悪と仮面のルール の商品レビュー
1日で読み終えた。 タイトルや、出だしから興味を惹かれて読み進めたが、結局、いつ面白さのピークが来るのだろう、と思いながら読み終えていたと言う感じだった。 ストーリー自体はとても重く、引きずり込まれそうな感じだが、一人の女性を愛するが故の行動、主人公にそこまでの異常性は感じられ...
1日で読み終えた。 タイトルや、出だしから興味を惹かれて読み進めたが、結局、いつ面白さのピークが来るのだろう、と思いながら読み終えていたと言う感じだった。 ストーリー自体はとても重く、引きずり込まれそうな感じだが、一人の女性を愛するが故の行動、主人公にそこまでの異常性は感じられず、以外にあっさりと感じた。 私の読み方が浅かったからかな?
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「悪と仮面のルール」 邪悪な家系に囚われた男の話。 お前は邪に育てるために私の意思で生まれた。お前に生得の権利などない。お前は邪になる。お前は邪を避けようとして邪となる。それは変更されない。 久喜家の当主である父は死ぬ前に僕にそう告げたが、父に久喜家の歴史を告白...
「悪と仮面のルール」 邪悪な家系に囚われた男の話。 お前は邪に育てるために私の意思で生まれた。お前に生得の権利などない。お前は邪になる。お前は邪を避けようとして邪となる。それは変更されない。 久喜家の当主である父は死ぬ前に僕にそう告げたが、父に久喜家の歴史を告白された時点で僕は既に邪だった。 世に邪を生み出す風習がある久喜家に生まれた久喜文宏が、初めて好きになった香織(久喜家養女)を久喜家から守り通す物語。ともすれば純愛小説に見えるが、邪に苦しむ文宏の苦悩の物語の様にも見える。香織を陰から守る為、父を始め一人また一人と殺していく。殺された相手は悪人であり、文宏にとって香織は悪も善も超えた存在であることを踏まえると、自らを邪と認識している文宏は気に病むことは無さそうだが、父に取り込まれたように顔が父に似ていき、麻薬の売人を殺した時は後悔を吐露するかのような悪夢にうなされる。 本書のテーマに愛が含まれるとすると文宏が苦しんだ邪もその1つだと思います。邪をもっと具体的に言えば、人は何故人を殺しをしてはならないか?。父や兄は邪としての喜びを語り尽くす一方で、文宏は香織を守る為に人を殺したからこそ分かる感覚や重さを邪を引き継ぐ伊藤に語るが、その語りの量は膨大。その後、伊藤が殺人を犯すことは無かったのかは定かではないが、伊藤と文宏はある種の信頼関係を結ぶことになる。 最終的には香織に本性を告げず、久喜家の魔の手から彼女を守り切り、海外に逃げることになる文宏だが、そこで探偵のルール破り(プレゼント)が発覚する。 全てを投げ打ってきた文宏がその後どのような人生を歩んだのか興味深い終わり方だった。
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この本は一人の女の子をさまざまな悪から守るため、悪をもって悪を征していく究極の愛の物語です。登場人物の全員にそれぞれのルールがあり、そのルールに沿って生き、死んでいきます。この本は悪をキーワードとして生と死に向きあっています。主人公が生きる理由はかおりとの幸せな記憶を残していたいから。 とても面白い本だった。特に登場人物が魅力的だった。どんなに社会的成功者でもどんなに悪を背負った人でも、どんなに平凡な人でもだれでも愛を求めていた。だから共感できるところもあった。人間の根本を知れた気がする本だった。
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ほぼ一気に読んだ。 一気に読めた…からと言って評価が高くなるわけではなくて、先が気になって先へ先へと読み進めた結果、なんかイマイチだなという作品。 ひとりの女性を守るために犯罪を重ねる…っていうのは、白夜行みたいでロマンチック?な感じもするけど。 とにかく、何もかもが抽象的でつ...
