byブクログ