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永久男根/平岡正明 の商品レビュー

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2012/02/07

こちらも、この7月9日で一周忌。 書名は、さすがお見事、編者の四方田犬彦のしゃれっ気たっぷりの趣向によるものですが、これは、イザラ書房から1971年に出た平岡正明の五番目の著書『永久男根16』からとったものです。 ところで、こともあろうに彼の著書には他にもう一冊、乙女が口にす...

こちらも、この7月9日で一周忌。 書名は、さすがお見事、編者の四方田犬彦のしゃれっ気たっぷりの趣向によるものですが、これは、イザラ書房から1971年に出た平岡正明の五番目の著書『永久男根16』からとったものです。 ところで、こともあろうに彼の著書には他にもう一冊、乙女が口にするのもはばかる書名、仮面社から1980年に出た『韃靼人ふうのきんたまのにぎりかた』がありますが、なんとこの本、平岡正明の直筆のサイン入りのものが我が家にはあるのです。 しかも不可解なことに、その献辞の文句が「筒井康隆ファンにして我が少数の読者に 平岡正明」というもので、なんだか訳がわかりません。 父に聞いてみると、氷解しました。こういうことです。1981年3月にCBS・ソニー出版から出た『筒井康隆はこう読め』を発売と同時にさっそく読んでいたら、巻末に突然、近著の『韃靼人・・』がまだ少し手元にあるので、欲しい方はハガキを下されば進呈しますと書かれていて、平岡正明ファンでもあった父が急いで出して、その結果、送られてきた贈呈本だというのです。 私は、いわゆる門前の小僧かもしれないところはあるかもしれませんが、別に特に強調や強制されたわけではないのに、中学生の頃から平岡正明をジャズ批評から読み始めて、我が家にそれほど揃っていなかった彼の本を古書店を探しまくって、全著作を集めるほど熱狂したものです。 それはともかく、この本は彼の一周忌を記念して、ジャズ評論家の相倉久人が出会いを語り、音楽批評家の平井玄がジャズになった男と表し、映画監督の足立正生がバカオカバカアキと檄をとばし、江戸文化研究者の田中優子が平岡流江戸理解の素敵さを賞賛し、映画監督の内藤誠が映画『俗物図鑑』でのエピソードを暴露し、小説家の梁石日がとうとうと愛惜し、ジャズプレイヤーで作家の山下洋輔とマイク・モラスキーの両人がジャズ的弔いで喪に伏すどころかドンチャン騒ぎ、天国からは16年前に先に逝った極真空手の師匠・大山倍達が愛弟子を豪快に語るなどなど、そして、編者である四方田犬彦が、まだ死ねるもんですか、生き返って、さあこのしっちゃかめっちゃかの騒ぎをもっとしっかり見つめて見事に切り取ってほしい、あれ、そんなことは言ってないか、これってもろ私の願望でした。

Posted byブクログ