ほぼ一気に読んだ。 一気に読めた…からと言って評価が高くなるわけではなくて、先が気になって先へ先へと読み進めた結果、なんかイマイチだなという作品。 ひとりの女性を守るために犯罪を重ねる…っていうのは、白夜行みたいでロマンチック?な感じもするけど。 とにかく、何もかもが抽象的でつかみどころがない。 主人公の父は、お前は邪として生まれた、地獄をみせる、とか。 主人公の兄も、女を薬漬けにして好きにすると言いつつ、そこまでする理由が、「興味があるから」とか。 テロ集団にしても、結局何がしたかったのか…。 曖昧な理由で、罪を犯す登場人物たちに全く現実感がない。 それと、突然太字が登場するんですが、 ここ強調しますよ〜ってことなのかな。 緊迫した世界観とのギャップが…。 太字が現れるのは、この作者の特徴なのでしょうか。初めてこの作者の本を読んだので、わかりませんが。 映画は見ていないけど、読みながら、映像化には向いてそうだな〜って思いました!
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350ページにも及ぶこの分厚い本を、1日で読みきってしまった。それくらい物語にズルズルと引きずりこまれてしまった。辛くて苦しくて、時々散歩したりリフレッシュが必要だったけど、最後は文則さんありがとうって言いたくなるくらい胸をなでおろす終わり方だった。ややご都合主義とも言える部分もあったけど、救いのない最後だと2〜3日精神やられるので、これくらいがちょうどいい。 人が人を殺す。本能に逆らい、踏みこんではいけないその領域に足を踏み入れたとき、その人間は誤作動を起こす。本能的な拒否を消化できず、いつまでも、その生物の歪みの中で苦しむことになる。 「人はなぜ人を殺してはいけないの?」と子供に問われることを妄想したことがある。結局自分の中でこれという答えは出なかったけど、この小説に描かれていることが答えに近いのかもしれない。ルール(法律で定められてる)だから、って言うのは簡単だけど、そんなのルールを守る秩序ある社会だけで通用する常識だ。 あと、どんなに死にたいと思っても、生きるために背中を押してくれるような幸福な過去があれば生きられるんだ(どんな人にだって幸福を感じる能力があるのだ)というそのメッセージに胸が熱くなった。
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殺人を犯したという 罪に苦しむ 主人公の姿が とても哀れです こんなやつらのために苦しむなんて 割に合わないと思うから 殺人に一歩踏み出すべきでは ないのかもしれません
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物語ではなく自説を延々と綴ってあるものを読んだかんじ。 鬱々とした内省的な文章を読み続ける作業が好きなので、ぐるぐる出来てよかった。 精神状態が内側に向き、かつ思考できる状態でいないとこういう本を読んでも頭に入っていかないものなので、今の自分の状態の確認も出来ました…。
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いつか読もうと思っていた作家だが、今は作家が多すぎてフォロー仕切れずにいたが、米国でも有名になり本作が映像化されるので読んで見た。一風変わった小説である、貫井徳郎風でもあるがちょっと違う。基本は殺人犯の話ではあるがピカレスクロマンとも言い難い、悪に対する考察や邪についての説明があり理屈っぽいところもある。最後香織が現れるのかなとも思ったがもう一人の方が現れたがまあそれもいいかな。途中北にミサイルを打たせるという話は今としてはタイムリーであるし、そうなればきっと9条を守れなんてのは忘れ去られるのであろう。
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面白く読み進められたけれど、前半の引き込まれ方に比べて最後は主人公の都合の良いように展開しすぎて肩すかし感。 あと最後主人公がちょっと良い人過ぎないか...?とも思った。結局「邪」でも何でもない普通の人だったの?
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セリフが長い、言わんとすることは何と無くわかる。生い立ちもこってて面白いが、どんより感が強く、無理やりな展開もあり、えっとなる。 主人公以外の悪は凄いが、主人公は優しい。
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