死ぬな生きろ の商品レビュー
汗臭い本だった。クサイ。死なないよ、生きるよ、僕は。最初から、そのつもりなので、だから、それほど、響きはせず。(13/5/2)
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インドでメメント・モリを撮ってきた藤原新也氏が次に日本で取り組んだのが四国八十八ヵ所巡りのこの写真集。インドより日本というか四国は生きている人と死人の境が曖昧なのだとつくづく感じ入る。お地蔵さんにも振り返る猫にも落ちた椿にも死者の世界への入り口が開いている、という感じ。
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写真家・書道家の藤原新也による、四国巡礼の写真集。と書くと、何だか胡散臭さがプンプンしてくるが、この写真集が伝えてくれるのは決して浮世離れした世界観ではなく、しっかりと現世に地に足をつけた上で、新しいこの世の楽しみ方を示してくれる。タイトルのインパクトは強いが、宗教的な色が強い写...
写真家・書道家の藤原新也による、四国巡礼の写真集。と書くと、何だか胡散臭さがプンプンしてくるが、この写真集が伝えてくれるのは決して浮世離れした世界観ではなく、しっかりと現世に地に足をつけた上で、新しいこの世の楽しみ方を示してくれる。タイトルのインパクトは強いが、宗教的な色が強い写真集ではない。「まだまだ世界、楽しみつくしてないじゃん。死ぬの、もったいない。」そんな風に、カジュアルに日常生活への「お土産」を持って帰ることが出来ます。
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太い言葉は力強い書にのって象に踏みつけられたかのように体中ずどんずどんと押しつぶそうとしてくる。ずどんは遠慮なんてしないし、こちらが身構えることすらも許してくれない。生きることってのはその実そんなことなのではないだろうか。生きてればきっといいことあるから、っていうようなよくわから...
太い言葉は力強い書にのって象に踏みつけられたかのように体中ずどんずどんと押しつぶそうとしてくる。ずどんは遠慮なんてしないし、こちらが身構えることすらも許してくれない。生きることってのはその実そんなことなのではないだろうか。生きてればきっといいことあるから、っていうようなよくわからないどうでもいい励ましとかはウザいのだけれど、潔いこの真っ直ぐな言葉には踏み潰されてもいいと思った。
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藤原新也さんが上梓した新刊本「死ぬな生きろ」は、出版界のみならず様々なジャンルの人々に衝撃的に受け止められているようだ。その最たるターゲット、矛先となっているのが写真界。 「写真はアナログに限る」「フィルムの良さはデジタルには適わない」等々のアナログ至上主義の風潮は未だに根深い...
藤原新也さんが上梓した新刊本「死ぬな生きろ」は、出版界のみならず様々なジャンルの人々に衝撃的に受け止められているようだ。その最たるターゲット、矛先となっているのが写真界。 「写真はアナログに限る」「フィルムの良さはデジタルには適わない」等々のアナログ至上主義の風潮は未だに根深いものがあるが、新也さんはあっさりとそうした風潮をしりぞける。 藤原新也さんは、昨今のデジタル写真の世界に対しても、積極的に関与していこうという強い意識を感じ取るのである。その為の様々な実験や研鑽を積み重ねている。その成果が新刊本「死ぬな生きろ」に凝縮されている。 さらにまた新しい試みとして「書」に取り組んでいる姿が読者にインパクトを与えている。これまでエッセイ、ドキュメント、等々のスタイルで大きな足跡を築いてきた彼だが、まったく新しい「書」という表現のジャンルを取り入れることにより、藤原さん自ら新しい表現スタイルに挑戦する意思を公にしたとも云える。余計な「意味」というものをぎりぎりまでに排除することで浮かび上がってくるもの、それを表現と呼んで良いのかわからないが、固陋な出版業界に新鮮な風を吹かせていることは明らかな事実なのである。
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西国八十八ヵ所の霊場がある四国は不思議な島だと著者は書く。お遍路巡礼の地・四国は、どこかこの世を離れ、あの世に向かって浮遊している感じがするのだそうだ。霊感の強い人ほど、感じるものがあるのだろう。 この本は、著者が四国八十八か所の遍路旅を続けながら、その日その日の出会いを、自筆の...
西国八十八ヵ所の霊場がある四国は不思議な島だと著者は書く。お遍路巡礼の地・四国は、どこかこの世を離れ、あの世に向かって浮遊している感じがするのだそうだ。霊感の強い人ほど、感じるものがあるのだろう。 この本は、著者が四国八十八か所の遍路旅を続けながら、その日その日の出会いを、自筆の墨書と写真によって一日一句、一日一葉、しめて八十八の言葉と八十八枚の写真でつづった旅の記録だ。ほとばしり出た言葉を書きつけた墨の色は、日により濃くなり薄くなり、書体も太くなり細くなりと一様ではない。一瞬の気合いをこめて書きつけた文字が、その時々の著者の心情を表わすせいだろう。 絞りを極端に開き、ぼけみと柔らかみをにじませた写真が、心象風景のように収められている。あとがきとして添えられている「心を捨てる」という一文がなかなか良い。見る人に不思議な感慨を与える「書・写真」集。
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